
そう、私が欲しかったのは旦那じゃなくて「彼氏」【不倫の精算・リバイバル4】(後編)
取り残される不安と焦り
D子の仕事は順調で、毎月しっかり貯蓄もしている。結婚しないことに両親は不満だが、自立できているので文句は言われない。
「老後はひとりだからね。老人ホームに入れるように今から貯めておくの」
とD子は言うが、本当はこんな自分に完全に満足しているわけではない。
専門学校の同期の中には、結婚して子どもを産みながら今もデザインの仕事で名前をはせている女性もいる。結婚してからD子と同じようにフリーランスになり、都会の会社と取引をしている元仲間もいた。
毎年送られてくる年賀状は家族の写真入りのものが増え、逆に自分が出すのはいつまで経っても名前の変わらないものだった。
その「差」が、D子を苦しめる。
「結婚していると控除もあるしね、いろいろお得だよね。仕事でも信用があるし……」
自分のできないことを、ほかの女性はしている。状況は人それぞれかもしれないけど、自分だってずっとがんばってきた。でも、どうしても結婚と仕事とプライベートをすべて楽しめる自信が自分にはない。
フェイスブックは家族と過ごしながら仕事でも成果を挙げている同期の活躍を見るのが嫌でやめた。不倫だから彼と過ごす時間の投稿はできない。いつも「ひとりで仕事」「趣味のランニング」を楽しむ投稿しかできない。
その惨めさが、年々彼女の中で不安と焦りを増大させている。
「来月の同窓会も行かないつもり。どうせ家族とかステータスの自慢になるし、あの人と約束あるし」
視線を外しながら、D子はつぶやいた。
「結婚には向いていないから不倫でいい」
とD子は言い切るが、それはあくまでも彼女の都合でしかない。不倫には独身男性と付き合うこととはまったく異質のリスクがある。
もしバレたら、慰謝料の問題だけでなく社会的にも居場所がなくなる危険があること、すべてを失う恐れがあることを、D子は忘れている。彼女が望んだ自由を、彼女自身が奪う可能性があるのだ。
そうなる前に、もう一度不安と向き合う勇気を、彼女に思い出してもらいたいと願う。
<<前編:「結婚しているオトコのほうがラク」彼女の本心は
取材・文/ひろたかおり
この記事は2018年1月に初回配信されました
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