「他人を大切にしないヤツ」が軒並み陥った、コロナ資金繰り地獄の正体
芸人だからなのか、お酒が好きだからなのか、フットワークが軽いからなのか、金持ちと知り合う機会がたくさんあります。この連載では、そういうお金持ちから聞いた話、お金持ちの良い習慣、成金の悪口を書いています。
前回に続き、単純な売上減とコロナ禍が重なって2,500万円の借金を拵えたおじさんの話です。調子のいいときに、不測の事態に備えていなかったおじさん頭中将さんは、知らず知らずのうちに損をしています。
前回はこちら>> 「稼ぎまくりおじさん」が一転陥ったコロナ貧乏の正体
大量にあるのにわかりにくく受けにくい、それが行政の支援
会社員や専業主婦の方は、あまりご存じないと思いますが、コロナ前から存在した法人に対する行政の様々な支援制度は、コロナ禍でその要件が緩和され、利用しやすい状況となっています。
もしかしたら、法人が所属している団体などから、制度の案内が来ているかもしれません。ぼくも、雇用調整助成金のわかりやすい解説動画を作ってほしいという依頼を受けました。その依頼者は会員向けに周知したようです。
ただ、制度の概要を知っても、その申請方法や要件まで調べるのは大変な作業です。作成する書類も膨大です。仕事をしながら、社長が作成するのは難しいでしょう。
さらに官公庁ごとにさまざまな助成があって、把握するのは困難です。どれが自分が対象になる助成なのかは、その制度の公式サイトを読んでも全く分かりません。
だから、申請のプロや優秀な従業員が必要です。
「専門家へのリーチがない」フリーランサーや個人自営が特にツライ
頭中将さんは、仕入れのないサービス業を行っています。従業員はおらず、売上はすべて一人で稼いでいます。経費には余裕があり、従業員を雇うか、行政書士や税理士などの専門家と顧問契約を結んでいても良かったと思います。
いや、良かったというより、そうすべきでした。資金に余裕があるときに、月額数十万円を渋ったことで、危機に瀕したときに受けられる助成が受けられない。しかも、本人はそれに気づくこともない。
もし、助成があると気づいたとしても、申請書類は自分で作れないし、頼める専門家もいません。もらえるお金をみすみす逃すことになります。
もう少し、将来に備える気持ちさえあれば、みんなが受けている助成を頭中将さんも受けられたはずです。
例えば、従業員を休業させるともらえる雇用調整助成金やテレワーク助成金など、身近な助成がたくさんあります。たくさんの法人が対象になりますが、誰も教えてくれないから受けられない。
もし、誰かが教えたとしたら、「ついでに、書類の作成もお願いできますか?」と言われてしまうかもしれない。教えた上に、仕事まで頼まれたら大変です。だから、みんな積極的には教えない。
ああ、従業員が一人でもいたらなと思います。一人でもいれば、その人が全力でやるでしょう。従業員として当然です。でも、必要ないと考えて雇わなかった。もしかしたら、今までも受けられた助成があったかもしれないのに。
交際費を減らして、人件費を増やすべきだった
事業を行うなら、一人で何でもできると抱え込まず、積極的にプロと契約をしなければいけません。あるいは、自分を助けてくれる優秀な従業員を雇いましょう。
頭中将さんは、2,500万円の借金を再来年から返済します。果たして、その頃に、売上が戻っているのでしょうか。
今以上の厳しい生活が待っているかもしれません。
その頃には、もう誰も雇えません。
あんなにおしゃれだった頭中将さんが、毎回同じスーツを来て、同じ靴を履いて、980円のパスタを食べて、第三のビールを飲む姿を見ると、涙が出そうになります。
自分のほしいものを買うより、他人への支払いを強化すべきでした。
頭中将さんが、ぼくの周りで最もコロナの影響を受けており、その経費の使い方と失敗には学ぶことが多くあります。お金持ちも、お金を使うプロではないので、簡単に失敗する。驕る平家は久しからずやですね。
お金の有無より、身の丈を知ることが大切
ぼくが知る限り、成金から「サスティナブルなお金持ち一族」へとシフトできた人たちは、
他人とのかかわり合いと自分の生活の自制をとても大切にしています。
たとえば、お金持ちは、怒りません。
人生を鷹揚に捉える、他人を否定しない、身繕いをきちんとしている、
必要な分野についての勉強をコツコツ続ける、生活リズムを維持できる。
そんなお金持ちの類型を抽出して、電子書籍を出版しました。
アマゾンのkindle unlimitedにも収録されているので、利用者なら実質無料で読めます。↓書影クリック
こちらから>>>『お金持ちがしない42のこと』(主婦の友社)
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