「先生、父はあとどれくらい?」思わず余命を確認した私。両親同時に倒れ“ダブル介護”で心が限界に【100人の介護】

「私はココがいい」床に寝ていた母に抱いた大きな違和感

2025年3月、お父さんは入院先の病院で息を引きとりました。とても穏やかな最期だったそうです。

 

自宅でずっと一緒に過ごしていたお母さんは、さぞかし寂しがることだろう、借りていた介護ベッドを返したら部屋が急に広くなり、その寂しさが一気に増すかもしれない。そんなふうに心配していたNさんですが、お母さんは悲しみに打ちひしがれることもなく、これまでと変わらない様子だったといいます。

 

「今思うと、母は父が亡くなったことを理解できていなかった気もします。単純に話し相手がいなくなり、退屈しているような印象を受けました。それもあってか認知症の症状が一気に進み、『お父さん、やっと帰ってきたわ』『虫がいっぱい入ってきた!』と幻覚を訴えることも増えてきたんです」

 

そこから数ヶ月が過ぎ……ついにNさんが「もう、在宅介護は卒業しよう」と決意する出来事がありました。

 

ある朝、ベッドに寝ているはずのお母さんがいないことに気付いたNさん。慌てて近くに寄ってみると、床に寝転がるようなお母さんの姿が! 「普段ベッドから落ちることなんて、ほとんどない。もし落ちたとしたら、すぐに私のことを呼ぶはず。そうなると、意図的に床にいるとしか思えないけど、何で?」Nさんは、明らかにお母さんの様子がおかしいと思い始めます。

 

ところが、「ねぇ、こんなところにいたら、風邪引くよ」と声をかけても、「私はココ(床)がいい」とお母さんは特に困った様子も見せず、むしろ笑顔で答えるのです。そんなやりとりをしばらく続けたあと、「布団に戻ろうよ」とお母さんの体を持ち上げた瞬間、大きな違和感が……。

 

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