40代は平均3年で3kg太る?太らない人がしていることって何?【ヘルスリテラシー#13】
こんにちは。「予防医学」を啓蒙するアンチエイジング医の中村康宏です。健康に関する正しい情報を使いこなす令和時代の概念「ヘルスリテラシー」を伝えています。
よく更年期世代から「太りやすくなった気がする」という悩みを聞きますが、気のせいではなく本当に太りやすいので注意が必要です。
では、どうして40代以降は太るのでしょう?
更年期世代が太りやすくなる3つのシンプルな理由とは
更年期に入り、女性ホルモン分泌が急激に減る40代。太る理由は主に3つあります。
1・生活習慣の変化
運動習慣・食生活が太りやすい状況に。「これまで通り」にしているだけで太ります。
2・ホルモンの変化
女性ホルモン・エストロゲンの低下。男性ホルモンの相対的上昇。成長ホルモンの分泌低下。
3・代謝サイクルの変化
成長ホルモンが減って基礎代謝が落ちる。エストロゲンの減少で血糖値が上がりやすい。
「3年で3kg増」はごく普通、65%が体重増を経験
更年期の女性は平均で3年あたり2~3kg体重が増えることがわかっています。実に65%の人が体重増加を経験するので、むしろ増えない人が少数派です。ある意味安心してください。
まず、この時期のホルモン分泌の変化によって、身体の脂肪のつき方が変わります。
「最近太った気がする」と感じる人は、体重以上に脂肪のつき方の変化で見た目が太ったように感じている可能性があります。
数値で言えば、平均でお腹周りは9年で4cm太ります。更年期には、これまでの皮下脂肪から、男性のような内臓につく脂肪に変化し、中心性肥満へと変わることが知られています。
皮下脂肪は落としやすい脂肪でした。しかし、内臓脂肪は落としにくいので、「太りやすくなり、落としにくくなった」と感じるのは生理学的に正解です。
「更年期でも太らない人」がしていることは何?
数値上でも、35%の人たちは体重が増えません。こういう人たちはいったい何をしているのでしょうか。
身も蓋もないですが、まず太らない人たちは遺伝要因が大きいです。お母様が更年期以降太られた方は、もしかしたら遺伝的に類似するかもしれません。
もう一つは、更年期の変化に適応できている人です。
ホルモン値が減少しているならば、ホルモン補充療法をする。
代謝が落ちたならば、
1・食事量を減らす
2・運動量をあげる
3・生活サイクルを整える
とりわけけ基礎代謝が落ちるのが深刻です。普通に生活しているとどんどん太っていきますから、これまでの40年の延長で生きるのではなく、まったく違う人生を始めるという意識を持って対策する必要があります。
医師・予防内科医・米国栄養士・産業医・MPHホルダー(米国公衆衛生学修士)
中村 康宏先生
米国留学を経て、健康増進・健康防衛のための医療を提供すべく「中村康宏内科クリニック」を京都で開業。その後、日本初のアメリカ抗加齢学会施設認定を受けた「虎の門中村康宏クリニック」を東京で開業。一般内科診療、アンチエイジングを追求する女性への美容医療、外国人の企業検診や訪日旅行客へのヘルスケアサービス、IT企業の社長へジムの運動メニューまで考える「顧問ドクター」、産業医として、企業のメンタルヘルスに関する相談などの予防に特化した医療サービスを提供している。無料相談会も全国各地で実施、ぜひお運びください。
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