小6で英検1級マストですと?!いっけんチートげな「帰国子女枠」入試、実情は【のほほん母の中学受験2024】#2

2023.03.29 WORK

フリーライターの母・モコと、23年4月に新6年生になる息子の受験奮闘記の2回目です。

前回の予告で「次回は息子の勉強法をお伝えします」と書いたのですが、それはまた後にして(笑)、今回は「帰国子女入試と一般入試を同時受験することについて」をテーマにお伝えします。

その前に、母・モコの「のほほんエピソード」をひとつ。

【連載・のほほん母さんとちゃっかり息子の中学受験@2024】第2話

 

これが本番だったら地獄だよ!「試験会場間違えたッ……?」のほほん事件

5年生の中頃のある日曜日、早稲田アカデミー主催のオープン模試を受けるため、試験会場に息子と二人で向かっていました。私は、外部で行われる模試の際はいつも会場までの地図を広げるのがめんどくさいので、最寄りの駅で同じ方向に向かっている私たちと同じような親子を見つけて、こっそりと後ろをついていくようにしています。そうすると、何も考えなくても会場まで到着できるのでとても簡単なのです。

 

当然その日の朝も、私と同世代のお母さんと小学校高学年の大きなリュックを背負った男の子のペアを発見。私たちは無意識に後をついていきました。そして無事会場入り。

 

会場に入っていく息子を見送り、「さて待っている間に私も仕事しようかな」なんてUターンした時、入り口で係の方がこう叫んでいました。「こちらは早稲田アカデミー生以外の方の会場でーす」。

 

ヤバ、間違えた…! 息子は早稲田アカデミーに通っているから内部生。私たちが着いたのは外部生用の会場だったのです。そこで初めてバッグから受験の詳細を取り出し地図を確認したところ、早稲田アカデミー内部生の会場は線路を越えた反対側。今から移動するのではまったく間に合いません。近くにいた先生に事情を話し、「多分大丈夫ですよ」と言ってもらい、一応ことなきを得ました。

 

試験が終わって出てきた息子に会場を間違えていたことを告げると、「うん。なんかおかしいと思った。知ってる顔が全然いなかったから」と言いつつ、特に意に介していない様子。私のこのくらいのミスは日常茶飯事なので慣れているのでしょう。ざっくりと育ててきてよかったです。

 

夫の駐在帯同で小学校低学年でアメリカに引越し。だが、向こうでも日本の中受事情は過熱中

息子が小1の後半、我が家は夫の仕事の都合でアメリカに転居することになりました。あれよあれよというまに1年の修了式が終わり春休み期間に無事渡米。帰国予定は息子が3年生の3月。2年間の赴任という形でした。

 

私たちが住んでいたエリアはわりと日本人が多くいるところでしたが、アメリカにいるとやはり日本にいるより得られる情報は少なめ。そんな状況のため、それぞれの日本人保護者の間では、我が子の帰国後の進路について頻繁に情報交換が行われていました。

 

話題のど真ん中にあるのは、「帰国子女枠入試」のこと。帰国子女枠を設けている学校は年々増えていますが、一言で帰国子女枠と言っても、学校ごとに「帰国後何年以内であること」などの条件が違います。入試科目も、英語を使って受けるのか、英語、算数、国語の3科目で受けるのか、あえて英語を使わず2教科あるいは4教科で受けるのか、などさまざまな選択肢があります。

 

さらには帰国のタイミングでも受験との関わり方が変わってきます。我が家のように4年生4月の時点で日本にいるのならば、日本にいる同級生と同じ「一般受験」も可能ですし、5年生、6年生で帰国すると一般受験に参戦するのは実質不可能。理科社会にいたってはまったく習っていないので4教科受験も厳しくなってきます。

 

みんな悩みに悩んで道を決める。中学受験を見越して、任期を待たずに帰国する家族も

アメリカにも大都市には日本の塾があり、アメリカにいながらにして、日本の中学受験対策ができるようになっています。息子は4年生で渡米してすぐに車で少し行ったところにあるenaに入り、日本と同じ速度で日本の子供達と同じ授業を受けていました。

 

ただ週に数回塾に通うだけでは、日本のライバルたちと肩を並べられるはずがありません。「5年生や6年生になって帰国して、受験できる学校が狭まるよりは」と、3年生の2月の入塾のタイミングに合わせて、母親と子供だけで帰国するという手段を取る家庭も珍しくありませんでした。

 

このように遠い異国の地にいても中学受験は大きなイベント。むしろ日本の受験生の保護者よりも焦りを感じている人が多いため、親同士の情報交換や、塾からの情報提供などは盛んに行われていたように思います。

