ヒントは「◯◯ねく」。意味を間違ってる人も多い「拱く」の読み方、知っていますか?
漢字にはさまざまな読み方がありますから、時には読めない漢字に遭遇することもあるでしょう。でも、人前でうっかり漢字を読み間違えたりすると恥ずかしい思いをすることも…。
そこで本記事では、意外と読めない漢字のクイズを出題します。
「拱く」の読み方、知っていますか?
「拱」という漢字、馴染みがありそうでなさそうな絶妙な漢字です。「てへん」を「さんずい」にすると「洪水」などの表現で使われる「洪」になるので、一か八か「こうく」と読んだ人もいるのではないでしょうか。また送り仮名である「く」をヒントに「あまねく」と読んだ人もいるかもしれません。
ですが、どちらも間違いです。
ちなみに「あまねく」は「遍く」と書き、「すべてに広く行き渡るさま。すみずみまで。漏れなく」という意味です。
正解はこちらです。
「こまねく」です。
「拱く」の読みは、「こま”ぬ”く」という読みが音変化したものです。その意味は
1 腕組みをする。
2 (「腕をこまぬく」などの形で)何もしないで傍観する引用元:小学館 デジタル大辞泉
です。
「拱く」の動作は元々両手の指を腕の前で組んで挨拶をする中国の敬礼のひとつ。その敬礼の動作から、腕組みをするという動作を表すようになったといわれています。
また2つ目の意味、「何もしないで傍観する」を表すようになったのも、傍観するとき人が腕組みをするところから来ています。
ただ、文化庁が行った「国語に関する世論調査」によると、「手をこまねく」という表現に対して、本来の意味である「何もせずに傍観している」ではなく、本来の意味ではない「準備して待ち構える」という意味だと回答した人の割合が多かったとあります。
文化庁の考察では、「まねく」が「招く」と同じ音のため、「手招きするような気持ち」として捉えられたのではないかと考えられています。
とはいえ、漢字の読み方も意味も、時代とともに柔軟に変化していくもの。本来の読みではなかったものの、広く普及したことで定着した「慣用読み」などの存在もありますから、「拱く」が表すものも変わっていくかもしれませんね。
参考文献
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