働く女性の「自分の時間が全然ない」問題、実は2つのパターンに分かれている。あなたはどっち?
育児・家事・仕事とやることがたくさんある40代50代女性の大きな悩みは、時間が足りないことではないでしょうか。「朝起きてから夜寝るまで、自分の時間なんてまったくない!」という女性達の声が多く聞かれます。やるべきことだけをこなす日々では、ストレスが溜まりますよね。本記事では『自分だけの強みが遊ぶように見つかる 適職の地図』の著者で強み発掘コンサルタントの土谷愛が、時間がないと悩む女性たちに向けて、そのストレスを軽減して、自分の人生を生きるためにやるべきことをお伝えします。
働く女性の「自分の時間がぜんぜんない」問題、実は2パターンに分かれる
朝は家族の誰よりも早く起きて家族全員分の支度をして、日中は仕事や家事をこなす。夕方子供が帰ってきてからは怒涛のように食事、お風呂、寝かしつけ。寝かしつけが終わったらまた家事。これが多くの女性たちの日常です。
ゆっくり座ってご飯を食べることすら難しいことも。このような日々の中では、自分の好きなことをする時間なんてまったくありませんよね。
本当はゆっくりお酒を飲みながら過ごしたいと思っていても、家事が終わったらもう深夜でそんな時間がない。もっとたくさん眠りたいのに、時間がない。そのような女性が多いのではないでしょうか。
このような女性たちの声をよく聞いてみると、「時間がない」というお悩みも、実は2つのパターンに分かれています。
まず1つ目、パターンAは、「やりたいことに時間を使うために、もっと時間のゆとりが欲しい」というお悩み。このパターンは、やりたいことがあるのに、それをやる時間がないことに悩んでいます。例えば
・もっと夫婦の時間がほしいけど、お互い忙しくて話す時間が取れない
・子供にじっくり向きあいたいけど、その余裕がない
・家計のために副業をしたいと思っているのに、やるべき家事が多くて取り組む時間がない
という状態です。やりたいことができない状態は、ストレスを感じますよね。
そして2つ目、パターンBは、「とにかくストレスを減らすため、ほっと一息する時間のゆとりが欲しい」というお悩み。こちらのパターンは、「何かをやりたい」など前向きな考えを持つ余裕さえなく、とにかく毎日が忙しすぎてストレスフルな状態です。例えば
・更年期からくる体調不良が続いている
・仕事の疲れでピリピリしていて、夫婦喧嘩をしてしまう
・節約のために、疲れていても外食ではなくご飯を作らないといけない
このように、そもそも日常生活自体にストレスの原因があります。お悩みの深刻度で言えば、こちらの方が上かもしれませんね。
さて、「時間がない」と感じているあなたは、現状どちらのパターンだったでしょうか? 悩みの正体を知るだけでも解決策探しのヒントになります。ぜひ当てはまるものを選んでみてください。
時間の使い方とは「人生の使い方」そのものだと考えてほしい
時間の悩みの原因がわかったら、次に「自分の時間をどう使うのか」を考えましょう。
自分の時間を悩むことに使うのか、やりたいことをやるために使うのかと考えることは、「人生をどう生きるか」を考えるのと同じです。つまり「時間の使い方=人生の使い方」ということ。
今、ただ時間に追われてしまっているという人は、このままストレスを抱えてイライラした時間を過ごすことが、自分の人生でいいのか?と考えてみてほしいのです。
これは極端に言うなら、「その状態が一生続くとしたら、どう思いますか?」という問いです。
もし「それは嫌だ。時間の使い方を考え直したい」と思うならば、ぜひ自己分析をしてみましょう。この場合の自己分析とは、「今のあなたのストレスの原因」を把握して、ストレスを解消する方法を見つけていくことです。そして、徐々に時間に追われる状態から、自分で自分の時間をコントロールできるようにしていきます。
自分で自分の時間をコントロールできている感覚を持てると、「自分の理想の人生」を生きている感覚に繋がります。この感覚になれば、時間のストレスもかなり軽減されますよ。
時間を生み出し、「自分の人生」を生きるための自己分析
それでは、具体的に自己分析を進めていきましょう。
先ほどのお悩みパターンA・パターンBとでは自己分析をやる目的と実践する内容が違うので、それぞれについて解説しますね。
