同僚や友達にがんを告白されたら?がん患者が言われたくない言葉ワースト3
オトナサローネにも記事を寄稿してくださった、セルフレジリエンスを提唱している元がん患者の大穂その井さん。
大穂さんの体験記を読んで、その”乗り越え力”に驚愕した人もいるのでは?
今回は、がん患者の「まわりにいる人」にフォーカス。
もしあなたが同僚や友達にがんを告白されたらなんていいますか?
実際、言われてつらかった言葉は?どういう風に接してほしい?など、大穂さんにインタビューしました。
当事者に対する理解の一助として、ぜひシェアしてほしい貴重な意見を寄せてくれました。
年上や身内から言われやすいアノ言葉
大穂さん:「一番最初に思い浮かぶのは『かわいそう』という言葉です。かわいそうな人扱いってされたくないじゃないですか。例え治療中だとしてもいろいろ幸せなことや楽しいことが見つけられるのに、かわいそうって言葉によって、それらすべて侵されてるように感じられるんです。
これ、特に年上の方や身内が言う言葉なんですね。逆に友達には言われた記憶がないですね(笑)。たぶん『あなたよりも長く生きてる私ががんになってないのに、、』という意識がまず前提にあるのかな。
配慮があれば、かわいそうっていうレッテルを貼ること自体に躊躇しますよね。がん友数名にも聞いてみたのですが、これはみんな同意見でした」
ついつい言いがちな応援のセリフ
大穂さん:「次は、けっこう皆さんおっしゃるんですが、『頑張って』ですかね。確かに闘病するのでそう言ってくれる気持ちもすごくわかります。ただ、患者側としては『一体、何をどう頑張ったらいいのか?』となってしまう。
がんって、やっぱり風邪にかかった時みたいに誰かれかまわず言えるものではないんですね。私も周囲に告白するときは非常に悩みました。だから、打ち明けられた側も”簡単に言ったわけではない”ことを想像してほしいんです。
実際、私のがん友は罹患したことを告白したとき、『わんわん泣かれるのも困る。けど、ほんの少し涙を流してくれた子が私はちょうどよかった(笑)』と言ってました。」
安心させたくてうっかり出る気休め
大穂さん:「最後は『だいじょぶ、だいじょぶ』って言われることですね。乳がんって今治るんだよ、とか末期がんでも治るんだよ、とか。それは何を根拠に言ってるの?という疑問がわいてしまうんです。安心させるために言ってくれてると理解していますが、こちらは返事に困ります。
がんって本当に人によってお薬も違うし、症状も違うし、進行、そして回復度合いも違うんです。私自身、1度目と再発のときは違いました。だから、例えばがんを経験した人からの『だいじょぶ』も通じないんです。
すべて、その言葉をかけてくれた人たちに悪気がないことは理解してます。そして私もがんにかかる前はこのような言葉をかけてきてしまったかもしれません。
ただ、健全な状態じゃなくて、心も弱ってるときには一つ一つが予想以上に刺さる。それが実体験を通してわかったので、ぜひがん患者を孤立させないために、皆さんに知っておいてほしいという気持ちでいます」
じゃ、どういう言葉が適切?
大穂さん:「もちろん、人それぞれ関係性や状況が違うので、一概には言えませんが、私は『何か困ったことがあったら遠慮なく、いつでも言ってね』という言葉が一番助かりました。これって相手に選択肢を与える言葉だと思うんです。
本当の意味で私に寄り添ってくれている、そんな信頼と安心感を持てました。
だから、皆さんももしまわりでがんにかかってしまった人がいたら、無理に励ましたり同情するのではなく、ただ寄り添っていただけるときっとその人も気持ちが楽になり、病気と向き合えると思うんです」
実際、今や日本人の2人に1人は一生のうち一度はがんにかかると言われてるほど、身近な病気。自分を含め周囲でも罹患する人が出てくるのは、必然かもしれません。
だからこそ、どういう対応をしたらいいか、心構えはしておくべきですね。
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