「新しいことに挑戦するために、まず動いてみる」。多様な価値観と自由な発想が、ビジネス創出のチカラになる!【「Spark X」とは】

2024.06.07 WORK

価値観が多様化する時代において、従来のトップダウン型での仕事の進め方、サイロ化した組織内での議論や画一的な考え方は限界を迎えています。そんな中、2022年にMUFGが開始したのが新規ビジネス創出プログラム「Spark X」です。

今回は、Spark Xの取り組みを通じて、年次や地域、従事する業務領域などが全く異なる参加者たちが、お互いの自由な発想を認め合い、どのようにしてMUFGが掲げるパーパス「世界が進むチカラになる。」の実現に向けて取り組んでいるのか、紐解いていきます。

 

最初にお話をお伺いしたのは、Spark X事務局の門田さんと丸山さんです。

門田 眞理子 2017年アコム入社。店頭窓口でのお客さま対応や電話による案内業務を担当後、西日本営業部コールセンターで電話問い合わせ業務に従事。2022年からSpark Xの事務局を担当。

丸山 美生 2011年三菱UFJ銀行葛西支店入行。コーポレート情報営業部、ソリューションプロダクツ部を経て、2022年からSpark Xの事務局を担当。

 

―― Spark Xは、どのような背景から生まれたものなのでしょうか。

 

門田 世の中が大きく変化していく中、従来のトップダウン型での仕事の進め方、業態に閉じた議論や画一的な考え方には限界があると感じていました。
MUFGのめざす姿である「主体的に変革へ挑戦できる『真のダイバーシティ経営』の実践」を実現するためには、グループの全社員が多様な価値観と自由な発想に基づいて、活発に意見を出し合うことが求められます。そこで、様々な角度から社員の挑戦と変革を後押しするカルチャーの醸成に向けた取り組みの一環として、2022年にSpark Xを立ち上げました。

 

丸山 Spark Xは、社員が普段お客さまとの接点や生活の中で感じる「社会の“不”(=不便、不満、不利など)」を起点に、MUFGの既存領域に捉われない自由な発想と自身のWill(やりたい、変えたいという意思)をもとに新規事業の創出に挑戦するボトムアップ型のプロジェクトです。いろいろなバックグラウンドを持つ社員がそれぞれ違った角度から自由に考え、行動に移せるということが本プロジェクトの特徴です。

 

――単純に新規事業で新たな利益を追求しよう、という発想ではなく、多様な価値観を尊重し「それぞれの立場だから見える社会の『不』を解決しよう」という発想が非常にユニークですね。

 

丸山 そうですね。ここから生まれた挑戦と変革のカルチャーが、様々な社会課題を解決するアイデアを生み出すことで、いろいろな角度から社会に貢献できるビジネスにつながると嬉しいですね。

 

――社会課題解決につながるビジネスの創出を前提とされている点も、Spark Xの特長の一つですね。

 

門田 Spark Xの名称には、「予測不能な未来(X)に向けて、果敢に挑戦し、新しい時代をリードする火付け役(Spark)となる」という意味が込められています。応募した社員の思いが火種となり、変革の連鎖となるようなプログラムをめざしています。

 

 

ここからは、実際に Spark Xにチャレンジした皆さんにも参加していただき、お話をお伺いしました。

児山 高広 他の金融機関で法人営業などを経て、2018年三菱UFJ信託銀行入社。資産形成推進部(企業型確定拠出年金の新規セールス)を経て、2022年Spark X特別賞を受賞し、2023年4月より現職。

亀澤 政和 2008年三菱UFJモルガン・スタンレー証券静岡支店入社。複数の支店勤務を経て、現在は、新宿支店で未上場法人・経営者・開業医など富裕層のお客さまの運用相談、助言業務に当たっている。

 

――皆さんはなぜ、Spark Xに挑戦したのですか?一歩を踏み出した理由を教えてください。

小野 新規事業をテーマにした社内研修を受けて関心をもったのがきっかけです。クレジットカードを保有するお客さまや加盟店の受電部署の管理者として、日々業務に取り組んでいますが、何か新しいことをやってみたくて。

