えっ信じられない!精密検査のため受診すると予想外の事実が発覚し、事態は思わぬ方向へ【子宮頸がん日記#2】(前編)
40歳元ファッションスタイリストの子宮頸がん闘病記。子宮頸がんになるまでの経緯や治療法、その時々に思ったことや女性としての生き方などを包み隠さず綴ります。
【連載 子宮頸がん日記#2】前編
がんと思われたのは新しい生命?
長男を出産してから1年後、日本で受けた婦人科検診で、子宮頸がんの精密検査を受ける必要があると言われました。
クリニックから紹介してもらった病院にて、まずは問診表の記入。
- PMSなど気になる症状はありますか⇒なし(夫にイライラするのはPMSでしょうか?ただの不仲でしょうか?)
- 最後の生理はいつですか?⇒先月
- 生理周期は安定していますか?⇒産後1年で断乳して先月初めて生理が来たのでわからない
- 妊娠の可能性はありますか?⇒なし
問診票を提出して尿検査を終えて待合室で待っていると、看護師さんが近寄ってきました。
看護師:あなた、妊娠しているみたいだけどご存じない?
私:えっ!?(断乳後に生理が来たら急に活力湧いてきて1回致しただけなのに……?)
看護師:確かに問診票では先月の生理から40日経ってるから、妊娠していてもおかしくないわね。
私:ということは、婦人科検診で精密検査と言われたのは、妊娠していたからなのでしょうか?
看護師:どうだろうねぇ。とりあえず一旦先生の診察受けてみましょう。
――診察室にて
看護師:この方、婦人科検診後の要精密検査ということでいらっしゃってるんだけど、妊娠されてます。
先生:あ、そうなの?出産するとしたらどこの病院に通う予定?
私:S病院(都内の産婦人科病院)です。
先生:あ、S病院だったら、そっちで診てもらったほうがいいね。これから妊婦検診でまた同じような検査をするだろうし。
なんと。精密検査のために訪れた病院で次男の妊娠が判明したのです。(しかもたったの1回で。そしてこれが後にも先にも元夫との最後の1回。なお、離婚したのはここから8年後なので、いろいろとお察しください。)
緊急を要するような雰囲気でもない医師とのやりとりにより、「妊娠中だったから正常外の数値が出て要精密検査になった」と勝手に解釈してしまったのです。当時の私を殴ってやりたい。
恐怖!妊婦へのスパルタ指導で有名なS病院
出産場所は、長男と同じく、日本にあるS病院を希望。
が、既に拠点はインドネシアだったので、妊婦検診はバリ島で行うつもりでした。
最近の日本の出産事情には詳しくありませんが、今から15年前は分娩予約が非常に取りづらかったのです。
人気の院で産みたいなら、赤ちゃんの心拍確認ができる前の4~5週目の段階で分娩予約するのが当たり前。妊娠に気づくのが遅いと予約時点で満床になっていることも。
当時は「出産難民」という言葉もあったほどなのです。(今のお産状況がどうなっているのか気になります……)
特に私が出産を希望していたS病院は、妊婦に対してかなり指導が厳しいことで有名でした。
今思うと、産婦人科医が足りないなかで、出産リスクが高い妊婦の受け入れを制限し、分娩トラブルが起きた際の訴訟リスクを避けたかったのではないかと思います。
【S病院で産みたい妊婦の心得3箇条】 ※あくまでも私の独断と偏見によるものです
その1.決められた期間内に必ず検診を受けなければならない
妊娠後期、2週間毎と決められている検診に仕事で行けなくなり、2週間と3日になりそうと伝えると、「指定の期間に検診が受けられないなら、うちでは分娩できません」と言われる。半泣きで交渉しても無理だったので、結局撮影の合間に中抜けして検診に通いました。超ロン毛+ヒゲ+全身タトゥーの仲良しロケバスさんが、転ばないか心配だからって待合室までついてきたので、そこにいた妊婦さんたちがギョッとしていたという記憶あり。そんな彼は今も同じ風貌でロケバス界の第一線で活躍中。
その2.全妊娠期間中、体重増加は+6kgまで
体重増加は6kgまでが上限。妊娠初期であろうが後期であろうが1ヶ月に増えていい体重は1kgまで。それ以上増えると助産師からの厳しい指導が入ります。次の検診は、「必ず今と同じ体重で来てください」と脅されます。私は長男の時は+5kgでおさめましたが、パスタの代わりにえのき。お米にはみじん切りにしたこんにゃくを投入してカロリーセーブに必死。ただし、毎回検診が終わるたびにマックのポテトを一心不乱に食べていました。笑
その3.入院できるのは、分娩室行き直前。
出産に備えて早めに入院して、肌触りの良い授乳クッションやおしゃれなパジャマを病室に持ち込む。お気に入りの音楽を聴いてリラックスしながら、愛する夫と手を取り合い、念願の赤ちゃんとご対面。
そんな夢物語はS病院には存在しません。S病院は人気のためか妊婦数が多く、出産間際にならないと入院させてもらえませんでした。私も2度帰されましたが、同時期に出産した方はなんと5度目でやっと入院させてもらえたそう。なお、入院時は大詰めなので、優雅に陣痛に耐えるとか無く、即分娩室行きですのであしからず。
【監修】新見正則医院 院長 新見正則先生
1985年 慶應義塾大学医学部卒業。98年 英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2008年より帝京大学医学部博士課程指導教授。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は乳がん患者に対するセカンドオピニオンを中心に、漢方、肥満、運動、更年期など女性の悩みに幅広く寄り添う自由診療のクリニックで診察を続ける。がん治療に於いては、明確な抗がんエビデンスを有する生薬、フアイアの普及も行う。
https://niimimasanori.com/
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