「更年期には豆腐」は本当?東洋医学教授に教わる女性ホルモン対策

好むと好まざると、私たちの人生を大きく左右する女性ホルモン。その分泌がつかさどる変化には、初潮から閉経に至るまでひとの一生の中での大きなサイクルと、月経周期の中での短期的な変化の2つがあります。

いわゆる「更年期」と私たちアラフォーはどうつきあっていけばいいのか。「最近調子が悪いな」と思い始めた人が知っておくべきことを、近畿大学東洋医学研究所所長・同女性医学部門教授の武田卓(たけだたかし)先生に教えてもらいました。

女性の身体は7年周期でできている

漢方の世界では、女性の体は7年周期で考えられいるのだそう。生殖・発達能力を司るのは「腎気」。7歳で「髪長歯更」、腎気盛んになり、髪が伸び歯が生えかわります。42歳で「衰退期」、肉体的な衰えが目立つようになり、49歳で「天癸枯渇(てんきこかつ)」、運動能力が低下したり、生殖能力がなくなる状態に至ります。

「更年期」とはいつごろくるもの?

月経が乱れ始めてから、閉経を挟んで、その後数年たって卵巣から女性ホルモン(エストロゲン)がまったく分泌されなくなるまでの時期を「更年期」を呼びます。およそ42歳から56歳ごろをいい、日本人の閉経平均は50.5歳。45歳以上で1年以上月経がない場合は「閉経」と考えます。

卵巣機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)分泌が減少して起きる閉経。卵巣機能低下は、卵巣における卵胞の減少・消失で引き起こされます。つまり、卵巣の老化なのです。

 

更年期障害では何が起きるの?

卵巣機能低下からのエストロゲン分泌欠乏により、さまざまな症状が引き起こされます。女性ホルモンが引き起こすPMSも更年期障害も、「自分に何が起きるのか」その経過を事前に知っておくことがとても重要なのだそう。

1・月経異常

卵巣機能低下にともない、最初に起きる異常です。月経周期が短くなることが多いほか、「変な出血」も。この時期は子宮がんもよく発生するので、不正出血があれば子宮がんも視野に入れた検査が必要です。

2・自律神経失調症状

発作的に起きる「のぼせ」「ほてり」「ドキドキ」、一般にイメージされる更年期です。「先生、首から上が燃えるように暑いです。でも、腰から下は冷えています」という訴えをよく聞きます。上半身はのぼせ、下半身は冷えます。運動不足やストレスはNGです。この自律神経失調症状は、閉経する女性の60~70%が経験します。通常は2~5年間症状が持続しますが、閉経後5~10年で40%、10年以上経過すれば4%まで低下。「この不快な状態がずっと続くわけではない」とわかっていることが大事です。

3・精神神経症状

意外に見過ごされるのがこのカテゴリの症状。「不眠」「イライラ」「頭が重い」「鬱っぽい」「物忘れ」などが起きます。ちょうど、更年期はいろいろな社会的変化も起きる時期。家族の就職や独立、夫の定年、親の介護や死別など、ストレスで心身のバランスが崩れやすい状態です。また、閉経=女性でなくなるという先入観や、上記の自律神経症状が原因で健康に自信をなくし「このまま年老いていくだけで自分の人生は終わってしまうのではないか」とネガティブな気分が晴れないケースも。こうした精神症状も「起きるものだ」と知っておくことが大事です。

「簡易更年期指数」という指数もある

これら更年期障害にはSMIという指数もあります。客観的に自分の状態を判断する指針として活用してください。症状を「強」「弱」「無」で判断します。

日本人女性の更年期症状評価表

症状の程度       /症状       強     弱     無

1.顔や上半身がほてる(熱くなる)
2.汗をかきやすい
3.夜なかなか寝付かれない
4.夜眠っても目をさましやすい
5.興奮しやすく,イライラすることが多い
6.いつも不安感がある
7.ささいなことが気になる
8.くよくよし,ゆううつなことが多い
9.無気力で,疲れやすい
10.眼が疲れる
11.ものごとが覚えにくかったり,物忘れが多い
12.めまいがある
13.胸がどきどきする
14.胸がしめつけられる
15.頭が重かったり,頭痛がよくする
16.肩や首がこる
17.背中や腰が痛む
18.手足の節々(関節)の痛みがある
19.腰や手足が冷える
20.手足(指)がしびれる
21.最近音に敏感である