 

佐藤 私には子どもがいて、日頃から子どもにいろいろな体験をさせてあげたいと思っていますが、普段は仕事が忙しく、なかなかそのプランを作るのも大変です。こういった「不便・不満・不利」に着目して「親子で学べるお出かけ提案アプリ」の事業化を検討しました。もともとセンター業務が長く、普段の業務と違うことをやりたい気持ちが大きかったのももちろんありますが、こうした「不」に着目してアイデアが膨らんできたので、小野さんに声をかけさせていただきました。

 

児山 私の場合、これまでのキャリアは、他の金融機関を含めて法人営業が中心で、数字をずっと追いかける日々。ミッションが明確で分かりやすい業務で、やりがいも感じていましたが、このまま50歳を迎えてもいいのかと、今後のキャリアについて考えていました。2022年の初めは、コロナ禍のためテレワークが多くなり、近隣のお祭りも自粛となるなど、様々なコミュニケーション機会が失われていた環境でした。また、町内会や自治会においては、役員の成り手不足が深刻で、コロナ禍が明けたとしても、お祭りなどのイベントも再開できそうにないとの声を聞きました。住民の立場として、この「不」をどうにかして解消・改善できないかと思っていたところ、Spark Xと出会いました。自分だけで解決するには難しい課題ですが、MUFGという組織を活用すれば、何とかできるかもしれない。そんな思いで、「町内会・自治会役員の成り手不足という社会課題を解消し、年齢層を跨いだコミュニケーションの活性化をMUFGが支援する」、というテーマで応募しました。その後ピボットして、現在の「分譲マンションの第三者管理者サービス(マンション管理組合の理事会が担う業務を、MUFGが代行する)」の事業化検討に至っています。

 

亀澤 私は現在の業務の中で富裕層のお客さまからご相談されることが多く、それを既存の事業の中では解決が難しいと感じていました。既存の事業で解決ができないことそのものが私にとっての「不」でしたし、そんなお客さまの「不」を私がいかに解決できるか。それがSpark Xに挑戦しようと思った一番の理由ですね。またSpark Xは、研修で課題を深掘りするプロセスが本業での課題解決のそれと似ているのも参加した理由です。こうした背景から、前回は「中規模医療法人に特化したM&Aアドバイザー」のテーマで提案しました。

 

――事務局のお二人から見て、Spark Xに挑戦する方たちに共通する傾向はありますか?

丸山 人によって感じる「不」は本当に多種多様で、応募してくれた社員の数分、異なるアイデアで溢れていました。そんな挑戦者に共通している点は「とりあえずやってみよう」「自分ならできそう」「好きだからやりたい」という皆さんの強い意志だと思っています。

 

門田 熱意を感じますよね。実現可能性はともかく、大きな夢を語る方が多いです。新しいことに挑戦したいという情熱に加えて、日々の業務の中で感じている「不」に対してMUFGのこんな力を使えばこんなことまでできる、という広い視野で応募してくださっていると思います。

 

 

――Spark Xの大きな目的の一つが、ダイバーシティ経営の一環として、多様な価値観と自由な発想が生まれるカルチャーを醸成することだと聞いています。Spark Xへの参加とMUFGのカルチャーは皆さんの中で、どのように紐づいていますか。

 

小野 健人 2013年三菱UFJニコス入社。お客さま応対部署に10年超従事し、現場管理や施策推進、業務のデジタル化などに取り組み、現在はお客さまからの盗難紛失受付や加盟店からの売上承認対応などの管理、施策推進を担当。

佐藤 葵 2013年三菱UFJニコス入社。加盟店(法人)業務を経験した後、現在の部署でお客さまや加盟店の応対業務に従事。自身の受電経験業務を活かしコミュニケーターの育成にも注力。

