【ADHD女子#34】片づけなくても死なない。でも失っているものは膨大です

じっとしているのが苦手、集中が続かない、衝動的に行動してしまう…ADHDと診断されていなくても、このような特性をかかえることで「生きにくさ」を感じている人は多くいます。今回は、臨床心理士による著作「ADHD脳で困っている私がしあわせになる方法」から、「ツライ」を「楽」に変えるヒントをお送りします。

散らかった部屋から生まれる「自分が嫌い」の気持ち

どんなに散らかった部屋でも、 最初から散らかっていたわけではありません。

1分あれば分別できるペットボトルをおきっぱなしにし、5分あればたためる洗濯物をたたまず、

10分あれば洗える食器を放置する、 その繰り返しの結果なのです。

 

なぜ私たちは、5分や10分で終わる作業から逃げてしまうのでしょう。

それは、 散らかっていても死なないからです。

靴下の相方が見つからなくても、 冬のコートが出てこなくても、死にません。

新しく買えばいいだけです。

ペットボトルの中でジュースが腐っていても、 飲まなければ死にません。

ソファが洗濯物やアイロン待ちのワイシャツに占拠されていても、 床に座ればいいだけです。 死にません。

死なないけれど、 困りごとは少しずつふえていきます。

「必要なものが見つからない」

「同じものをいくつも買う」

「家でリラックスできない」

「人を呼べない」

「だらしない人間だと思われる」 ……

そしていちばん問題なのは、「そんな自分のことがイヤ」になってしまうこと。

 

すぐモノをなくす自分、 いつもさがし回っている自分、

賞味期限切れの食品を捨てる自分、 同じものをまた買ってしまった自分……

自分の情けない姿をいちばん近くで見ているのは、 自分なのです。

自分に絶望すると、 現状を変える力はわいてきません。

「どうせ自分はこんな部屋にしか住めない」

「片づけるなんて夢のまた夢」

そんな言葉で自分をけなし、 そして守っているつもりになるのです。

 

「散らかっていても死なないし」

慣れ親しんだこの思考に別れを告げましょう。

そうでないと、 部屋はいまよりもっとひどくなります。

来年、 再来年、 さらにモノの地層が積み重なって手がつけられなくなった部屋に住みたいですか?

それよりも、 モノにおき場があって、 簡単に見つかる便利さを手に入れましょう。

そう、「私にもできる」 という自信もいっしょに。

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>>次へ(5/23  20:30更新)

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