 

帰国子女枠最高峰「渋々」「渋幕」はそもそも「英検一級」が前提という現実

海外在住の小学生といっても、もちろん在住歴は違うし、それに伴い英語力も一人一人違います。乳児や幼児から住んでいる子供の英語力はネイティブレベル。アメリカの子供と何ら変わらない立場で、自分の考えを高い語彙力を持って英語で伝えることができます。

 

一方で我が家のように滞在年数が2〜3年の子は、特別に英語のレッスンを受けない限りまずネイティブと肩を並べることはできません。わずか2年程度では「英語を武器に」というレベルまでは達しないのです。

 

そんな幅広い英語力を持った子供たちが小学校高学年になり、メジャーリーガーの凱旋のごとく意気揚々と帰国。今度は日本で数少ない帰国子女枠を狙って受験戦争を繰り広げるのです。高い語学力を持っている帰国子女たちが憧れる私立中学の最高峰がやはり「渋々」と「渋幕」。

 

私も小学4年生で帰国したあと、早稲田アカデミー国際部の説明会などに参加して、情報を集めてみました。

 

そこで知り得たのが、渋々と渋幕の2校を受けたいなら、大学生でも合格するのが難しい英検一級を持っているのが大前提だということ。準一級保持者でももちろん受験は可能だが、合格の可能性は限りなく低い、という事実でした。もちろん英検はただの目安であって、実際はテストを受けてそこでの結果がすべてです。

 

アメリカ滞在歴わずか2年(うち1年は完全オンライン授業)の息子は、帰国して頑張ってなんとか英検準一級を取得しました。が、頑張りもここまで。我が家は早々に最高レベルでの帰国子女枠入試へのチャレンジは諦めました。

 

のほほん母の「損得勘定」。帰国子女枠受験と一般入試のW受験はお得なのか?無理ゲーなのか?

現在息子は、一般受験をすべく早稲田アカデミーに通いながら、週に1度だけ近所の英語塾で英語のマンツーマンレッスンを受けています。マンツーマンレッスンといっても、受験に直結するような内容ではなく、外国人講師との会話や作文練習がメイン。「せっかく身につけた語学をなるべく忘れないように」という程度の内容です。

 

受験に関していうと、一般入試と並行して、12月や1月に行われる帰国子女枠での入試も受けてみようと思っています。理由は、2月から始まる一般受験本番の予行演習になるから、ということと、もしそこでラッキーにも合格を得ることができたら、2月の入試を落ち着いて迎えられるのではないか、という期待からです。

 

検討している学校は、「算数、国語、日本語による面接」で受けられるところ。英語を受験科目に入れなかったのは、先ほども記述した通り、ガチの帰国子女の子供たちには到底太刀打ちできないから。ただでさえ日々4教科の勉強に追われているのに、そこに5科目として英語の勉強を追加する余力はさすがにありません。

 

その方向性が決まったところで、そろそろ過去問や面接対策をしてくれる帰国子女専用の塾探しや、息子に合った学校のピックアップなど、現実的な検討をし始めないといけないなと思っています。

 

第二回は、あまり周囲にはいない「帰国子女枠と一般入試のW受験を考えている受験生」という内容でお伝えしました。

 

帰国子女枠の入試は学校によって日程が違うため、複数回受けることができます。2月の本番の前に「受験の緊張感」を味わえるわけですから、貴重な経験ができてラッキーと考えることもできるでしょう。また同じ学校でも、一般枠と比較して帰国子女枠の方が偏差値や倍率が低いことも多く、それも「羨ましい」と思われる理由の一つだと言えます。

 

ただ一方で、帰国子女枠で受験するとなると、当日丸腰で会場に行くというわけにはいかないので、そのための対策をきちんとしなくてはいけません。国語と算数は通常の勉強でカバーできるのかもしれませんが、面接対策などはどうしても必要。

 

11月12月の追い込み期に帰国子女入試用の面接対策をしなくてはならず、その分一般受験対策にかけられる時間は減ってしまいます。つまり、「どっちも中途半端」「二兎追うものは一途も得ず」という結果になる可能性もあるわけです。息子を含め、塾の先生とも相談していかないといけない事案ですね。

 

次回は、「海城を志望しているのに、早稲アカには対策コースが存在しない!?」というテーマでお話ししたいと思います。

 

●今週のおしゃべり●

あまりの私の話を聞いていないので、

私「息子って母親の話を1割しか聞いてないんだって」

と適当に言ってみた。すると

息子「ブハハ。たしかに、オレ1割しか聞いてないわ!」

我が家では1割理論は「真実」ということになりました。

 

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