小野 毎日、出社したら何か一つでも付加価値を生んで帰りたいと思っています。何か周囲やお客さまにプラスになることをしたい。成長と挑戦を大事にするMUFGのカルチャーがすごく好きで、何か新しいことに挑戦するために、「まず、動いてみる」ことが大切だと思っています。Spark Xはその一つのきっかけです。

 

佐藤 これまでMUFGのパーパス「世界が進むチカラになる。」という大きな目標に対して、なかなか実感を持つことができずにいました。Spark Xに参加して感じたのは、「世界が進む」というのは、一人ひとりが進むことで生まれるチカラなのかなと。進む速さや一歩の幅は人それぞれですが、挑戦を積み重ねていくことが組織としてのチカラになると感じています。

 

門田 Spark Xという舞台を通じて、社員皆さんの多様な価値観と自由な発想に多数触れることができました。事務局としてきちんとこのプログラムを運営していくことで、MUFGが大切にしているカルチャーをさらに根付かせて、少しでも「世界が進むチカラ」になっていきたいと思います。

 

丸山 初年度は、事務局では100件でもきたらありがたいと思っていましたが、蓋を開けてみれば開催2期までで累計1,000件を超える応募がありました。これだけの熱量ある社員がMUFGにいて、こんなに応募してくれていることに驚いています。この数字だけでも企業として変わろうとしているカルチャーが根付きつつある証だと思っています。

 

 

――今後、この経験をどう活かしていきたいか、お聞かせください。

 

小野 挑戦はずっと続けていきたいです。そこにスピードも付け加えることで、自分が会社の発展に寄与できればうれしいです。MUFGには誰もが挑戦できる文化があり、協力してくれる情熱的な仲間がいます。普段の仕事とはちょっと違う新しいことに社員皆でどんどん踏み出していきたいです!

 

佐藤 優秀で多様な考え方を持つ皆さんの手を借りない手はないですよね。私もプレーヤーとしてまだまだ頑張りたいですし、同時に周囲に対して無理のない範囲で背中を押してあげられる存在でありたいです。

亀澤 Spark Xでの挑戦は、本業とは別の形で成長をもたらしてくれました。これからも成長できることを楽しみつつ、お客さまの課題を解決していきます。

 

児山 現在進行中の事業化プロジェクトはいくつもの高いハードルがあるチャレンジングなものです。でも、やらなかった後悔よりもやった後悔の方が納得感もありますし、このチャレンジを学びにまた歩き出せばいい。そういう選択肢が用意されていることをありがたく思います。

 

門田 アコムでも独自の新規事業コンテストを進めています。やりたかったことができるかもしれない、と希望に満ちた思いで前に進もうという人たちを支えていることが私のやりがいです。挑戦する職場文化づくりはこれからも追求していきます。

 

丸山 何かに挑戦した人がたとえ失敗しても、挑戦したプロセスが評価される、加点主義の職場になれば、もっと若い人たちも思い切って、Spark Xに挑戦してくれると思います。単調な毎日を変えたい、何かを変えたい、やってみたいという気持ちがあれば、誰でも挑戦できる環境を創っていきたいと思います。

 

ここまでは、MUFGのSpark Xの参加者の皆さんの声をお届けしてきました。

こうした民間企業の取り組みに加えて、経済産業省主導で、多様な挑戦者を応援する起業家育成・海外派遣プログラムも始動しています。

 

 

J-StarX

“J-StarX”は、次の時代を切り拓く起業家の登竜門として、グローバルマーケットへの展開を前提に、アイデア創出から、事業戦略策定、ピッチスキルまで、起業や世界を舞台に活躍する起業家となるために必要な知見・スキルを得られる機会を提供するプログラムです。また世界各地の先端的なスタートアップエコシステムに接続し、起業・海外展開に活かせるネットワーク形成も支援しています。

詳しくは、こちらへ
https://j-starx.jp/about/

 

次回以降の記事では、J-Star Xにも参加した女性起業家のインタビューも予定しています。

 

 

【Not Sponsored記事】

スポンサーリンク