50歳からの生き方指南「女性の覚悟」【坂東眞理子さんに聞く①】

2022.07.29 LIFE

坂東眞理子さんの新著『女性の覚悟』は、人生100年時代を生きる女性たちへのエールがいっぱい詰まった一冊です。「自分らしい人生を生ききるために必要なもののひとつに〈稼ぐ力〉があります。可能性を信じて、力を磨き、社会に役立ててほしい」。そう語る、坂東さんのスペシャルインタビューです。

 

 

PROFILE
昭和女子大学 理事長・総長 坂東眞理子 (ばんどう・まりこ)

●1946年富山県生まれ。東京大学卒業後、総理府(現内閣府)入省。内閣広報室参事官、男女共同参画室長、埼玉県副知事などを経て、98年女性初の総領事(オーストラリア・ブリスベン)。2001年内閣府初代男女共同参画局長。05年昭和女子大学副学長、07年より同大学
学長。16年から現職。『女性の品格』は320万部を超える大ベストセラーに。

 

女性たちが世の中を変えていく

坂東眞理子さんの新著『女性の覚悟』が話題になっている。実はこの本、坂東さん、31歳のときのデビュー本『女性は挑戦する――キャリア・ガールの生き方』と対になっている。
「当時、私は、総理府婦人問題担当室の公務員で、第1回の婦人白書を作成していました。女性の置かれた状況、生き方に関する山のようなデータや法律などを精査しながら、もどかしい思いでいっぱいだったんです」

 

団塊の世代と呼ばれる第一次ベビーブーマーたちが結婚・出産期を迎えた時代。女性就業率のM字の谷が最も深かった時期にもあたる。
「男女平等をうたった新憲法のもとで育った私も、現実社会の男女差の厚い壁に直面していました。公文書としての白書には書けなかった私個人の思いをぶつけるように書かせてもらったのがその本だったんです」
その後、坂東さんはハーバード大学客員研究員として留学、内閣広報室参事官などを務め、1994年に総理府男女共同参画室長に。さらに埼玉県副
知事や在豪州ブリスベン総領事などを経て、2001年から03年まで内閣府男女共同参画局長を務めた。坂東さんは男女共同参画社会を創成期から最前線で見守ってきたのだ。

「世界と比較すると、今も日本の女性の地位はかなり低い。政治、経済はもちろん、教育もまだまだです」
何が女性の地位の上昇を阻んできたのか。そのひとつに、アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み・偏見)があると、坂東さんは考える。
「女性は無理に仕事で頑張らなくてもいい、家庭で子どもを育てるほうが幸せだといった思い込みや考え方を今からでも変えていかなくてはならないと、改めて思わされました。人まかせにせず、一人ひとりが当事者として何をするのか、どう行動していくのかが問われています」
ゆうゆう世代も人ごとではない。

「40年前には予想もできませんでしたが、今や人生100年時代。それぞれの時期をどう過ごすか。女性には自分の人生を生ききる覚悟が求められます。この時代をともに生きる女性たちへエールを送る気持ちで書き上げました」

 

 

迷いと焦りの危機こそ、新しい世界を開くチャンス

人生100年時代、私も80歳までしっかり働きたいと思っています

「子どもが成長するまで全力で働き、定年を迎えると家に引っ込み、趣味などを楽しみながらのんびり過ごす……これが今までの老後のイメージでした。でも女性の平均寿命は今や、87・74歳。最後の数年はのんびり過ごすにしても、30年近い余生は長すぎます。

現代の60代、70代はまだまだ元気。今後、70代までは、何らかの形で働くの
が当たり前の時代になっていきます」

ただ、この年代にさしかかると、「自分の人生のピークは過ぎた」「これからは下り坂で夢も希望もない」と気持ちが落ち込み、消極的になってしまう人も少なくない。
「私自身も50代後半、もうおしまいなのかと先行きの不安に駆られたこともありました。今思えばすごく若かったのに。これからどうなるのだろうと心配している時期が、いちばん悩みが深いんですね。でも、寿命が長くなってきたのですから、人生半ばでのギアチェンジは誰もが避けられない。実は、迷いと焦りのこの中年の危機こそ、新しい人生に踏み出すチャンスでもあるんです。勇気を出して進めば、新しい世界が広がります」

 

人生の後半期を幸せに充実して生きていくために、新しい人生観、家族観、職業観が必要だとも力説する。
「そして50代からは何より無形資産〈稼げる力〉をもつことをおすすめしたいんです。年金があっても万全の老後の備えをするのは不可能な時代。2000万円貯めるより、月に8万円、年100万円稼ぐほうが現実的です」
介護、家事代行、コンビニのレジなど、人手不足の仕事は少なくない。
「年齢を重ねたら、少しお人よしがいいとも思います。金銭的な報酬は多くなくても、新しい出会いがあり、社会で役に立っているという見えない報酬があればよしとする。自分の人生の責任者は自分だと腹をくくって、一日一日を大事に丁寧に、私も生きていきたいと思っています」

 

『女性の覚悟』
 坂東眞理子・著 1350円(税込) 主婦の友社

後半期の人生をより輝いて生きるために、自分の人生の責任者である覚悟をもとうと坂東さんは呼びかける。覚悟が決まれば、自ずと自分がやれることがわかってくる。自分の人生を誰より自分がいとおしみ、これからの日々を大切に生きようという、女性へのエールが詰まっている一冊。

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取材・文/五十嵐佳子 『ゆうゆう』2022年8月号より転載

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この記事を書いたのは
OTONA SALONE編集部長 浅見悦子

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