54歳、婦人科で「更年期だから我慢してね」と言われてしまい【医師に聞く】

2021.03.20 WELLNESS

40代・50代の「ちょっとした身体の悩み」や「どこに相談すればいいかわからない医療の困りごと」について、医師で予防医療スペシャリストの桐村里紗先生に教えていただきます。

 

Q:この五十肩は更年期?他に原因が?そして、いつまで辛さが続くんですか?

私は54歳で、月経はありますが、量は減り、間隔もあいています。51歳ごろから更年期障害かな?と思う症状が出はじめました。

いちばん辛かったのは五十肩が両肩に出たときで、夜も眠れず痛みに苦しみました。指のこわばりや関節の痛みも出て、去年からは目まいと耳鳴りにも悩み、鬱っぽくなっています。

 

ですが婦人科を受診しても、「更年期だから我慢してね」と言われ、特に何もしてもらえませんでした。

 

目まいや耳鳴りは他の病気の危険もあるのかもと不安ですが、婦人科以外にかかるべきでしょうか? その場合はどの科にかかればいいのでしょう。

 

また、実際にみんなはどこまで我慢しているのでしょう。どのくらい辛ければ治療をしてもらえるのか、治療といっても何があるのか、本当にラクになるのか? そして、私のこの辛さは何歳ごろまで続くのか、教えていただけないでしょうか。

(54歳 会社員)

A.生活習慣の改善を含めた包括的なアプローチができます

自覚症状は他人にはなかなか分かってもらえませんから、日常的に辛い症状が続くと、気が滅入ってしまいますね。

 

1・更年期の症状は閉経前後の10年程度続きます

まず、いつまで続くのかから。更年期の症状は、個人個人によって程度が違いますが、閉経年齢前後の±5歳に特に起こりやすくなります。

 

女性ホルモンのアップダウンによって自律神経が乱れるために様々な症状が起こりますが、ホルモンが低下しきってしまうと落ち着きます。永遠には続きませんから安心してくださいね。

 

2・五十肩は更年期よりも生活習慣が影響します。運動で対策

肩関節の周囲に炎症が起きる原因としては、加齢に伴い筋肉や腱の柔軟性が失われてスムーズに動かなくなるためといわれています。

 

五十肩の一番の原因は日常の運動不足です。普段から十分に運動して肩周りを動かしていれば、予防することも可能だったはずです。

 

また、肩関節のクッションとなる軟骨のコラーゲンが減ることや劣化することも原因になります。

 

コラーゲンの生成にはタンパク質と鉄分、ビタミンCが不可欠です。また、砂糖や炭水化物の摂りすぎで、老化の一員である「糖化」が起こると、コラーゲンの機能も悪くなります。

 

運動習慣や食習慣はいかがでしたか? いつでも手遅れということはありませんから、これから少しずつ対策していきましょう。

 

3・腸内環境をよくすれば更年期症状が緩和できる

さらに、更年期症状の程度は、腸内環境の良し悪しによっても変わります。

エクオールという女性ホルモン様物質が腸内細菌によってしっかりと分泌されている人は、更年期症状が軽く、楽に過ごすことができます。

 

エクオールの原料となるイソフラボンを含む豆製品をしっかり食べているかどうか。また、腸内環境全体が良いかどうか。

イソフラボンを活性の高いエクオールに変えるエクオール産生菌がしっかりと働いているかどうか。

 

女性ホルモン様作用のあるエクオールを産生する菌は、日本人の9割がたの人にいるものの、2割程度の人の腸内でしか機能していないという報告もあります。

 

生活習慣が乱れて腸内環境全体が悪いとエクオールを十分に作ることができません。イソフラボンを含む豆製品はもちろん、さらに、発酵食品や食物繊維をしっかりと含む根菜類・キノコ類・海藻類・雑穀類・芋類・ナッツ類などを日常的にしっかりと食べましょう。

 

4・めまいや耳鳴りが出た場合、まず耳鼻科に相談を

耳鳴りやめまいについては、もちろん更年期症状の一環で起こりうるものです。更年期症状の一環で起きるめまいは、一般的に、グルグルと目が回るよりもフワフワっとした浮遊感です。

グルグルと回転するめまいや耳鳴りを伴う場合、耳の問題であることが多く、精密検査をする場合は耳鼻科受診が必要です。

 

グルグルと回転するめまいが数日治らない場合は、脳梗塞などの中枢の問題の可能性もありますから、この場合は総合病院を救急受診する必要があります。

 

5・治療方針は医師ごとに違うから、わかってくれる医師を探して

更年期症状の自覚症状は、他人にはわかりませんね。他人には分かってもらえないものの、自分が辛い!という場合、通常は治療対象になるはずです。

 

治療対象とするか、「更年期だからガマンして」と言うかは、医師の裁量によりますから、辛いにも関わらず取り合ってもらえない場合は、もう少し親身になって下さる医師を探してみられた方が良いかもしれません。

相性もありますし、ご近所の奥様方の口コミ情報を聞かれるのも良いと思います。

 

「ガマンして」と言われて何も言えなくなってしまったのかもしれませんが、遠慮せずにご自分が考えておられることを医師にはっきり伝えてみて下さい。

 

6・治療の選択肢もいろいろあるんです

治療としては、減少してしまった女性ホルモンを補う、ホルモン補充療法が一般的です。

 

ヘパーデン結節やブシャール結節と呼ばれる指の変形性関節症の一種も女性ホルモンの揺らぎによって起こりますので、緩和が期待できます。

 

血栓ができやすいなどの副作用もある薬剤なので、適応になるかどうかは医師に判断してもらいましょう。

 

ホルモン補充療法の適応にならない、もしくはホルモン剤はちょっと遠慮したいという方には、漢方薬や女性ホルモン様作用を発揮するエクオールのサプリメントもあります。エクオールはホルモン補充療法にも併用ができます。

 

漢方薬は「証(しょう)」と呼ばれる体質によって適切な種類を選ぶ必要がありますから、漢方外来を掲げている医師に相談する方が的確です。もしくは、漢方薬店で相談するのも良いと思いますよ。

 

日常生活からできることは色々ますから、生活習慣を整えた上で、なお、辛い症状が続くようであれば、改めて相談なさってみて下さい。

 

■ちょっとした悩みがある方。桐村先生に相談をお寄せください。

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この記事を書いたのは
内科医・認定産業医 桐村里紗

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