「仕事か、育児か」働く女性がいつでも直面する究極の選択。どちらを選べば正解なのか?その答えは

2023.04.10 WORK

「キャリアを優先してバリバリ働くか、子育てを優先して仕事量を減らすか」どちらを選んでも後悔するのではないか……と不安を抱く女性は常に多いもの。仕事も子育ても、どちらも大切だから悩みますよね。本記事では『自分だけの強みが遊ぶように見つかる 適職の地図』の著者で強み発掘コンサルタントの土谷愛が、キャリアに悩む女性たちに向けて、「仕事の価値観」の見つけ方をお伝えします。

 

30代40代50代。女性はいつでも「家庭」か「仕事」かの選択を迫られています

20代・30代から同じ業界で長く仕事をしていたり、同じ会社で勤め続けている40代50代は、気づけばこなせる業務や領域が増えているもの。知識も豊富で仕事もスピーディにこなすので、上司や後輩から頼られることも多くなります。

 

特に30代後半から40代は「そろそろ昇進して、後輩を育てて欲しい」という上司の期待も感じる年代です。ところが、この期待を感じたときに、単純に喜べないのが特に40代。また、高齢出産で子どもにまだまだ手のかかる50代も同様です。

 

自分の仕事を評価してもらえて期待されて嬉しい、もっと活躍したいという気持ちもある。でも仕事優先になって子どもの成長に目が届かなくなるのはどうなんだろう…と思う自分もいる。50代に入れば子どもだけでなく「親の介護をどうしよう」という話もがぜん増えてきます。

 

このようにキャリアアップのチャンスが目の前にやってきたときに、女性たちはどうしても「キャリアか家庭か」を考えてしまうのです。

 

キャリアアップのチャンスを掴んで、バリバリ仕事をするか。
子どもの成長、あるいは親孝行のチャンスは今しかないから、家庭を優先してゆるく働くか。

 

悩んで悩んでどちらかを選んでも、「やっぱりあのとき…」と後悔してしまうのではないか。そのような不安でいっぱいになってしまうのではないでしょうか。

 

でももし、「キャリアアップしてみたい」という気持ちがあるのに、家庭への不安で葛藤しているなら、一度じっくりと自分の「仕事の価値観」を考えてみてほしいのです。自分と向き合って、自分の本音を知る。自分の仕事に対しての価値観を知る。そこから自分のキャリアを考えてみましょう。

 

 

「だって、母親は子どものそばにいるべきでしょ?」そんな「他人が言った」べき・ねばに気を付けて

やってみたい気持ちと不安な気持ち。どうしたらいいのだろうと葛藤しているときは、つい周りの声を聞いてしまいます。

 

たとえば、ママ友が言った「やっぱり子どものためには、母親がいつでも子どものそばにいるべきだよね」という言葉。上司が言った「今後はあなたも、会社のために責任を持って後輩を育てるべきだと思うよ」という言葉。

 

どちらも、その言葉が正解・不正解ということではありません。ただそれは「ママ友の意見」であり「上司の意見」なわけです。あなたの意見ではありません。つまり自分軸ではなく他人軸の意見ということ。

 

しかし、ママ友の言葉を聞いて「やっぱり私は母親だから、子どものそばにいなければいけない」と思ってキャリアを諦める選択をするのは要注意です。
「他人軸」のべき・ねばで決めた答えは、後から苦しくなってしまう可能性が高いからです。

 

本当は「仕事を頑張ってキャリアアップしたい」と思っているのに、「母親は子どものそばにいるべき」という他人軸で選択してしまうとどうなるでしょうか?

 

その時点では納得したと自分でも思っていますが、子どもが大きくなり手が離れてきたころに「あの時キャリアを選んでいれば今頃は…」と考えてしまったり、同期が昇進する姿を見て「いいなぁ。私もああなりたかった」と後悔してしまうかもしれません。

 

もちろん、あなたが心から「私は子どものそばにいる母親でいたい」と思って家庭を優先することを選ぶのであれば、それは大丈夫です。自分軸で決めているので、自分の選択に納得しているはず。きっと子どもが大きくなったときには「私は十分子どものそばにいることができた。これからは自分のやりたいことをやろう」と思えるでしょう。先に昇進した同期を見ても「私は子どもとの時間を過ごせて良かった。ここからまたキャリアアップに向けて頑張っていこう」と前向きに考えることができるはず。

