「お好きな席にどうぞ」は失礼! 相手に敬意を表す「席次」の振る舞い7選(前編)
ビジネスにおいて、守らねばならないことの一つに「席次」があります。さまざまな状況に応じた席次や立ち位置の並び順のことをいいますが、席次には目上の方やお客様への敬意やもてなしの意味が込められており、とても重んじられています。国際社会での基本的な上位席のルールについて(一社)日本プロトコール&マナーズ協会松田先生にお聞きしました。
【 連載/気品を身につけるシンプルな教え#36前編 席次編 】
席には「上座」と「下座」があるのをご存じですか?
すべての席次・席順に共通していえることですが、目上の方やお客様にはできるだけ良い席に着席していただきたいですね。
「上座」とは、その部屋においてもっとも良い席をいい、目下やおもてなしをする側がつく席を「下座」と呼んでいます。
目上の方やお客様に「お好きな席にどうぞ」はあり得ません。
もし、目上の方やお客様を「下座」、自分が「上座」に座ったらどうなる?
席次や席順には、目上の方や年長者を敬う気持ちや、来客に対するおもてなしの気持ちが反映されていると申しました。ですから会議はもちろん、外での会食やエレベーター内、車移動の際の席次や席順についても理解して実行できれば、「この人は人に対する敬意やもてなす心を表現できる人だ」と認識してもらうことにもつながるのです。
逆に、席次の知識がないと、「礼儀知らずな人」「失礼な人」と、人間関係にも影響を及ぼしかねません。ビジネスの場で、地位の高い方を下座に案内してしまったり、招待する自分が上座に座ってしまったら、個人の問題だけでなく、会社間の関係さえも悪くなることもあり得ます。
実例1:応接室が対面式の場合、上位席は右? 左? 真ん中?
洋間の対面式のテーブルの場合の上位席は、入口から遠い側の真ん中の席が上位席になります。2番目の方が座る席は上位席の右側の席、3番目の方が座る席は上位席の左側の席になります。
※著者が書いた資料
実例2:応接室が長椅子のソファ席の場合、上位席は右? 左? 真ん中?
洋室でソファの場合、入口から遠い席を上位席にするのが基本となり、ソファは長椅子が上位席になります。訪問者がお一人でも長椅子にかけていただくように案内します。
また、訪問者が数名の場合は、長椅子は一番奥が上位席になり、訪問者の上位者が一番奥に座り、続いて順番にその隣へと続きます。
余談ですが、素晴らしい景色も美しい調度品も、来社したお客様にお見せしたいという気持ちがあります。その場合は、景色や調度品が見えやすい場所が上座ということにもなります。
後編>>>和食の席や、車内での席次…とっさに分かりますか?*(一社)日本プロトコール&マナーズ協会
>>「お育ちが露呈する」残念なホテルの使い方。覚えておきたい13ポイントは?
>>苺ミルフィーユは何位?倒すのはNG?会食で困る料理ランキング【今さら聞けないテーブルマナー】
>>恥をかかないエビの食べ方。歯型を見せない奥の手?【今さら聞けないテーブルマナー】
>>咄嗟の一言でお育ちがバレます。NG敬語・言葉遣い5選
>>上品に笑ったつもりが相手は不快!? そのしぐさ、外国人にはこう見えます!
>>見られています。育ちのいい人が100%備えている振る舞いとは?
>>育ちのいい人がレストラン入店前後で絶対にしないこと。招かれざる客にならないためのマナー
>>「グラスに口紅がついたら…」覚えておきたいテーブル・マナー
>>育ちのいい人は絶対にしない。正装男性の隣を歩くときの常識・非常識
続きを読む
スポンサーリンク