更年期の便秘に取り入れたい「お茶」、飲み方のポイントとおすすめ5選
更年期になると起こるさまざまな症状。その中でも更年期便秘は、多くの女性を悩ませている症状のひとつです。薬を飲んだり、病院に行ったり、医療に頼る前に、生活改善によって便秘を改善できる可能性があるなら、まずはそこから始めたいという人も多いはず。
今回は、日常生活に取り入れやすいお茶で対策する方法やおすすめのお茶を、腸活うんち専門家の長瀬が解説します。
ぜひ、日々の水分補給やリラックスタイムにも腸活を取り入れて、すっきりを目指しましょう。
更年期便秘に苦しむ人がお茶に頼るべき理由って?
更年期に起こりやすい症状のひとつとして挙げられるのが便秘。更年期便秘は、ホルモンバランスが乱れて交感神経優位の状態が続いてしまうことが原因で起こります。結果、腸が動かずにうんちがたまってしまうのです。
更年期便秘の対策には、お茶を取り入れるのがおすすめ。水分補給として効果的なのはもちろん、便秘や更年期の改善に役立つ成分が含まれているものもあります。香りによってリラックス効果が期待できたり、ホットで飲むことで体を温めたり、口で味わう以上の効果も期待できますね。体に負担も少なく、毎日続けやすいこともポイントです。ぜひご自身の症状に合わせたお茶を選んで取り入れてみてください。
ただし、お茶の成分でも気をつけなければいけないものがあります。
センナ/キャンドルブッシュ/大黄/アロエ/カスカラサグラダ/カッシアアラタ…など
このような成分が含まれているものは、刺激性が強いため飲み続けると便秘を悪化させてしまう場合も。頓服としての利用にとどめるようにしましょう。
更年期便秘に選びたいお茶成分は?
更年期便秘にお茶を取り入れる場合、どのようなお茶を選べばいいのでしょうか。おすすめしたいお茶の成分を4つご紹介します。
■食物繊維
便秘対策に必要な食物繊維は、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。不溶性食物繊維は多くの食材に含まれるので、偏った食生活をしなければ比較的摂取しやすいです。
しかし、水溶性食物繊維は含まれている食材自体が少なく、意識して摂取しないと不足してしまいます。水溶性食物繊維は、水分を含む性質があり、硬くなったうんちを柔らかくしてくれたり、腸内の善玉菌のエサとなって腸内環境を整えてくれる腸には嬉しい成分。水溶性食物繊維を含むお茶を選ぶことで、腸内環境を改善してくれます。
■カテキン
カテキンの持つ殺菌効果によって、腸内の代表的な悪玉菌であるウェルシュ菌を抑制してくれます。茶カテキンを多く含む緑茶を継続飲用することで、飲用期間中にビフィズス菌が増加する、うんちの中に含まれるアンモニアの濃度が低下するといったこともわかっています。
■ビタミンC
腸内に入ると善玉菌のエサとなり、善玉菌のはたらきを活発にしてくれます。また、硬くなった便を柔らかくしてくれる効果もあるとされています。
■マグネシウム
腸内の水分の吸収を阻害するため、水分が多い柔らかなうんちになります。自律神経を整えて、疲労や緊張を緩和することも期待ができます。ストレス性の便秘の場合は、原因となるストレスを改善にも有効です。
更年期便秘の人が頼るべきお茶5選
さまざまなお茶がありますが、更年期便秘に頼れるお茶にはどんなものがあるのでしょうか。便秘症状、更年期症状を視野に5つ選びました。
■タンポポ茶
水溶性食物繊維のひとつである「イヌリン」を摂取することができます。ノンカフェインで、味も飲みやすいので続けやすいお茶です。タンポポ茶に含まれるT-1という成分は女性ホルモンのエストロゲンの分泌を促してくれるとされるため、更年期世代には嬉しいですね。
■ルイボスティー
体に必要なミネラルを多く含むのがルイボスティー。鉄、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどを摂取することができるので、代謝の促進作用が期待できます。体が冷えることによっておこる便秘の改善に適しているお茶です。
ルイボスティーに含まれている亜鉛は、エストロゲンの分泌を促す効果があり、更年期の強い味方です。
■黒豆茶
食物繊維が多く含まれている黒豆茶。腸を潤す効果のある「リノール酸」や「イソフラボン」も含まれています。女性の生理前に多い、ホルモンバランスが崩れることで起こる便秘の改善に適しています。
「イソフラボン」には、エストロゲンの分泌をサポートし更年期の症状を和らげる効果が期待できます。
■ドクダミ茶
食物繊維やカルシウムなどの、代謝に必要なミネラルが豊富に含まれています。10の薬効がある、と言われており、肌荒れの改善にも役立つことで知られています。特に、ドクダミに多く含まれる「クエルシトリン」という成分が、腸のぜんどうを促してうんちの排出を助けてくれます。
味は独特ですが、ハトムギ茶(※)などとブレンドすることで、飲みやすくなります。ブレンドによって便秘解消効果を高めることも期待できます。
(※ハトムギ茶は子宮を収縮させる作用があるので、妊娠中は飲むのを控えるようにしてください。)
■ローズヒップ
ビタミンCが豊富なのがローズヒップの特徴です。ビタミンCは善玉菌を活発にしてくれたり、うんちを穏やかに排出してくれたり、嬉しい作用があります。また、ビタミンCはシミやそばかすの予防、コラーゲンの減少によるしわやたるみの改善にも効果が期待できるので、ローズヒップは更年期の美容にも嬉しいお茶。腸からキレイになりたい方におすすめです。
更年期便秘改善にお茶を取り入れるポイント
お茶によって更年期便秘の改善を目指す場合、ポイントをおさえて取り入れれば効果を期待しやすくなります。お茶を取り入れる時の3つのポイントを解説します。
■温度
20度くらいの常温か、それよりも温かい温度で飲むのがおすすめです。体を温めることで腸の血流を改善することができ、腸のぜんどう運動をスムーズにする効果が期待できます。
■量
1回の量は200ml程度にしましょう。それ以上の量を飲んでも、体が吸収できずに尿と一緒に排出されてしまいます。1日に2〜3回飲むようにしましょう。
ティーポットで淹れるときは、お湯200mlに対して茶葉は大さじ1杯が目安です。お茶の種類によって淹れ方などは異なるのでパッケージなどを確認するようにしてください。
■飲むタイミング
食事前は注意が必要です。食事前に水分を摂取しすぎると、胃液が薄まってしまいます。消化吸収がスムーズに行われないこともあるので、食事前の飲み過ぎには気をつけましょう。
更年期便秘を改善するために1杯のお茶から始めてみて
更年期便秘の対策としてお茶を取り入れる方法を解説してきました。お茶は薬ではないので、すぐに効果が出るものではありませんが、長期的に続けることで穏やかに変化を感じられるはずです。飲むだけなので続けやすいのも、お茶を取り入れるメリットでしょう。
ぜひお気に入りの1杯を見つけて、生活の中に取り入れてみてください。
文/長瀬 みなみ
ウンログ株式会社 うん広報(PooPR)、腸活うんち専門家
東京生まれ、便秘育ち。舞台俳優からITベンチャー広報を経て、現職ではうんち記録アプリ「ウンログ」運営に携わる。腸内環境から人生が幸せになる人を増やすために、腸活や発酵食品に関するセミナー講師としても活動している。
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