 

このように、「自分にとっては何が大切なのか」がわかっていれば、他の人の意見に振り回されなくなります。しかし、「母親は子どものそばにいるべき」「後輩を育てるべき」といった「べき」「ねば」の影響力は大きく、どうしても「世間一般的にはこうした方が良い」という選択をしてしまうものです。「べき」「ねば」ばかりを気にしていると、自分で自分の本音が見えなくなります。

 

本音の選択をしていないので、いつまでも悩みが消えない状態となってしまいます。

 

他人に悪口を言われようと、ここだけは「自分が5年後、10年後に絶対後悔しない」本音を考えて

自分軸で決めて選択するためには、仕事観の自己分析をしましょう。世間一般の声や周りの意見ではなく、「自分はどうしたいか」を考えます。

 

頭の中だけで考えるだけではなかなかまとまらないので、

 

・仕事を通じて何が欲しいか
・どのような働き方が理想なのか
・家族がどんな状態であれば自分も幸せなのか
・いつも子どものそばにいたいのか、働く母の背中を見せたいのか

 

ということを、どんどん紙に書き出していきましょう。書き出す時は「こんなことを考えるなんて非常識かな」「これじゃ良い母親じゃないな」という考えは入れないでくださいね。周りから見て非常識かどうかや、良い母親かどうかは関係ありません。

 

誰かに見せるわけではないので、今仕事に対して思っていること、家族に対して考えていることをありのまま書きましょう。頭の中の考えを書き出して見えるようにすると、自然と整理ができるようになります。

 

「私って仕事に対してこんな風に思ってたんだ」と、隠れていた本音が見えてくることもあります。その本音から、優先したい価値観を決めましょう。

たとえば
「私は子どものために習い事の送迎もやりたい。だから子どもが中学を卒業するまでは家庭を優先する」と決めてもいい。
「私は今開発中の商品をどうしても世に出してたくさんの人に使ってもらいたい。そのために、このまま仕事をバリバリ続ける」と決めてもいいわけです。

 

この先ずっとこの優先順位というわけではありません。家族や仕事の環境が変われば、その都度今の自分と向き合って、価値観の優先順位を決めていけば大丈夫です。

 

仕事も家庭も大切だから悩んでしまうんですよね。でも、どちらも大切だからこそ、優先順位を決めましょう。そうすることで「大切なもの」を大切にできるのです。「今は仕事を優先する・家庭を優先する」を決めていれば、「どっちを選べばいいのだろう…」と悩むことがなくなり、自信を持って仕事に打ち込めたり、子どもと向き合えるようになりますよ。

 

結局のところ、どんなルートを選んでもあなたはきっと大丈夫。考え抜いた結果だから!

優先順位を決めたら、あとは前進あるのみ。ご主人と協力したり、色々なサポートサービスを活用してバリバリ仕事をすることを優先したときに「子どものお世話を他の人に任せるなんて、悪い母親かな」ということを気にしてしまうかもしれません。

 

しかしそれだけが「悪い母親」なのでしょうか? 遅く帰ってきても、子どもの話をじっくり聞いてあげたり、ギューっと抱きしめてあげていても「悪い母親」? 仕事を優先して頑張っているけど「お母さんはあなたのことが大好きだよ」というメッセージを伝えていれば、子どもは十分に母親の愛情を感じているはずです。

 

そして何より、楽しそうにイキイキと仕事をしている母親の姿を、お子さんも見ています。自分の意思で決めて、自分の人生を生きている姿を見て、お子さんが感じるものもたくさんあるでしょう。

 

もちろん家庭を優先した場合も、いつも全力で自分と関わってくれるお母さんの姿をお子さんは見ているはず。「あなたと過ごせる時間が、お母さんの一番の幸せ!」とお母さんが笑顔で言ってくれたら、お子さんも幸せですよね。

 

優先順位を決めたら、自分が選択した道を自信を持って突き進んでくださいね。応援しています。

 

次回は、「理想の未来」を叶えるために、「幸せな生き方」を選ぶ方法についてお伝えします。

 

自分だけの強みが遊ぶように見つかる 適職の地図』土谷愛・著 1,650円(10%税込)/かんき出版

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