更年期が「終わった後」ってどうなるの?今から62歳までに起きること
食事を変えたら人生が変わった。再び私は食事に助けられる
話はさかのぼって東日本大震災の頃、52歳のときに、ケイコさんは食事を蒸し野菜と発酵食品メインに食べ、添加物を極力取り入れないケミカルオフのライフスタイルに出会っていました。
「40代までは食事も睡眠もめちゃくちゃでしたが、たまたま51歳でよき師に出会い、急に食事への意識が変わりました。蒸し野菜をたっぷり食べ、良質のタンパク質や、添加物なく作られた食品だけを身体に入れるよう選んだら、半年あまりで身体が急にぐんと軽くなり、階段もタタタタって駆け上がれるようになったんです」
スルスルと7kgやせた上に、ひんぱんにかかっていた風邪をぱたっとひかなくなりました。
「その後はまた激務でちょっと意識がユルくなっていましたが、こうして大きな病気と直面した私は、当時の情熱を取り戻しました」
思いかえせば、52歳で家族に更年期宣言をしたのにほぼ症状が出なかったのも、このとき食事と生活を変えたおかげかもしれません。57歳で改めて始めたストイックなまでの食事管理、ストレスオフへの取り組み、そして十分な睡眠、これらが功を奏したのでしょうか。2年かけて寛解の状態へと持ち込み、投薬を停止することができました。
「薬を飲まなくなってしばらくは再発しないかびくびくする時期が続きましたが、昨年61歳の人間ドッグでも甲状腺機能の異常はなく、ホッとしました。引き続き慎重にストレスをオフする毎日です。たまたま私の場合はうまくいったに過ぎず、全員がこうなるわけではありませんが、どんな病気と戦う場合も、ストレスオフ、食事、そして睡眠はとっても大切だと思うんです。私はしなかったけれど、適度な運動も」
更年期って原因不明が多すぎる。これ老化なの?病気なの?
振り返ると、更年期の不調は原因がわかりにくいことに困ったと言うケイコさん。
「その不調がホルモン減に由来するのか、それとも病気なのか、判断が難しいですよね。この時期が過ぎれば自然と収まるめまいのような症状もあるいっぽう、私のように実は甲状腺の病気ということもあります。頭痛に苦しむ友人もいましたが、きちんと病気でないことを診断しないと重大な病気が潜んでいることがあるそうですね。いろいろなパターンを読んで、聞いて、周囲と情報交換しておくのが大切!」
メンタルの安定も切り離せません。かつて仕事で話を聞いた女性は、50代で親しい友人を亡くし、同世代がこうして世を去る年齢になったことにショックを受け、お葬式の帰り道から抑うつ状態になったそう。そんなきっかけで体調が崩れることもあるのだなと、自分をいたわる気持ちになりました。
「ホルモン補充療法の話も聞きました。そういう方法もあると知っておくだけで、いざというときの悩みが軽くなります。客観的にこういうことが起きても不思議がないお年頃なんだってわかっていれば、これ更年期のせいなのねって思うことができますよね。不安を抱え続けるのではなく、原因を漠然とでも掴んでおくのが大事なのではと思います」
周囲を見ていると、がんばりすぎる人ほど辛い思いをする傾向を感じると言います。がんばっている人ほど、自分は努力が足りない、もっとできると思ってしまいがちでは?
「私もその傾向があるのですが(笑)。年をとったって認めたくないけれど、身体は確実に老いています。だから、ちょっとだらしないよねと思うことも自分に許して、少しのんびりしてもいいと思うの。旅行でも、家事をサボるでも何でも、自分をゆるめる術をたくさん持っていたほうがいい。半日くらいテレビを見続けるとか、今までならそんなことしてる場合じゃないと思ったことを自分に許してあげてほしいんです」
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