「50代で廃人寸前だった」小谷実可子が明かす、コロナ禍でのオリンピック招致に燃え尽きても、競技復帰に向かわせたものとは

「鬼のメンタル」ではありません(笑)。「すべてのできごとには意味がある」という言葉が支え

――50代からの再挑戦にはメンタルの強さも必要な気がします。小谷さんのようにメンタルが強く、いつも前向きでいるための秘訣はありますか?

 

「娘には『鬼のメンタル』なんて言われますけど、実際はそれほど強くはありません。

 

10代の頃は、絶対に勝てると期待されながらもずっと勝てない時期が続き、どん底に落ちたこともあります。そこから、できないことに向き合い、どうすればできるようになるのか、何度もトライをして、ようやく日本チャンピオンを手にしたんです。

 

当時、アメリカのチャンピオンから『Things happen for reason(すべてのできごとには意味があるんだよ)』とかけられた言葉が、私の人生において支えになっています。

 

簡単に日本チャンピオンになっていたら、できないこと、苦手なことに向き合い、乗り越えようとする努力を知らずにいたかもしれません。どん底を味わったからこそ、努力することを学べたんだとポジティブにとらえることができました。

 

20代以降は、シンクロに関わらず、仕事や子育てなどすべてにおいて、壁にぶつかったら、学べるチャンス、成長の機会を与えてくれたんだと前向きに取り組めるようになりました。練習の話でもしましたが、できないことができるようになる喜びを感じられるので、困難なことがあっても前に進めるんです。

 

これをメンタルが強いっていうのでしょうか(笑)」

 

――シンクロの練習を通じて体だけでなく、心も鍛えられていったんですね。「心技体」と言われますが、パフォーマンスを高めるためにはどれか一つではなく、3つのバランスが大切なんだと改めて感じました。小谷さんの物事のとらえかたは、人生を楽しく生きるヒントになりますね。

 

「アスリートだけが困難と向き合っているわけではないし、ぶち当たる壁の高さは人それぞれ。その壁をどうとらえるかではないでしょうか。

 

ポジティブにとらえることで、参考にしたことがもう一つあるんです。10代の頃に読んだ『サザエさん』の4コマ漫画です。雨が降った日、マスオさんは『雨が降って嫌だな、濡れてしまうな』と言うんです。一方、サザエさんは『雨が降ったおかげで新しく買った傘が使えてうれしいわ』と楽しそうなんです。同じ雨でも考え方一つで変わるんだ、私はサザエさんのマインドで生きて行こうとそのとき決めました」

 

▶「何のために生きていけばいい?」人生のどん底を救った言葉は

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