パターンAの目的:やりたいことへの時間捻出
やること:
①やりたいことをやるために、具体的にどれくらいの時間が必要なのかを考える
②今の生活から「捨てる時間リスト」をつくる
パターンAは、やりたいことが決まっていて、そのための時間が必要な場合です。まず、やりたいことの時間を確保するために、実際はどれくらいの時間が必要かを把握します。
例えばヨガのレッスンに通いたいという場合なら、ヨガのレッスン時間やレッスンスタジオへ通う時間を具体的に数字で出してみましょう。自宅で読書の時間が欲しいならば、どのくらい本を読む時間を確保したいかを考えます。
本を読むために1時間必要だとわかったら、次はその時間を捻出するために、今の生活から何をやめるかを決めます。つまり捨てる時間を決めるということ。なんとなくテレビを見ていた時間を捨てたり、食器洗浄機を導入して食器洗いの時間を捨てたりなどを考えます。捨てる時間を書き出してリストをつくり、日々そのリストを実行しながら時間を捻出しましょう。
パターンBの目的:とりあえずストレスを減らすための時間捻出
やること:
①「自分にとって何がストレスになるのか」を知る
②「そのストレスはどうやったら消せるか」を考える
パターンBは、日常生活がストレスでいっぱいで、とにかくストレスを減らしたいという場合です。まず、何が一番自分のストレスになっているのか?を把握しましょう。そのために、自分のストレスになっている原因を紙に書き出してください。
次に、どうしたらそのストレスを解消・軽減できるかを考えます。紙に書き出した原因すべてについて考えましょう。もし解消のためにできることが1つも思いつかない場合は、いったん脇に置いてもいいです。たとえば「通勤時間がストレスだ」と感じたなら、「通勤時間のストレスを減らすためにできること」を考えます。すると、「混み合う電車からバスに変えてみる」「駅に着いたら電車を1本見逃して次の電車を待って座る」「週に1日でもリモートワークに変えられないか相談してみる」など、少しでもストレスを減らす可能性があることが出てきます。まだこの段階では現実的かどうかを考える必要はありません。
ストレスの解消のためにできることが見つかったら、できそうなことから1つずつでいいので実践しましょう。そうすることで、時間のゆとりは確実に今より増えていきます。
パターンAもBも、具体的に原因や対策を考えて整理することが大切です。毎日忙しくて整理する時間も確保するのが難しいかもしれませんが、ぜひ30分でも1時間でもいいので、整理する時間を取っていただきたいです。この整理する時間こそ、ストレスを減らして自分の人生を生きる第一歩だから。
「ストレスばかりの人生だった」と後悔しないため、できることを今すぐ!
健康寿命は、意外と短いものです。私たちも、いつ病気になるかわかりませんし、いつ介護が必要になるかもわかりません。死ぬときになって「ストレスばかりの人生だった」「あれもやっておけばよかった」と後悔しないように生きたいですよね。
そうならないために、ストレスの原因をしっかりと自己分析し、対策していきましょう。そして、小さな一歩でも、ストレスを減らす行動を起こせば、必ず現状はよくなっていきます。
たとえば、もし節約でストレスを感じているなら、月に1回ぐらいは食べたいものを食べに行ってみましょう。いつもお昼ご飯は自分でつくったお弁当なら、月に1回は1,000円ぐらいのランチを食べてみる。いつも家事が大変でストレスを感じているなら、1日ぐらい家事をサボってみる。掃除をサボって、自分のためだけに映画を観てもいいですね。
ここで大切なのは「自分で時間を捨てることを決める」「捨てて捻出した時間に自分が選んだことをやる」ことです。この意識を持つことがとても重要なのです。
日々の時間の波にただ流されるのではなく、自分の意思で泳いでいけるようにしていきましょう。
次回は、キャリアに悩む40代女性へ向けて、自分の仕事観を知る方法をお伝えします。
『自分だけの強みが遊ぶように見つかる 適職の地図』土谷愛・著 1,650円(10%税込)/かんき出版
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