45歳「くしゃみで骨折!?」、花粉の季節はありえます! 【更年期】の骨粗しょう症サインに要注意
くしゃみをすると「肋骨」が痛い!
みえこさん(45歳)は重度の花粉症で、春先になるとくしゃみや咳が止まりません。
「くしゃみが続くのはいつものことなんですが、今年はくしゃみをするたびに、肋骨に軽い痛みを感じるようになってきたんです」
からだを反らしたり、ひねったりすると痛むこともあり、動くのも億劫というみえこさん。
「くしゃみや咳をするたびに肋骨の痛みが強くなるので、外出するのが怖くなって……すっかり引きこもりです」
レントゲンの検査結果は…?
肋骨の痛みが我慢できなくなったみえこさんは、花粉症で通院しているアレルギー内科で医師に相談してみました。
「医師からは肋骨骨折の可能性を指摘され、整形外科を受診することになりました。触診とレントゲンの検査結果、やはり肋骨が折れていました」
くしゃみや咳で骨折するのは高齢者の話だと思っていたみえこさん。
「更年期になると骨がもろくなるんですよ。もしかすると、骨粗しょう症になりかけている可能性がありますね」
という医師の言葉にショックをうけてしまいました。
更年期の女性は骨粗しょう症に注意して
1.更年期の女性は骨がもろくなりやすい
骨は新陳代謝を繰り返しており、破骨細胞が古い骨を壊し、骨芽細胞が新しい骨をつくることで健康を維持しています。
この骨代謝に関与しているのが、エストロゲンという女性ホルモンです。
更年期はエストロゲンが減少するため、破骨細胞の活動が活発になり、骨を壊す作用が強くなります。
一方で、骨芽細胞による新しい骨の形成が追いつかず、骨量が減少して骨密度の低下が生じ、骨がもろくなるのです。
2.女性ホルモンと骨粗しょう症
前述したように、更年期はエストロゲンの減少により骨密度が低下するため、骨粗しょう症のリスクが高くなります。
50歳頃から骨量の減少が顕著になるとされており、閉経後の女性はとくに、骨粗しょう症に注意が必要です。
男性にもエストロゲンはありますが女性よりも少なく、男性ホルモンであるテストステロンは骨形成を促進するはたらきがあります。
そのため、女性よりも骨量が多く骨量の減少が遅い男性は、骨粗しょう症になるリスクが低いと考えられているのです。
また、健康診断の標準メニューには骨密度の測定が含まれていないため、自分の骨の健康状態を正確に把握できていない人も多いようです。
人の骨量は20代前半にピークに達し、その後は次第に減少するため、若い時期に骨量を最大限に増やしておくことが加齢による骨量の減少の緩和につながります。
つまり、骨の健康を維持するためには、年をとってからではなく今からのケアがとても大切なのです。
3.骨粗しょう症の症状と予防方法
骨粗しょう症は、骨の量が減少して骨折しやすくなる病気です。
具体的には以下のような症状がみられます。
・背骨の曲がり
・身長の縮小
・背中や腰の痛み
・小さな衝撃での骨折の増加
骨粗しょう症の予防方法としては、まず、骨の主な材料となるカルシウムやカルシウムの吸収を高めるビタミンDを多く含む食べ物を積極的に摂取するよう心がけましょう。
乳製品や小魚、緑黄色野菜などがおすすめです。
サプリメントやカルシウム強化食品を活用するのも選択肢のひとつです。
なお、年齢により必要なカルシウム量は違います。
12歳から14歳が骨の成長が盛んな時期なので最も多いカルシウム摂取が必要となります。
また、ビタミンDの生成につながる日光浴や、骨を強く保つために適度な運動をすることもおすすめです。
つづき▶【後編】では、更年期の骨粗しょう症予防におすすめの漢方薬、その際の注意点など。更年期のくしゃみ骨折対策についてお話を伺います。__▶▶▶▶▶
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師 清水みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師、JAMHA認定ハーバルセラピスト。製薬企業の研究所員を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。
現在も漢方調剤薬局で薬剤師として在勤しながら「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/
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