【後編】東京大学はトリリンガルだらけ。英語が話せて当たり前なのは、入試での英語配点のせい?
日本語のテストでも中国語で書いてしまうトリリンガル
プログラミングやコンピュータの裏側で何が起こっているのかを学ぶ「情報」の講義では、中国人留学生の大学院生がT A(ティーチングアシスタント 〈Teaching Assistant〉の略)として、学生をサポートしてくれています。
この講義の期末試験では、日本語での穴埋めと論述が出題されました。
クラスメイトのうちふたりがその論述の中の漢字の一部を中国語で書いてしまいました(「幇助」を「帮助」と書いた)。
彼らは日本人と中国人のハーフで、幼い頃から中国語に触れるトリリンガルです(中国語より英語の方ができる)。大学でも中国語の講義を受けているので、反射的に中国語で書いてしまったようです。多言語をあやつれるがゆえの、東大生あるあるだと思います。
試験の重要な部分で中国を用いてしまったため、減点は免れないと怯えていました。しかし、おそらく採点に携わるであろうT Aは全員中国人です。漢字が中国語でも減点されない気がします。案の定、彼らのうちひとりの試験と課題を合わせた成績は100点に近いものでした。
もちろん先生もみんな英語ができる
講義を担当する先生たちももちろん英語ができます。英語の論文を日常的に読むし、学会では英語で発表します。大学院生ももちろん同じように英語を使っているので、英語を理解します。
発音がとてつもなく美しいかというとそれは個人差がありますが、やはり息を吸って吐くように英語ができることが自然となっています。
東大入試でも英語は重要視されている
東大の入試は科目ごとに配点が異なります。英語は120点ですが、文系では社会科目は60点×2科目、数学は80点と、英語の配点が高くなっています。英語の平均点が70点くらいだとすると、英語が得意で100点くらい取れば、他の科目が並の点数でも合格できます。
さらに、試験内容が小論文と面接の試験のみ(文系)の帰国生入試も用意されています。これは主に外国にいた日本人向けですが、優秀な外国語習得者を広く受け入れる姿勢が伺えます。
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