どうして更年期世代は「ニオイ」が悪化するの?内科医が原因を詳しく解説

とりわけ更年期世代の女性は「体臭、汗のニオイ、口の中がクサくなる」という話し、聞いたことがありませんか?

どうせいつものオバサン煽りだと聞き流しているなら、ちょっと待った! もしかしてあなたの「ニオイを感じ取る力」が落ちているだけかもしれません。

内科医師でありながら“におい専門家”としても活動している桐村里紗先生に、更年期世代が気をつけるべきニオイの話しを教えてもらいました。(オトナサローネ編集部 井一美穂)

 

クローゼットのニオイが変化したら「体臭変化のサイン」

– 他人から指摘されないと、自分の口臭、体臭には気づきにくいものですが、それには理由があります。

 

24時間クサイと嗅覚が慣れてしまうからです。

 

誰しも自分のクローゼットを開けたときに何かしらのニオイを感じると思いますが、あのニオイは自分の体臭に由来しています。

 

体臭とは皮膚から発生するガス。洋服に皮脂や汗が付着し、それを常在菌が分解してニオイになります。服を着た状態のニオイは服と皮膚両方に由来します。

 

つまり、「クローゼットのニオイが変化したら、自分の体臭が変化したサイン」です。

 

更年期女性のニオイはどうして発生してしまうの?

では、どうして更年期にニオイが変化するのでしょう。理由は女性ホルモンの分泌が減少するから。

 

実は、女性ホルモンは皮脂の酸化と皮脂分泌、両方を抑えてくれていました。

 

しかし更年期以降は女性ホルモンの分泌が低下する分、男性ホルモンの働きが優位になります。男性ホルモンには皮脂分泌を増やす働きがあり、また酸化も押さえてくれないので、自ずと加齢臭が発生してしまうのです。

 

加齢臭は、皮脂が酸化して生まれるノネナールという成分。ちょっと枯れた、ひなびたニオイがします。

 

男性のミドル脂臭とは少し違う、女性のニオイの秘密

この女性の加齢臭は、年齢によっても変化します。男性特有の寝室の枕のニオイは、先ごろマンダムが解明した「ミドル脂臭」。ですが、女性の加齢臭はひなびたニオイなので、そこまで悪臭ではありません。

 

ただし、年齢を感じるニオイではあるので「オバサンぽさ」の原因になり得ます。

 

この加齢臭は、男性も女性もおおむね同時期の40代ごろに始まります。男性の皮脂分泌は20代がピークで70代まで減りませんが、女性はなだらかに減っていきます。ですから、女性のほうが世代によってニオイの変化を感じやすいのです。

 

暑い時期のほうが皮脂のニオイを感じやすいので、1年の中では夏場がクサくなりやすい。なので、ニオイをきっかけとしてライフスタイルを整えるチャンスが夏なのです。

 

ホットフラッシュの汗が気になる人は、大豆を積極的にとって

そもそも更年期はかく汗が変化しやすい時期。ホットフラッシュそのものをおさえるのは難しく、仕方のない側面があります。

 

更年期症状が重いか軽いかは、エクオール産生菌などの腸内環境とも関係あります。

 

エクオール産生菌は、以前は日本人の半分くらいの人が持っていないと言われてきましたが、最近では、実は97%の人が持っていることがわかりました。

 

ところが、実際にエクオールを産生している人は、持っている人のうち22%程度に過ぎないのです。

 

産生している人の違いは、全体的な腸内環境のバランスの良さ。様々な菌がたくさんいて、多様性に富んでおり、エクオール産生菌のエサになるタンパク質や食物繊維をしっかり食べていると、エクオール産生能が高まることがわかってきました。

 

つまり、エクオールを産生できるかどうかは、エクオール産生菌を持っているか持っていないかではなく、エクオール産生菌が活動しているかどうかが大きいのです。

 

いつまでも若々しいタイプの人は、エクオール産生能が高いもの。いまはネットで注文できるキットでも検査できますので、気になる人はチェックを。いない場合は生活習慣を見直しましょう。豆腐、納豆のほか、味噌汁で大豆イソフラボンを補い、食物繊維もしっかり摂りましょう。

 

更年期世代は摂取する「油脂」「糖」にも気をつけたい

更年期世代が食べないほうがいいものもあります。2大NG食品が、酸化した油脂と、砂糖です。

 

酸化した油脂は体内の中性脂肪増、皮脂の分泌増の原因となります。

 

サラダ油に代表される、酸化しやすいオメガ6系統の油脂は、加工されたパン、マーガリン、ショートニング、加工食品、インスタント食品、ファストフードなどに含まれます。

 

マーガリン、ショートニングは菓子パンにも配合されることが多く、酸化しやすく、皮脂の原料になる油脂です。

 

お惣菜に使われる油脂もオメガ6のサラダ油。摂取する油脂の質には意識を保たないと、心疾患を引き起こすトランス脂肪酸も気づかずに摂取している可能性があります。

 

普段の料理には、オメガ3系統ならばアマニ油、ヘンプシードオイル。オメガ9系統ならオリーブオイル、こめ油を活用してください.

 

また、砂糖をとりすぎると体内で中性脂肪に変わり、皮脂の分泌が増えてしまいます。甘いものの食べ過ぎもNGです。

 

砂糖だけでなく、普段からおにぎりやサンドイッチなどをよく食べる人は、食事が炭水化物にかたよりがち。血糖値が上がると中性脂肪に変わって皮脂が酸化しますから、ランチに食べるなら和定食などバランスのいいメニューを選んでください。

 

>>>次ページ・「足」「背中」「口」など気になる部分別のニオイについて!

スポンサーリンク

この記事を書いたのは
内科医・認定産業医 桐村里紗

スポンサーリンク

スポンサーリンク