私のまわりで時空がゆがむ。 え? もうこんな時間?

じっとしているのが苦手、集中が続かない、衝動的に行動してしまう…ADHDと診断されていなくても、このような特性をかかえることで「生きにくさ」を感じている人は多くいます。今回は、臨床心理士による著作「ADHD脳で困っている私がしあわせになる方法」から、「ツライ」を「楽」に変えるヒントをお送りします。【ADHD女子#5】

 

ああ、 遅刻だ。 もう間に合わない……。

そんな巨大な絶望感を、 何度味わってきたことか。

 

朝、 目覚めて時計を見てサーッと青ざめる。

30分後の電車に乗らないと遅刻しちゃう!

まずは服を着ようと着がえ始めると、

どういうわけか2つそろった靴下が存在しない。

洗濯物の山をひっくり返して1つ発見。「やった!」

と思ったのもつかの間、 最初にあった靴下がなくなっている。

もういい。 左右の長さは微妙に違うけど、 黒は黒。 これでいく

 

顔を洗ってメイクして歯みがき。 すごいスピード。

あら、 さすが私、 なんとかギリギリ間に合いそう。

ひと安心してトイレに入って座ったら、

きのう買ってきた雑誌が目に入る。

パラリとページをめくったのは一瞬だったはずなのに、

気づけばトイレに8分も滞在してしまった。

ああ、 乗るはずの電車に間に合わない!

あわてて靴をはいてドアのカギをかけた瞬間、 気がついた。

スマホを忘れた。 どう考えても戻る案件。

ああ、 遅刻だ、 もう間に合わない……。

 

私の時間はときどきワープする。 私の意識もワープする。

悪い夢の続きのように、 時間が足りない。

間に合うはずの場所にいつまでたってもたどり着けない。

私の時空は常にどこかゆがんでいるのだ。

 

>>次へ(4/24 22:30更新)

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ADHD脳で困っている私がしあわせになる方法

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