南雲吉則医師「3-3-3」のルールで「やめるべきダイエット」がわかる!

テレビでも活躍するナグモクリニック総医院長の南雲吉則先生。

50代のときに15kgものダイエットに成功し、一躍アンチエイジング分野で名が知れ渡りました。

南雲先生はもともと、アンチエイジングの専門医ではありませんでした。東京、名古屋、大阪、福岡、4つの院で乳がん手術、乳房の美容・再建手術を行う、乳腺専門医。そのテーマは乳がん罹患患者の半減です。

どう見ても60代とは思えない若々しい先生が日頃どのように「自分の健康を保つ」情報を判別しているか、そのミッションを聞きました。

 

騙されずに健康になるための判定「3-3-3」

南雲先生の判断基準はシンプル。「3-3-3の法則」です。

この法則に当てはめれば、安全性、有効性、持続性が判断できます。

 

■3日でわかる「安全性」

3日で具合が悪くなるものは安全性に問題があります。

「僕が甘い味のついた健康飲料を試したときは、反応性の低血糖が起きてしまい、昼に飲んで午後の手術で指がふるえてしまいました」。

 

■3週間でわかる「有効性」

3週間で効果が出なかったら有効性に問題があります。

「3週間も続けたのにいい変化がなかったら、おやめになったほうがいです。身体にいいとされる食品も、まずは3週間食べてみて、自分の身体に何が起きたのかを冷静に判断することが大切です」

 

■3ヶ月でわかる「持続性」

3か月持続しないものは持続性に問題があります。

「僕は懸垂の機械を買ったことがありますが、いまは物干しになっています。いっぽう、テレビを見ながらのスクワットはもう半年続いています」。

 

どれだけ身体によくても、続かないことはできない。ごく当たり前のことですが、改めて言われてみるとなるほどと感じます。この「3-3-3の法則」で判断し、自分にとっていいものを取り入れていけば、誰でも間違いなく健康になれるのだそう。

 

乳腺専門医から見る「日本人とがん」

南雲先生は、乳腺専門医として日本人のがんと向き合ってきました。

 

「じつは、がんの死亡率はこの30年で3倍になってしまいました。僕はせめて30年前の状態に低下させて、次の世代の子どもたちに日本を渡したいと思っています。そのために、命の食事というプロジェクトも進めています」。

 

この鍵となるのが、ビタミンD。

 

2014年に発表された2本の論文があります。「血中のビタミンDが足りない人はがん死亡率が1.7倍になる」「血中のビタミンDが十分に足りている人は、がん死亡率が58%になる」。

 

これらの論文を読んだ南雲先生はすぐに自分のクリニックでも血液検査を開始し、乳がん患者の98%がビタミンD不足であることを検証しました。

 

ビタミンDは遺伝子機能を活性化させ、免疫機能のコントロールをしています。

・ビタミンDの不足

・オメガ3脂肪酸の不足

・たんぱく質の不足

・糖質のとりすぎ

これらががんの発症や増殖に大きく関わると考えられています。では、ビタミンDを摂取すればいいではないかと思いますが、話はそう簡単ではありません。

 

日本人はビタミンDを「紫外線で」摂るべき

厚労省が定める食事摂取基準では、ビタミンDは1日220単位。ですが、がん死亡率を減らすためには1日最低4000単位必要です。まったく足りていないのです。

 

「食事から摂ろうにも、まず野菜には含まれていません。入っているのは、魚、たまご、キノコ。中でもアンキモときくらげに入っていますが、乾燥したきくらげ100gが4800単位、これを水で戻すと600gに。そんなに食べられないですよね」

 

食事、サプリメントでの摂取と並行して、南雲先生がぜひ実行してほしいと考えているのが紫外線からの摂取。

 

実はビタミンDは紫外線を浴びると体内で作られます。皮下にあるコレステロールが代謝され、ビタミンDに変わるのです。

 

「僕は、日本人にこのようなビタミンD不足が起きた原因の一つは、1982年のオゾンホール発見にはじまる行き過ぎた美白ブームだと考えています。素肌で紫外線を浴び、体内にしっかりビタミンDを作る必要があります。ですが、必要量の10%を合成するのに、12月正午の散歩で、つくばで41分も必要です。これでも足りないのです」

 

では、どうすればいいのでしょうか?

 

「僕自身も3-3-3の法則に基づいて実行できているのが、タンニングマシーンの利用。皮膚が赤くなる時間の半分まで浴びれば4000単位を越える量が生成できます。僕も週に2回入っています」

 

ですが、患者さんにタンニングマシンを見せると、先生シミになっちゃうから怖いですと嫌がられるのだそう。

 

「皮膚にとって紫外線が悪いものであるという思い込みを捨てる必要があります。実は僕はアレルギーを持っていて、背中いちめんにかきむしった大きな慢性湿疹がありました。ですが、週1回、30分紫外線を浴びることで、きれいに治りました。ビタミンDが皮膚の代謝を進めているのです」。

 

そのほか、筋肉量のアップや免疫力のアップなど、いいことづくめ。日頃から軽くサンタンをしておくことで、むしろシミを防げると南雲先生は自分の体験から考えています。

 

「ぼくは長年の悲願であるがん死亡率の低下のために、日本国民のビタミンD血中濃度を50mg以上にしたいと思っています。全身黒づくめになるような行き過ぎた美白ブームはもうそろそろ終わりにして、素肌で紫外線を浴びられるように、子どもたちもまっくろになってビタミンDを作れるようにしたいと思うんです。きのこを食べ、紫外線を浴びる。日本の紫外線常識にはパラダイムシフトが必要です」。

 

病気が逃げていく! 紫外線のすごい力 南雲吉則・著 主婦の友社・刊 1,300円+税

 

 

 

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