あなたはどの「便秘タイプ」?5つの原因と中医学での対策は
こんにちは、神戸市垂水区にある漢方薬店「CoCo美漢方」の田中友也です。鍼灸師、国際中医専門員の資格を取り、日々、薬店と鍼灸院で皆さんの健康相談に乗っています。
2月は暦の上では春になりますが、まだまだ寒く、乾燥する日が続きますね。
この時期に意外と増える不調が『便秘』。
特に女性は2人に1人が便秘とも言われます。
放っておく人も多いと思いますが、口臭や肌荒れ、疲労などに繋がることもあるので、早めに改善しておきましょう。
チェック■あなたはどれがいちばんあてはまる?
便が乾燥して硬い・数日間の便秘・暑がり・口臭・口が渇く・怒りっぽい → 1「熱」タイプ
便が細い・スムーズに排便できない・イライラしやすい・情緒不安定・お腹が張る → 2 「気滞」タイプ
出始めに硬くあとは軟らかい・排便する力が無いためトイレにいる時間が長い・汗がダラダラ出る・息切れ → 3「気虚」タイプ
兎糞状のゴロゴロ便・便が乾燥して硬く出ない・肌や髪の毛につやがない・爪が割れやすい → 4 「血虚」タイプ
冷え性・寒がり・排便後に疲労感がある・夜間頻尿・腹が冷えて痛む・温めたり揉んだりすると楽になる → 5「陽虚」タイプ
①便が乾燥して硬くなる「熱」タイプ
辛いもの、肉や油っこいもの、酒などを撮り過ぎることにより、身体に余分な熱がこもると、水分を消耗して腸内も乾燥してしまいます。
その結果、便も乾燥して硬くなり、出にくくなってしまうのです。
【よく見られる症状】
便が乾燥して硬い、数日間の便秘、暑がり、口臭、口が渇く、怒りっぽい、腹痛、腹部の脹満感、ガスが多く、臭う、赤ら顔、イライラ、冷たい飲み物を欲しがる、尿が濃いなど
【おススメ食材】
余分な熱を冷まし、腸を潤す食材を。
きゅうり、バナナ、こんにゃく、ごぼう、アロエ、たけのこ、ほうれん草、レタス、ヨーグルトなど
②ストレスや緊張などによる「気滞」タイプ
憂鬱や怒りなどの過剰なストレス、精神的な緊張や不安感、運動不足などが原因で、気の流れが滞ってしまい、腸の働きが低下して便が出にくくなってしまうのです。
旅行やお泊りに行くと便秘になるという人もこのタイプです。
女性では最も多く見られるタイプの便秘です。
【よく見られる症状】
便が細い、スムーズに排便できない、イライラしやすい、情緒不安定、お腹が張る、残便感がある、腹部やわき腹の膨満感を感じる、ゲップやガスが多い、女性は生理前の不調が出やすい(PMS)など
【おススメ食材】
腸の気の流れをスムーズにする食材を。
蕎麦、紫蘇、大根、らっきょう、みかんやレモンなど柑橘系、香りの良いパクチーや三つ葉、紫蘇など
③いきんでも便が出せない「気虚」タイプ
過労・病後・術後・多産・老化などにより、体力を消耗して、体の元気が不足し、腸の運動機能が低下して便を送り出す力が足りなくなり便秘になります。
トイレでいきんだり、頑張ってもなかなか便が出てきません。
特に高齢者や大きな病気をした後によく見られます。
【よく見られる症状】
排便が困難、便は出始めに硬くあとは軟らかい、排便する力が無いためトイレにいる時間が長い、汗がダラダラ出る、息切れ、排便後の疲労感、手足の倦怠感、元気がない、普段から疲れやすい、立ちくらみなど
【おススメ食材】
気を補って、通便作用のある食材を。
サツマイモやジャガイモ、お米、カボチャ、バナナ、リンゴ、牛乳、はちみつなど
④コロコロうんちが多い「血虚」タイプ
「血」は体内に潤いを与える成分です。
そのため、貧血気味や生理後、出産後、下痢、加齢などで体内の血が不足していると、腸の潤いも不足し、便が乾燥してスムーズに排便できなくなってしまいます。
【よく見られる症状】
兎糞状のゴロゴロ便、便が乾燥している、硬く出ない、肌や髪の毛につやがない、顔色が淡白、唇や爪の色が淡い、爪が割れやすい、めまい、貧血、立ちくらみ、動悸、不眠、月経量少など
【おススメ食材】
血を補い、体を潤す食材を。
松の実、黒胡麻、はちみつ、ほうれんそう、イチジク、キウイ、プルーン、鶏がらスープなど
⑤お腹が冷えて起こる「陽虚」タイプ
胃腸は冷えに弱い臓器。
そのため虚弱体質や疲労、加齢、病後などで体内の「陽気」(エネルギー)が不足たり、冷たい水やビール、果物、サラダ、アイスクリームなどの摂りすぎで、胃腸が冷えると、腸の動きが低下して便秘になります。
【よく見られる症状】
便秘と一緒に冷え性、便が出にくい、寒がり、排便後に疲労感がある、夜間頻尿、元気がない、息切れ、倦怠感、顔色が悪い、腹が冷えて痛む、温めたり揉んだりすると楽になる、背中や腰がだるく冷えるなど
【おススメ食材】
陽気を補って、胃腸の働きを高めて便秘を改善。
胡桃、鮭、エビ、イワシ、サバなど青魚、かぼちゃ、ニラ、生姜、栗、クルミ、松の実、紅茶など
便秘は日常の生活習慣が原因になっていることが多いです。
排便は習慣やリズムによるものも多いです。
便意がなくても毎朝食後にトイレに行き、この時間に出すんだよ。と体にリズムを教えてあげるのも大切になります。
食事はもちろん、適度な運動を心がける、ストレスをこまめに解消する、トイレをあまり我慢し過ぎない、睡眠をしっかりとるなどの日常生活での工夫も大切ですよ。
書籍も好調です!
8月26日に発売された「おうち養生」がこのたび第4版の重版になりました!
ひとえに皆様のおかげだと思います。
ありがとうございます。
一人でも多くの人に、おうちで出来る、今日からできる簡単な養生法を中心にツボや食養生、メンタルの養生など100の項目を盛りだくさん載せましたこの本が届きますように。
あなたの不調によりそった養生法がきっと見つかる。
そんな一家に1冊の本になっていると思います。
東洋医学の知恵をおうち時間のお供やご自身、ご家族、大切な人の健康管理に、養生にぜひ。
[caption id="attachment_206322" align="aligncenter" width="246"] 『おうち養生 きほんの100』田中友也・著 1,400円+税/KADOKAWA[/caption]
スポンサーリンク