「更年期は、これから迎える老化の予行演習だと思います」。美容ジャーナリスト・小田ユイコさんがたどりついた暮らし方は

こんどはテニスを始めました。そこで故障して「わかったこと」、筋トレの重要さ

55歳、テニスをスタート。コロナ禍で運動不足が気になり、テニスをスタート。HRT療法を始めてからは腰痛が消え、体力にも自信が感じられるようになって、より没頭できるように。

さて今日はたくさんお話を伺いました、ありがとうございます……とお礼を申し上げる直前、ここで小田さんから「私、最近テニスを始めたんです」と新たなネタが!

 

「いつでも行き当たりばったりだから、出会ってしまったことはどんどん始めるのですが(笑)。コロナ禍で大会もなくなって気分が変わり、それまでのマラソンから急に違う運動にシフトしたいと思い立って。急にテニスと出会ったんです」

 

ここでもまた急激なのめり込みを見せた小田さん、最近初めて足をねんざしたそうです。

 

「下手なりに楽しくなったタイミングで故障して、やりすぎたなと気づきました。膝のX線を撮ったら半月板が薄くなっていて大反省、理学療法士にリハビリを教わりました。脚のその他の筋肉を鍛えてとアドバイスを受け、実際にトレーニングしてみたら、膝への負担が圧倒的に減るんです。言われるままに足の前側、後ろ側と鍛えて伸ばしてしていますが、専門家に見てもらうのは大事ですね」

 

長く仕事を続けていきたい、そのためにテニスのような娯楽を健康管理の一環で取り入れていきたい、だからこそ体をアジャストする筋トレのような調整努力が必要なですねと小田さん。

 

「評判のいい整形外科で膝にヒアルロン酸を打ってもらって痛みを予防していますが、そのクリニックでは理学療法士の指導もセットになっていたのがラッキーでした。やってみると、そうういうことかと納得しました。筋トレってマッチョを目指すわけではなかったんですね。動かしやすい、自分がやりたいことを維持できる体を作るひとつの方法として筋トレがある。それはやったほうがいい、必要だと思いました。テニスをいつまで飽きずに続けられるかはわからないけれど、故障なく楽しみたいなら私たちの世代には筋トレがマストなんです」

 

たとえば小田さんの場合、スクワットの際に膝が揺れるため沈み込むとき力が入るのだそう。揺れながら落ちると負担がかかるため、揺れない膝を目指してくださいと言われて、とても納得したそう。

 

「体のどこを鍛えればいいかわかったことで、たとえば駅の階段の上り下りすら楽になったと痛感します。50代で半月板が薄いと言われてしまいましたが、でも、いま気がついてよかった。筋肉ってすごく大事だなと思うようになったので、もう少し積極的に何かやってもいいのかなと考えています」

 

更年期は絶対終わるから大丈夫。わくわくすることを1つでも多く毎日の生活の中で感じてほしい

「テニスもですが、ワクワクできることを保つこと自体を私はがんばっていきたい。ワクワクが昔と比べてどのくらい減ったかはわからないけれど、1日に1回でもいいから『今日これを知ることができてよかった!』と思うことを見つけたり、今日はいい原稿が書けたなと達成感を得たりと、どんなに忙しくても1日1回は何かいいことができた満足感を持ちたいなって」

 

人によってワクワクの源はまちまちでしょう。トイレを掃除したらきれいになってすっきり!気分がいい!というような気持ち、それがあれば多少の不調はあっても生きていけると小田さん。

 

「若い人に最近話すのが、年をとると不調が当たり前になるということ。だいたい引かれます(笑)。100%元気!という日は少なくとも私にはもうない。年齢を重ねるってそういうことなんですね。でもそれでも楽しく生きていけるんです。テニスで70代のかたと知り合うと、痛いところはないですか?なんて根堀り葉ほり聞いちゃいますが、でもみんな、ここからこういうことが起きるけど、続けられるよ!と、暮らしの中の楽しいことを見つけているんですよね」

 

できたことがうれしいと喜ぶ気持ちがきっとこれからより大切になっていく予感がすると小田さん。未来に何があるかはわからないけれど、できることをできると受け止めて喜ぶことが幸福のコツではないかと周囲を見ていて感じるそうです。

「更年期は、必ず終わるから大丈夫です。慣れていくから。これから先の老化に慣れるトレーニング期間ですから、難しくてもずっと自分の手綱をとり続けようという気持ちは大事にして。先々に向けて準備を心がけなくても、目の前にきたことにひとつひとつ向き合っていく、その行き当たりばったりで大丈夫」

 

いっぽうでHRTに関しては、野崎先生は早いうちからHRTを始めて老化をゆるやかにしたほうがいいと提言していますよね。40代半ばから始めることに賛成なのだそう。

 

「それもいいと思う。でも、早くから気をもまなくても、そのときがきたらやるべきことを体が教えてくれます。休めと体がいうなら休み、食べろというなら食べ、動けというなら動く。体が教えてくれることにすなおに従って過ごしてください。人間の動物としての節理で、年をとっていくことは止められません。でも、それを恐れる必要はないんです」

 

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