似合う髪型に出合えないのにはワケがある!20年間で約4万人のヘアチェンジに携わったプロが語る意外なオーダーの極意とは?
顔と髪質に似合うだけではダメな理由
――さとゆみさんの著書『女は、髪と、生きていく』を読ませていただきました。本に書かれていた「褒められたら嬉しい言葉を20個書く」ワークをしたら、急にショートヘアにしたくなって、今すごく髪が切りたいです。あのワークはどんな経緯ではじめられたのですか?
『女の運命は髪で変わる』が出版されたあとに考えたんですよね。書店や商業施設でイベントをすることになり、せっかくお客さんに来てもらうなら、話を聞いてもらうだけでなく、明日から役に立つことがしたいと思って。
多くの女性から髪の悩みを聞いて気が付いたのが、顔や髪質に合う髪型をしているのに「似合う髪型に出合えない」と悩む人が多いこと。眉の長さでまっすぐに切った前髪なら「幼い」「若い」、かきあげる前髪なら「大人っぽい」「色っぽい」のように髪型にもキャラクターがあります。自分がどんな人でありたいかと髪型のキャラクターを一致させることが大事。美容師さんは髪のプロなので顔や髪質に似合う髪型にしてくれます。でも心が読めるわけではないので、自分がどんな人でありたいかは自分で伝えるしかないんです。
そこで、美容院で髪型をオーダーするときにどう伝えたらいいか考えるワークを作りました。かっこいい、可愛い、仕事ができる、おしゃれ…など、自分が褒められたら嬉しい言葉を20個書き出します。そこから大切だと思う3つを選ぶと、自分がどんな人でありたいかがはっきりするはず。それを美容師さんに伝えたら、心に似合う髪型にしてもらえると思います。
――美容院で「可愛くしてください」と言うのが恥ずかしい方もいますよね?
イベントでこのワークをすると「自分のことなんて最近考えていなかったから言葉が出てこない」と涙ぐむ小さな子どものいるママさんや「可愛いなんて書いたらダメだと思ったけれど、可愛いって言われたい」と泣き出す人もいて。でもね、みんな可愛くなっていいんですよ。私も「可愛くしてください」とは言えないタイプでした。
――ご自身も言えないタイプだったんですか?
自分は可愛くないと思って生きてきました。美容師さん向けの講演をしていたときも自分には無頓着で、参加してくれた美容師さん達から「髪のブローくらいしたら?」と言われてしまうほど……。でも当時は「ライターは裏方の仕事だから、見た目のことには触れないで」と心にバリアを張っていたように思います。服装も体のラインを隠す服ばかり選んでいました。初めて書籍を出すのが決まったとき、担当の編集者さんに「自分の見た目にも責任をもって」と言われて。たしかに『女の運命は髪で変わる』という本を出すのに、髪がぼさぼさのままでは説得力がないなと一念発起。自分の髪や服装にも気を使うようになりました。最近はきれいですね、若いですね、と褒めてもらうこともあって、ありがとうございますと素直に受け取るようにしています。
人は自分を扱うように、人にも扱われる
――さとゆみさんが、モテ髪師の大悟さんの言葉として紹介していた「人は自分を扱うように、人にも扱われる」という言葉、素敵ですね。
いい言葉ですよね。心に似合う髪型にすると自分に自信が持てるようになるはず。そうすると、周りの人からも大切にされるようになると思います。だから、髪には人生を変える力があると思っています。
さっき「すごく髪が切りたい」と言っていたけれど、いつもどこで髪を切っていますか?
--友達のところです。もう20年くらい通っています。
信頼している美容師さんがいるなら安心ですね。「褒められたら嬉しい言葉を20個書く」ワークをして髪を切りたくなったのなら、きっと自分が変わりたいと思っているとき。今の髪型も素敵だけど、心に似合う髪型にするのがいいと思います!
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佐藤友美(さとゆみ)
1976年北海道知床半島生まれ。日本初のヘアライター。「美容師以上に髪の見せ方を知っている」とプロも認める存在で、テレビやラジオ番組でも活躍。著書にベストセラーとなった『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版)『髪のこと、これで、ぜんぶ。』(かんき出版)など
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