「ゆうに」ではありません!「夙に」の読み方、知っていますか? 漢字クイズ3選
日本語は漢字・カタカナ・ひらがなを使い分ける言語ですが、その中でも漢字にはさまざまな種類があり、読み方もたくさんあります。今まで触れたことのない漢字に出会い、意味も読みもわからず困ってしまった人もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、意外と読めない漢字のクイズを出題します。
第1問:「夙に」の読み方、知っていますか?
「夙に」の「夙」という漢字。日常生活で見かけたことがある、という人は少ないのではないでしょうか。「〜に」という送り仮名から、一か八か「ゆうに」「ついに」などと読んでみた人もいるかもしれませんが、両方間違いです。
「夙に」は、
1 ずっと以前から。早くから。
2 朝早く。引用元:小学館 デジタル大辞泉
という意味です。
正解はこちら。
「つとに」です。
枕草子の有名な一説「冬はつとめて〜」の「つと」は、「朝早く」を表す「夙に」の「つと」です。
また「夙に」を「しゅくに」と読んだ人もいるかもしれません。パソコン上で「しゅくに」と打つと、漢字変換されて「夙に」が出てきます。「しゅくに」も「つとに」も意味は同じですが、「しゅく」という読み方は「夙」の音読みです。
- 音読み:シュク
- 訓読み:つとに・はやい・まだき
正しい読み方は「つとに」です。
この漢字1文字で「朝早く」「はやい」「以前から」を表します。
「夙に」という表現に触れる機会が少なかったという人もいるかもしれませんが、読み方がわかったついでに「ずっと以前から」という意味でぜひとも使ってみてください。
例えば「彼女の仕事ぶりは、つとに知れわたっている」といった感じで。「ずっと前から知られている」などを表す際に、「夙に」を使ってみてください。
出典>>「ゆうに」ではありません!「夙に」の読み方、知っていますか?
第2問:「恣に」の読み方、知っていますか?
「恣に」をあなたはどう読みましたか?「〜に」という送り仮名から連想して、「つぎに」「ついに」「ついでに」「ふいに」などの読み方を思い浮かべた人もいるのではないでしょうか。残念ながら、全て間違い。「恣に」は「〇〇〇〇〇に」と読みます。
正解はこちら!
「ほしいままに」です。
「恣」1語で「ほしいまま」です。
[常用漢字][音]シ(呉)(漢)[訓]ほしいまま
かって気まま。ほしいまま。引用元:小学館 デジタル大辞泉
「ほしいまま」は「欲しいまま」であり、良くも悪くも自分が望んだ状態を指す言葉になります。いい意味だけでなく悪い意味として用いることもできるので、「悪名を恣にする」という例文も成り立ちます。
「恣」という漢字は、「人が吐息をついている」姿と「心臓」の象形から成り立った漢字だと言われています。「人が吐息をつく」象形には、「リラックスする」「心を気ままにする」意味合いがあるとのこと。“自分が望んだ状態”を手に入れた姿が想像できますね。
出典>>「つぎに」ではありません!「恣に」の読み方、知っていますか?
第3問:「妄りに」の読み方、知っていますか?
「妄想」の「妄」から「もうりに」と読む人もいるかもしれませんが、「もうりに」という表現を聞いたことありませんよね…。
意味を知ると「あ、もしかして!」とひらめく人がいるかもしれません。
「妄りに」の意味は
秩序をみだして。むやみに。わけもなく。思慮もなく。無作法に。しまりなく。
引用元:広辞苑 広辞苑無料検索
です。
辞書の意味の中に、「妄りに」の読みに当てはまる言葉が含まれています。「○○りに」の読み、思い浮かびましたか?
正解はこちらです。
「みだりに」です。
なお、「妄りに」の意味に含まれる「むやみに」。「むやみに」の意味は、
1 結果や是非を考えないで、いちずに物事をすること。また、そのさま。
2 物事の状態が度を超えて甚だしいさま。ひどい。引用元:小学館 デジタル大辞泉
と書き記されています。
ほぼ同義ではありますが、注意書きなどで「むやみに~しないように」「みだりに~しないように」などとあったとき、
- 妄りに~してはいけない
→必要がないのに~してはいけない - むやみに~してはいけない
→必要がなくても良いが、限度を超えて~してはいけない
といったように「妄りに」のほうが規制の意図は強く感じられるかもしれません。
どちらにせよ、「妄りに」「むやみに」には強い意図があります。注意事項にこれらの言葉が書かれているときには、「妄りに」その意図を勘ぐるのはやめて、注意事項の指示に従うようにしましょう。
出典>>「もうりに」ではありません。「妄りに」の読み方、知っていますか?スポンサーリンク