(日本産科婦人科学会生殖・内分泌委員会.日本人女性の更年期症状評価表.日産婦誌 2001 ; 53 : 13―14)

 

大豆は日本人女性の身体を保つ

さて、こうした更年期障害に、具体的な対策ができるのかどうかを考えてみましょう。一般に、日本人は欧米人に比べて圧倒的に心臓病による死亡率が低く、また骨粗鬆症による大腿骨骨折率も米国の約半分であることが知られます。米国での乳がんの死亡率は日本の約4倍。米国人の更年期女性の約50%はホットフラッシュに苦しみますが、日本人はそれほどでもありません。これらの症状は人種間での発現差があのですが、この違いの理由の一つは大豆摂取量の日本人と欧米人の差ではないかと考えられています。つまり、大豆をたくさん食べると、エストロゲン関連疾患の予防に役立つのです。

 

でも、全員に「有効」ではない?

よく耳にする、そして女性の健康にいいイメージの「大豆イソフラボン」には、「ダイゼイン」「ゲニステイン」「グリシテイン」の3種類があります。このうち「ダイゼイン」は腸内細菌で代謝され、女性ホルモン様に振る舞う「エクオール」になります。活性はエストロゲンの1/100から1/1000程度ですが、更年期障害や骨粗鬆症、メタボリックシンドローム、高尿酸血症、乳がん、肌の水分やコラーゲン保持などにプラスに働きます。ただし、問題は、誰もが大豆イソフラボンをエクオールに代謝できるわけではないらしい点。一説に日本人の半分がエクオールを作れないとも言われます。自分がエクオールを作れるのかどうかは、ネットを検索すればいくつか尿でチェックする機関が出てきますからお試しください。また、エクオールを直接サプリメントとして摂取する手段もあります。どちらにせよ、ずっと体内にとどまるものではないので、毎日食べ続けることが重要です。豆腐や納豆、味噌などの大豆製品を、意識的に毎日摂取するよう心がけてください。目安として、納豆1日1パック、木綿豆腐2/3丁が食べられるといいでしょう。

「ホルモン補充療法」は第一選択です

更年期障害をやわらげる薬物療法は、主に3つ。

1・ホルモン補充療法

2・漢方薬

3・抗不安薬

日本では「ホルモン=よくないもの」というイメージがあるようで、更年期障害の治療にホルモン補充療法が選ばれにくい傾向があります。いっぽう、海外ではごく標準的な治療方法。日本産婦人科学会では第一選択の療法です。エストロゲン製剤を飲む・貼る・塗るなどの方法で補充し、副作用を抑えるプロゲステロン製剤もあわせて服用します。ホルモン補充療法は冠動脈疾患、脳卒中、静脈血栓症を増加させる可能性がありますが、いっぽうよく危惧される「乳がんの発症率が上がる」不安については、5年間なら増やさないということがわかっています。2016年の7国際学会からの共同声明では、ホルモン補充療法による乳がんリスクは「rare」。生活習慣や肥満、アルコールのリスクと同等か、それ以下という判断です。5年を一つの目安に治療してみるという選択肢があります。

 

漢方薬は精神症状が得意

2番目に挙がった漢方薬は、副作用が少ない分、服用に抵抗が薄いことでしょう。更年期障害に使うものだけでも10種類以上あります。漢方治療は「こころと体は一体のものである」、心身一如という考えを基本とします。実は漢方薬は、どちらかといえば、明確なのぼせやほてりより、「検査しても原因がよくわからないが、何か不調」という、原因が究明しにくい症状が得意です。前述の説明のうち「3・精神神経症状」に悩んでいる場合は特によいでしょう。また、症状が軽いうちは、機能性食品も有効ですので、賢く取り入れてください。

 

 

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お話/武田卓先生・1987年大阪大学医学部卒業、大阪大学医学部産婦人科研修医に。大阪府立母子保険総合医療センター産科診療主任・医長、大阪府立成人病センター婦人科副部長、東北大学先進漢方治療医学講座准教授などを経て、2012年より近畿大学東洋医学研究所所長、同女性医学部門教授、東北大学産婦人科客員教授。代表的研究には「西洋薬と漢方薬の相乗効果に関する臨床的検討」なども。

 

エクオールを手軽に摂取できる「エクエル」

 

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