年下男性が42歳の私の体に夢中になる「喜び」そして恐怖…異常な関係がたどり着いた末路は(後編)
尾を引く「リスク」をどう処理するか
佐知子とは、「平日の夕方、仕事が終わってからどこかのコンビニの駐車場で待ち合わせをする」と決めた。これがギリギリの譲歩であって、男性のほうからふたりきりで会うことを持ちかけられたらきっぱりと断ることも、佐知子は「絶対にそれはしない」と言い切った。
会えばどうなるのか、佐知子は「よりを戻すつもりはない」ことを改めて話すと言った。別れたときに「これからは元の関係で、業務に過去を持ち込まないこと」を男性には伝えていたが、自分のその言葉を今まできちんと守っていることが佐知子の強みだった。
つまり、別れたのに駄々をこねて復縁を求めているのは男性の側だけで、佐知子にはその気はまったくないこと、「でも仕事についてはこれまで通り私情を排して臨む」こと、矛盾を抱えない状態で佐知子は男性と対峙できるのだ。
会えば求められる「次の接触」を、きっぱりと断ち切るのが目的の逢瀬だった。「不倫をしていたことを、今は本当に後悔している」と繰り返す佐知子の言葉に嘘はなく、お互いに社会人なら自分の安全や安心を守ることも、考えないといけない。男性の甘さはどこかで切らない限り、次はもっと極端な方法に出る危険性があった。
「あなたにも前に言われたけど、不倫ってリスクね。本当にわかるわ」
ふう、と息をつく佐知子の声は、かけてきたときより上向きの響きがあった。リスクをわかっていて選んだのは自分であり、責任を取るのも自分しかいない。「尾を引く危険は不倫にはつきものなのだ」と、始めるときに考える人はおらず、こうやって終わりを迎えてから改めて自分が身を置く現実について知ることになる。
人に言えない関係をどう扱うか…。終わってからその人の本心が出るのかもしれない、とふと思った。
▶▶:年下男性との情事。リードしていたのは私だったけれど…
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