3回目ワクチン接種を受けてわかった「3回目の副反応」と意外な現実【療養看護師に聞く】

前編『オミクロン株「悪化するかもしれない人」意外とあてはまる条件とは?』に続き、看護師・山下麻衣子さん(仮名・35歳)に「その後の10日で変わったこと」について聞きました。1月29日時点での談話、後編です。

 

実際、ワクチンは効いていますか?3回め接種はどう思う?

宿泊療養ホテルでの勤務の傍ら、先週、3回目のワクチン接種を受けたという山下さん。副反応はどうでしたか?

 

「3回目の今回は打ったことを完全に忘れるレベル、まったく副反応なしでした。1回目は副反応なしでしたが、2回目は高熱と関節痛に襲われ、打った日の夜から左を下にして寝られないあの腕の痛みに苦しんだため、3回目はどうかな?と思っていたのですが。私もですが、医療関係者の多くは3回ともファイザー、周囲でも副反応は前回より総じて軽いという声をよく聞きます」

 

一般にモデルナのほうが副反応が強いとされるため、これからモデルナ接種が増えたら反応はどうだろうね?やってみないとわからないね、そう同僚と話しているのだそう。

 

「3回目接種は接種後1週間から重症化を90%防ぐとのデータもあり、現場でもその肌感覚を持っています。ただし、過去2回のワクチンについては、接種してもしなくても、みんな等しく現在のオミクロン株に感染して入所してくるんですよね……」

 

2つの搬送例から見る「まだまだわからない」点

重症化とワクチン接種の有無はどんな印象でしょうか? この1月に入ってから耳にした搬送例を2つ挙げてもらいました。

 

「一つめは50代男性、ワクチン接種なし、喫煙歴ありでした。熱が下がらず、デルタ株なのかハイリスクなのか……?デルタ株ならもっと血中酸素の値が悪くなりそうなものだけど、どうだろう……?と迷った末の搬送だったそうです」

 

第5波のデルタ株では突如として発熱、ずっと熱に苦しみ、発症から10日目ごろで血中酸素が低下、そこから坂道を転げ落ちるように重症化する例を頻繁に見たため、ゲノム解析も滞っている現在、現場は「まだ市中に多少は残っているかもしれない」デルタ株を警戒しています。

 

「もう一例は40代男性、ワクチン2回接種済み、喫煙歴ありで、一度下がった熱が発症10日めごろにまた上がりました。これはデルタ株のパターンかもしれないと戦慄、でもやはり血中酸素が悪くならず、念のため搬送という経緯だったそうです」

 

その他、ワクチン3回目の接種から1週間で罹患という人の話も耳にしました。

 

「現在のところ、ワクチンを打っている人・いない人、みな等しく感染して、悪化もするのが難しい点ですね。これがオミクロンの強い感染力のせいなのか、2回目接種から時間がたっているせいなのか、現在まだ判断する段階に至っていませんし」

 

子どもの接種、様子を見ながらでもいいのかもしれない

これらを踏まえて、12歳以下の子どもの接種についてはどう考えていますか?

 

「私はちょっと慎重にしてもいいのではと感じています。子どもは重症化しにくいのに、副反応は大人と同様に出る傾向。しかも、デルタ株でも子ども同士でのうつし合いは起きていなかったのではないかという解析も出ています。今後また弱毒ではない株が流行する可能性もあるので万全を期したいところではありますが……」

 

昨年、12歳以上の子どもが接種対象になったときには、周囲から子どもの副反応について聞かれることも多々あったそう。

 

「不正出血があるけれど大丈夫だと思う?なんて心配そうに電話がかかってくるんです。こればかりは誰も大丈夫と言えませんよね。ましてや、まだ幼児である5歳の子どもにあの副反応は少々酷なのでは?と、オミクロンの軽症っぷりを見ているとどうしても感じてしまいます」

 

感染ピークは少しずれ込みそうな予感がしてきました

最後に、感染爆発のピークについて。前回の取材では節分ごろではと推測していた山下さんですが、その後の推移はどうでしょう?

 

「入所者の傾向から肌で感じる推測として、節分の週の土曜、2月5日がピークで、そこから減っていくのではと仮定していました。でも、現在感染を広げているのは飲食店ではなく、小学校・保育園・幼稚園。これらの感染状況によっては、第2週にピークがずれ込むかも?と感じています。ただ、2月の末にはすっと収まり、卒業式は問題なくできるのでは?というのが職場の同僚たちの共通見解です」

 

私たちももうしばらく頑張ります、と締めくくってくれました。

 

前編>>>『オミクロン株「悪化するかもしれない人」意外とあてはまる条件とは?

(個人特定を避けるため一部を編集していますが、コロナの病状にまつわる部分はご本人の体験通りです。また、体験を可能な限りそのまま迅速に伝えることを目的とするため、内容は生の声をそのまま納め、感染症専門家の査読を経ていません。趣旨ご理解の上お読みください)

 

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