
「更年期は、これから迎える老化の予行演習だと思います」。美容ジャーナリスト・小田ユイコさんがたどりついた暮らし方は
好きで好きで仕方ない、麻薬のような「仕事」をなんとかして続けるために、だましだまし手綱をとってきた
54歳、閉経後。エイジングが顕著に。太りやすくなり、せめてもという感じで家事のあいまに青竹踏み。
「よく、ダイエットを始めても三日坊主でと落ち込む人がいますが、私の場合はすぐに何でも始めてみるかわりに、どうせできる範囲のことしかできないよねとあきらめてもいます。続かないものはがんばらずにすぐ見切りをつけちゃう(笑)。ファスティングもやってみましたが、うまくいかなくても、ま、別にいっか、と。そのかわり、できることを見つけるまでは迷わず何でもすぐ始めます。その中でできることだけを残して、できることの数を増やしていったのです」
運動だって、オリンピックに出るまで極めたいわけではない、楽しみたいだけであり、わざわざ苦労をしたいわけではない。そう合理的に考える小田さんがこのころ出会ったのがマラソンでした。
「ハーフマラソンは激やせした44歳のころに何度か出場していましたが、50代に入ってから香港マラソンに誘われて。北九州マラソンと、港区マラソンにも出場しました。でもマラソンってやっぱり疲れるし、当日に合わせて体調を整えることも必要。出走前の1週間はよく寝ないとならないので、睡眠のコントロールもすごく大変。さらに体重を2~3㎏落として、走る練習もしておかないと22㎞を走り切れない。出場したい気分にも波があるので、気力がうんと上がってがんばれそうなタイミングで出るようになりました」
でも、これは健康維持のためにワークライフバランスを考えて、というようなことではないんですよと小田さん。そもそも、自分を構成する100のうち80が仕事だとして、何が起きても仕事の80の部分を減らすという発想はなかったといいます。
「私はとにかく仕事が大好き。いちばん好きな、好きで好きでたまらない編集の仕事を続けていくため、体調コントロールにもなる趣味を探した、それがマラソンでした。私の体調管理はだましだましという言葉がいちばんぴったりきます。マラソンも、ワークライフバランス実現で趣味エンジョイ!なのではなく、自分に続けられそうな健康維持がこのくらいしかなさそうだな、という見つけ方でした」
その仕事もまた、大空を華やかに滑空することは志向せず、アンバランスでも低空飛行でもいいから、とにかく自分の好きな姿勢で好きな方向へ飛び続けることだけを考えてきました。
「美容分野を深めると、肌が弱い、健康を自慢できる肉体ではない、更年期症状に見舞われるなど『アクシデント』の実体験を持つことがよい取材につながります。不健康が悪いことばかりではないのもこの仕事の魅力。自分が実験材料になって記事を作ることで、多くのかたに共感いただき、わかりやすかった、役に立ったと喜んでいただけるからです」
取材を通じて出会いがあり、知識を得る機会もあります。自分の年齢なり体の変化に合わせて、そのときに知りたいことを調べていくことが楽しいと小田さん。
「私は新しい知識を得ること自体が大好き。自分の頭の中がダイナミックに変化していくこと自体が麻薬のようで、仕事をやめることができないんです。知らなかった!そうだったんだ!という瞬間がうれしくてしょうがない。この脳のワクワクをずっと保ちたいがために、自分の体の手綱をずっと握り、だましだまし走ってきた。いえ、あまりうまく握れていないですよね、でもそのことからも得るものがあるんです」
次ページ▶ところで、更年期っていつ「終わり」ましたか?終わりってはっきり感じるものですか?
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