
「更年期は、これから迎える老化の予行演習だと思います」。美容ジャーナリスト・小田ユイコさんがたどりついた暮らし方は
気がついたら、ホルモン補充療法(HRT)からがんのリスクがほぼなくなっていた! 57歳でスタート
さて、ここのところ、主だった更年期症状は治まりつつあると感じる小田さん。
「更年期って、この波の上下に慣れることそのものなんですね。女性ホルモン量が劇的に落ち、変化を感じる時期ですが、私たちはこれ以降60代70代も引き続き老化を感じていくことでしょう。だからこそ、ドラスティックに変化を迎えるこの40代50代は、これからの老化で起きる変化に慣れるための訓練なのだと私は感じています。抜け毛は続き、水分量も減り、物忘れもひどくなるけれど、そうした変化に慣れていく時期なんですね」
とはいえ、更年期症状がおおむね過ぎ去ったと感じた昨年秋、猛暑のあと涼しくなったのに寝汗がひどくなり、毎晩夜中に目が覚めるようになったそう。慌てず「お、どしたどした」「誰かに聞いちゃお」と女性ホルモン治療のエキスパート・野崎雅裕先生を探し出し、取材しました。野崎ウイメンズクリニック(福岡市)で診療にあたる女性医療の名医です。
「すると、それが夜中のホットフラッシュなんだよと先生に言われて。私は51歳で閉経したので、5年後、つまり56歳で更年期は終わったと思っていたんです。ええ!まだ更年期続きますか?それはちょっとしたショックですよ?って落ち込みました」
それを野崎先生に相談したら、ホルモン補充療法(HRT)がいいよとアドバイスが。以前は踏み切れなかったHRTを57歳にしてスタートしました。
「すると、飲み始めて3日目に寝汗がぴたっと止まって。よく眠れるようになると体の調子もよくなりました。寝汗のきっかけが何だったのかよくわからないままでしたが、この業界は夏にお盆進行と新作紹介が重なってものすごく忙しいので、過労が原因だったのかもしれませんね」
以前はがんリスクが気になったHRTですが、2年前に低リスクの天然型ホルモン新薬が保険適用になりました。天然型黄体ホルモンは3カ月分で約9000円とやや高いものの、5年10年続けるのであれば保険内での選択肢があることは大切です。
「野崎先生に、ホットフラッシュ改善以外のHRTの効能も教えていただいて、女性ホルモンを足しておくといいことがいっぱいあるなと再確認しました。以前から知ってはいましたが、この年齢になり、自分ごととしてトラブルに直面したあとは深刻度が違います」
もしもこの仕事をしていなければ、昔の知識をアップデートする機会もなく、ナチュラルホルモンは高い、保険適用もないと思ったまま過ごしていたかもしれないと小田さんはいいます。
「また、以前は人ごとだった骨や血管のトラブル、肌や髪のうるおい、体の内側からの健康維持が、いまは自分自身のエイジング問題としてリアルに理解できます。いまはまだ必要ないなと感じたことであっても、その後情報に触れ続けることはとっても大事、知っておくことはすごく大事だなとあらためて感じました」
では、小田さんにとってHRTを始めたメリットは? 聞いてみると、ホットフラッシュが治まったことのほか、手足の冷えを以前よりはるかに感じなくなったこと、また、アイデア出しや企画立案など情報を編集する際のクリエイティビティや頭の回転速度が上がっていることを感じるそうです。
「クリエイティビティはこの年代で成熟するともいわれていますよね。以前、脳科学者の黒川伊保子先生を取材したとき、先生は『56歳からよ!』とすごくおしゃっていたんです。もしかして私も56歳からシナプスのつながりがよくなるかも!と期待していましたが、実際HRTを始めたあたりから実感するようになりました。薬の恩恵なのか、56歳という年齢のおかげか、どちらかはわかりませんが、とにかくアイデアを出すことが楽しいし、楽しくありたいとも思います。きっと黒川先生が言っていたことはこういうことなのかなって」
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