「スカートはきたくない」と娘が告白。入学する学校に掛け合ってみたら、予想外の展開に! ~中編~
“多様性を認める社会”への変化を実感
長女の気持ちを聞くことで「男だから」「女だから」と分けられることに違和感があったことは、よくよく伝わりました。
だからこそ、女子生徒用のスカート制服を強要することは、きっと彼女に大きなストレスを与えてしまうだろうと思い、中学校に直談判をすることを決意!
早速電話してみました。
「あのぅ……今年4月に入学予定の女子生徒の母ですが、本人が男子制服を希望しておりまして、許諾頂けるかどうかお願いしたくご連絡しました」
「はい!いいですよー」
なんと、ひとつ返事! 思いのほか軽やかな快諾でした。
なんでも、ジェンダーレス制服を導入している学校が徐々に増えてきており、当校も今後は検討しているとのこと。家庭からの希望があれば、女子用の柄スカートの生地をスラックスにした制服を導入するので、学校指定の制服専門店へ相談してくださいとのことでした。
また、この学校で女子生徒がスラックスタイプの制服を着て登校する事例は初めてになるため、生徒間で問題になるようなことがあれば、多様性やトランスジェンダーのことについてもしっかり指導していきたいと約束をしてくれました。なんて頼もしいこと!
ADHDの特性!?制服に対するこだわりの強さ
長女の学校で初のジェンダーレス制服を着る生徒になるから、少なからず注目されるだろうけど、きっと安心してくれるはず。そう思った私は早速長女に報告しました。しかし、長女からは意外な返答が……。
「ママが学校に相談してくれたのは嬉しいんだけど……ちょっとそういうことじゃないんだよね」
んん? どうゆうこと!?
「女子だから女子用に作られたスラックスタイプの制服を着るのであれば、何も変わらないんだよ。そもそも女子用スカートの柄の生地でつくられたスラックスってダサくない? しかも、スラックスに襟元がリボンだったら草。そこはネクタイじゃないとやだな~」
「草」……って笑っている場合じゃないだろう~!!
彼女のこの考えは、性に対する違和感からくるものなのか、ファッションのこだわりからくるものなのか、さっぱり分からない私。
とにもかくにも、行動に起こさなければ!
すぐさま親子で学校指定の制服専門店に行き、相談したところ「この子がトランスジェンダーであれば、男子生徒用を着るべきだ」と、もっともなことを言われました。
スカートが嫌だ、スカート柄の生地でつくったスラックスも嫌だとなると、やっぱりトランスジェンダー?服装や言葉づかいから、男の子だと間違えられることもあるけど、果たして本当にそうなのかな。……まだ分からないけど、制服は選ばなきゃいけない。
ほかにも、一見違いが分からないブレザーは、男子用だと左前身が上、女子用だと右前身が上になるそう。これを見た長女が「女子用のブレザーの方が4000円安いから、ブレザーは女子用でいいよ」といらんことをポツリ。
お店のご主人は「こだわってたんじゃなかったの!?」とつっこむし、なんだかコントを観ているような騒々しい現場に。
これは性の違和感ではなく、ADHDの特性であるこだわりの強さなのでしょうか……。
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