結局、何歳まで働かないといけないの!? 夫婦での老後、独身での老後…生活費ってどれくらいあればいい?【シニア世代データで検証】
シニア世代の就業率はどのくらい?
総務省「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の概要」では、男女・年齢別の就業率の推移が明らかにされています。
出典:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」をもとに筆者が作成
2022年において65~69歳の就業率は、男性は61%となっており半数を超えています。一方、女性についても41.3%と半数近い就業率です。70~74歳に関しても、男性は約40%、女性は25%以上と、低いとは言えない就業率となっています。一昔前であれば、女性は結婚し、専業主婦になるものだと考えられていましたが、現代社会においては60歳代後半の女性も半数近くが働いています。
また、男女ともにいずれの年代においても2015年から就業率は増加傾向にあります。65~69歳の男性の就業率については2015年は52.2%だったのに対し、2022年には61%になっています。また、同年代の女性についても2015年は31.6%だったのに対し、2022年には41.3%という結果です。
近年においては年金受給開始年齢を仕事を辞めるタイミングのひとつの目安としている方が多いです。とはいえ、受給できる年金が生活する上で不十分な方や、社会と直接的につながりたいと考える方は、65歳以上になっても働いています。
【60歳以上の無職世帯1カ月の生活費の平均】夫婦のみの世帯23万6696円、単身世帯14万3139円
総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2022年(令和4年)平均結果の概要」では、65歳以上の無職世帯の平均生活費が明らかになっています。同調査によると、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の1カ月の支出額の平均が23万6696円、「65歳以上の単身無職世帯」の1カ月の支出額の平均が 14万3139円という結果でした。
出典:総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2022年(令和4年)平均結果の概要」
ここで注目したいのが「実収入」と「消費支出」の差額です。夫婦のみの世帯の実収入は24万6237円であるのに対し、消費支出は23万6696円となっており1万円程度の余裕があります。
一方、単身世帯の実収入は13万4915円であるのに対して、消費支出は14万3139円となっており1万円程度の赤字です。
また、上記の調査結果はあくまでも平均ということに留意しておく必要があります。例えば、単身世帯の「食料」は 3万7485円となっていますが、人によって食事量や自炊の有無が異なります。
長年、自炊をしてきた方であれば、1カ月3万円以下で健康的な食生活をおくることができるでしょう。一方、自炊が苦手な方や身体が不自由な方は外食や惣菜購入、宅配サービスなどに頼ることになるために食費が割高になると考えられます。
住居については夫婦のみの世帯の平均は1万5578円、単身世帯の平均は 1万2746円となっていますが、賃貸住宅の場合は地方エリアでもアパートを借りる場合は毎月3万円前後は必要です。
また、高齢になってから生活費がいくらかかるかイメージできないという方は、必要最低限の生活を保障する「生活保護費」の数値が参考になります。単身世帯で生活保護を受給した場合、東京都(1級地)で約13万円、大阪府(1級地)で約11万5000円、愛知県(1級地)で約11万円、福岡県(1級地)で約11万円となっています。
つづき▶【後編】では、シニアになっても働き続ける3つのメリットについてお伺いします。また、働き続けるために必要なキャリアブランについても解説します。__▶ ▶ ▶ ▶ ▶
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