「息子は4か国語を話します」海外移住が子供に与えた影響とは?『ダーリンは外国人』著者に聞く

2024.01.04 WORK

「ダーリンは外国人」の著者小栗左多里さんと、夫のトニー・ラズロさん、そして息子のトニーニョ君。一家は、2012年から2019年まで6年半をドイツのベルリンで暮らしていました。

ドイツでの暮らしで印象的だったことや、子供の教育について さおりさん&トニーさんに聞きました。

 

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移住が子供の成長に与えた影響

編集部:トニーニョくんは今18歳ですね。4か国語(日本語、英語、ドイツ語、エスペラント語)を話せるようになったと聞きましたが。

 

さおり:トニーニョが頑張ったからこその結果です。トニーも頑張ったなと思います。トニーニョは小学校に入学するタイミングでドイツに移住したのですが、言葉が通じず自分で気持ちを言えないような場所に自分の意思ではなく行かされて、当時はつらく理不尽な思いをしたのではと思います。

しかし今となっては「これだけ喋れるようになったことを感謝している」と言っています。

 

うちと同じように、日本から出て海外で生活している親子にたくさん会いました。そのなかで兄弟でも、上の子は苦労せず3カ国語を喋れるようになったけれど、下の子はなかなか習得できずに苦しんでいるパターンを見ました。

海外移住で子供がどうなるかというのは、その子の素質にもよると思います。あまり向いていないことを無理強いするのも危ないなというのが私の感想です。

 

子供を多言語話者にしたいとき、気をつけるべきことは

トニー:多言語話者には2つのパターンがあります。ひとつは、日本語が唯一の母語であり、連れて行かれた国の言語が第二言語となっているパターン。もうひとつは、0歳からひとつ以上の母語をもつパターン。

 

トニーニョは僕が話す英語と、さおりの日本語を身につけていましたので、後者のパターンなんです。そして、ドイツ語とエスペラント語が、第二言語にあたります。

「ひとつ以上の母語」を持つというのは、必要に迫られて選ぶ道です。親のどちらか、もしくは祖父母が、日本語以外の言語を話しているというようなケースですね。具体的な必要性があれば、そういう計画に入るのも良いと思います。

 

さおり:親がやってほしいことと子供がやりたいことは、一致しないこともままあると思います。そこで嫌がるときにどれくらいおしりを叩くのかは難しい問題です。よく子供の様子を見ながら行うことが必要です。

 

トニー:モンテッソーリの思想を取り入れるのもよいでしょう。子供を興味が持っていそうなことを観察して、それに従って教育プログラムを作り、フォローする。「子供に何が必要か」を見出すのです。

 

オススメの第二言語は?

トニー:日本語に触れて育った人に、私は個人的には中国に(学習の)手を伸ばしてほしいですね。台湾、香港で使われている「繁体字(はんたいじ)」を学ぶと、とてもいいと思います。英語に対するラテン語のような位置づけなので、日本の古い文献や熟語をより深く理解できるようになります。

中国語はまだ「生きている」言語なので、これは「バンザイ」と思っていいところです。是非中国語に触れてほしいです。

 

さおり:トニーニョはエスペラント語を学ぶことに最初はあまり乗り気ではなかったらしいのですが、ドイツではエスペラント語話者の集まりや企画がたくさんあるので、エスペラント語を使いながらボードゲームをする会や旅行に連れていって、遊びながら身につけられました。今では好きな言語だと言ってます。

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