不正出血、子宮体がんの90%にあり! 更年期の影に隠れたコワい病気

Q.更年期に不正出血が起こるのはなぜでしょうか?

イラスト/lely

それは、更年期における女性ホルモンの変動が大きな要因です。

更年期とは、卵巣機能が低下していく期間であり、エストロゲンの分泌が不安定になります。
この影響で子宮内膜の成長が乱れ、突然剥がれ落ちることで不正出血につながるのです。
更年期が原因の不正出血なら、適切な治療を行うことで健康な更年期を迎えることが期待できます。

とはいえ、すべての不正出血が更年期だけの問題とは言い切れません。
なかには重篤な病気が隠れているケースもあります。
このことを念頭に置いて、自身のからだの変化には敏感でいてくださいね。

 

 

Q.どのような病気に注意したらよいですか?

イラスト/lely

不正出血の原因は、更年期によるもの以外にも子宮筋腫や子宮頸がんなど多岐にわたりますが、とくに40代から50代の女性が注意すべきなのが「子宮体がん」。

子宮体がんは初期段階では症状が少なく、出血以外の目立つ兆候がほとんどありません。
そのため、進行してから気づくことが多いんです。

子宮体がんは早期発見で生存率が大幅に向上する病気なので、不正出血をただの更年期の症状と判断せず、定期的な診察を受けることが重要です。

 

 

Q.子宮体がんを早期発見するにはどうすればいいですか?

写真/PhotoAC

まずは、定期的な検査を習慣にしてください。
外来で行われる子宮内膜細胞診が一般的な検査方法となります。
この検査では、子宮内膜から細胞を採取して病理検査を行い、異常があるかどうかを確認します。
さらに、超音波検査で子宮内膜の厚さを測定することも。

ただし、これらの検査では100%の精度で子宮体がんを発見できるわけではありません。
不正出血が続く場合や他の不調を感じた場合は、すぐに受診してくださいね。

子宮体がんは早期に発見・治療されることで、治癒率が高まります。
定期的な検査を受け、異常があれば迅速な対応をすることで、健康な更年期を迎えることができるでしょう。

定期的な検査で異常がない場合は、更年期による不正出血と判断されることが多いですね。その場合は、その人の症状や生活習慣、体質に応じて最適な治療法を選びます。

たとえば、婦人科で更年期治療として一般的なホルモン補充療法(HRT)を行うことで、出血時期が安定します。

もちろん、更年期の他の症状であるホットフラッシュや冷え性、頭痛などを和らげるのにも役立ちますよ。

 

【後編】では不正出血のための漢方や、深刻な事態にしないための健康管理についてお話いただきます。

 

▶後編はこちら
更年期の不正出血のための漢方、一歩踏み込んだ健康管理をするためには?

 

 

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師

碇 純子(いかり すみこ)

薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)

神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。

世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/

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