58歳で競技復帰をした小谷実可子、「30分泳いだら足がつる」苦難の連続だった。でも「20代の頃より喜びがある」その理由とは

「昨日できなかったことができた!」30年のブランクを経て、20代よりも成長の喜びは大きい

――小学生からシンクロナイズドスイミングをはじめ、高校時代には留学も経験されています。現在は、競技復帰をし、マスターズ大会で3年連続金メダルを獲得されました。世界で戦ってきた小谷さんですが、「練習をしたくない」「体を動かすのがしんどい」と感じることはなかったのでしょうか。

 

「朝、起きるのがつらいとか、体がしんどいというときはありましたけど、練習をしたくないというのは、一度たりともありませんでしたね。10代、20代のときも、そして、今もです。それは、日本一になりたい、オリンピックに出たい、金メダルをとりたいという目標があったから。誰に言われたわけでもなく、自分が掲げた目標を叶えるためには、努力をするのが当たり前と思ってきました。

 

アスリートにとって練習をしないということは、料理をするのに食材を買いに行かないようなもの。結果を出すためにまずやらないといけないことの一つなんです」

 

――努力を続けられる理由は、オリンピックなど、世界を舞台にした大会での優勝、メダル獲得という壮大な目標があるからこそ、なのでしょうか。

 

「大きな夢があるからというよりも、練習を通して、昨日できなかったことが、できたという喜びを得られるのが大きいです。だから『練習をしたくない』と思ったことがない。どうしたらできるかを考え、トライする。日々の練習では、小さな課題を設定しクリアすることを大切にしています。そうしてコツコツ積み上げていくプロセスに楽しさや喜びを感じること、これが継続する最大の秘訣です。

 

特に、『マスターズ世界選手権出場』という目標を掲げ、50代後半で真剣に競技に向き合うようになってからは、驚くべきことに、練習がさらに楽しくなっていったんです。その理由は、20代の頃よりもどんどんうまくなっていくのが目に見えてわかるから。身体的な衰えがあるからこそ、成長を実感できる。今の時代は、一人で練習していてもスマホで動画を撮影し、その場で成果がわかるんですよね。それが、よしやろう!とさらに励みになる。

 

40代の頃は、50歳が人生の折り返し地点で、その後人生はしぼんでいくようなイメージを持っていました。ふたを開けてみたら、びっくり!今年、還暦を迎えたのですが、ここまで進化できるとは思ってもいませんでしたし、今が最高に楽しいんですね。

 

この間までは30分も泳げば足がつっていたのに、気づいたら1時間も泳げるようになっていたとか、筋肉痛で眠れなかったのに、鎮痛剤を飲まなくてもぐっすり眠れたとか、人生の後半もなお成長を続けられる、そんな変化を日々楽しんでいます」

 

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