オミクロン感染の経験者が語る「宿泊療養までにすべきこと」とは

ワクチン未接種の子どもたちの間でも猛威を振るい始めたオミクロン株。「どんな症状なのか」まだまだ情報も少なく、不安は尽きません。

 

どの株に感染したかは特定されていないものの、「症状が一致するのでおそらくオミクロンではないか」という20歳女性から、感染経緯を聞きました。

 

(個人特定を避けるため一部を編集していますが、コロナの病状にまつわる部分はご本人の体験通りです。また、体験を可能な限りそのまま迅速に伝えることを目的とするため、内容は生の声をそのまま納め、感染症専門家の査読を経ていません。趣旨ご理解の上お読みください)

 

どこで感染したかまったく不明……敢えて言うなら通学の電車?

関東近県在住、医療系専門学校2年生の木下彌生さん(仮名・20歳)が不調に気づいたのは1月11日の昼過ぎのこと。急にのどがイガイガして、声を出しづらくなったといいます。翌12日は起床直後から鼻水に気づき、熱を測ると37.5℃。母親にも心配され、学校を休むことにしました。

 

「学校は7日に始まったのですが、ちょうど7日には母ものどが痛いと言っていました。最初はそれが移ったのかな?と思いましたが、母は熱が出なかったんです。時節柄発熱は不安ですから、念のため二人でPCR検査を受けようという話になりました」

 

その翌日に学校で重要な試験を控えていたため、どうしても急いで検査を受けたかった彌生さん。自治体のサイトを見ながら片っ端から病院に電話をかけ、8軒めでようやく当日午前に検査可能な院を見つけました。母親も検査対象になったため、二人で受診。

 

「その日の夕方に連絡が入り、私は陽性、母は陰性と判明しました。正直、感染するリスクなんてどこにあったんだろう……?と、本当に驚きました。通学の電車?つり革は触らないようにしていたのに? ただ、ワクチン接種は父の職域接種で一緒に受けたので少々早く、2回目が6月だったので、それはリスクだったのかもしれません」

 

ともあれ、初動を急いだ甲斐があって、学校は公欠扱いに。試験の不安は払しょくされました。

 

「さらに、発熱した日のうちに保健所に宿泊療養にしたいと伝えることもできました。しかし、この時点ですでにホテルは満室。入所まで数日かかると言われたため、療養開始までの間に家族に移さないことがミッションに。保健所に指示をしっかり聞いて厳重に従いました」

 

戸建てならではの「完全な動線分断」で家族の感染が防げた

医療系の学校に在学中の彌生さんは感染症対策の講義も受けたため、知識は一定以上持っていました。まず、自分はトイレも含めて家の2階部分だけを使い、家族は1階から上がらないようにルールづけました。完全に生活を分けて過ごすことで感染を防ぐ作戦ですが、重要なのはトイレや洗面などの水回りを分けること。

 

「そのほか、手洗い、うがい、消毒は厳重に行いました。洗濯物は保健所からも指示がなかったため家族のものと一緒に洗いましたが、お風呂はいちばん最後に入ることに。入浴後はお湯を抜き、自分の触れた部分はアルコールで消毒しました。また、食事は紙皿と割りばしを使い、飲み物も紙コップを利用。すべて毎食後捨てます。ごみは1つのビニール袋にまとめ、家族が触れないように注意しました」

 

これらの対策が功を奏し、同居する家族に感染させることなく、彌生さんは宿泊療養をスタートしました。

 

「でも、宿泊療養は15日からに決定したものの、肝心の症状は初日で収まっていて……。熱は12日の夜には下がり、のどの痛み、咳、鼻水がわずかに残りました。咳も、残るといってもインフルエンザよりははるかに軽いし、鼻水も咳のついでに出る程度で。本当にごくごく軽い、インフルエンザより軽い普段の風邪でした」

後編につづく>>>オミクロン株、宿泊療養で直面した「どうしようもなく困ること」とは

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