イライラが止まらない人。「怒り」の上手な解消方法とは
職場の40代女性がいつも怒っている、すぐキレる、そんな相談をよく目にします。また、40代の独身女性やママ達と話をすると「しょっちゅうイライラする」という話題がよく出てきます。「もしかして、更年期に入ったんじゃない?」とでも言おうものなら、「私まだそんな年じゃないし!」怒りの矛先はこちらに。その怒り、言葉選びで解決してみませんか?
「もしかして、更年期?」その言葉こそチャッカマン
医学書などによると、更年期の時期も長さもまた症状も人によって違い、40代の女性なんてくくりにすると、それはまたそれで間違いなのですが、それを考慮しても、女性の体は確実に若い頃とは違ってきます。それは男性でも同じです。人間は生き物ですから、ホルモンのバランスが崩れると、心にも影響がでます。それは致し方ないことですが、だまって時が過ぎるのを待つのも、もったいないことですよね。
色々な要素が組み合わさり、許容レベルが下がる年頃
また、20代、30代の時のように、若さを武器に周囲に働くこともままならなくなり、女性としてというよりも人間として問われる機会も多くなります。結婚している人もしていない人も、子どもがいる人もいない人も、それぞれに「個人として」見られる機会が増えてくるのもこの時期。
例えば周囲の少し悪意のある言葉に対し、「そんなこと言うなんてひどーい」とか「えー、ばっかじゃないの?」などと返せなくなる年齢です。周囲で巻き起こる出来事に対し、冷静沈着でいられる余裕を持ちたいところですが、このように微妙な変化があり、さらにホルモンバランスが崩れるとなると、相手を許す許容レベルが下がる年代でもあります。
言葉を知らないと強弱を付けるしかない
以前、自分の気持ちを、的確に言葉に表すことができないと、暴力に走るというコラムを書いて、好評を得ました。対象は中高生だったのですが、子供たちのコミュニケーション事情として
- 語彙が少なく、自分の気持ちをことばで伝えるのが苦手
- 相手の立場を思いやることが足りず、悪気が無いのに傷つけることを言ってしまう
- 友達同士の揉め事で、口げんかすらせずに、いきなり手が出ることが多い
というものが挙げられます。
この3に着目で、最近の子供たちは、口げんかができないという特徴があります。
- どんなに傷ついたのかが言えない。
- どんなに怒っているのかが説明できない。
つまり、伝えたい気持ちを言葉に変換できないのです。その結果、強く出る子は、言葉ではなく力で出てしまうし、弱い子は引きこもってしまうのではないかと考察します。
大人も同じで、自分の気持ちを言い換える言葉を知らないと、声の大きさで表現するしかなくなります。
不条理なことが起きた場合「信じられない」という語彙しか言えない人は、「信じられない……」と小声でつぶやくか、「しんじらんなーい!!!」と大声で叫ぶか、少ない語彙に強弱を付ける方法でしか自分の気持ちの辛さを表現できません。だんだんそれで通用する世の中になっていく懸念もありますが、ここを人間らしく言葉で解決できたらスマートですよね。
こんなにある「怒り」に関するワード
「頭にきた」という言葉一つとっても、言い換える言葉はたくさんあります。
ムカムカする ・ ムカつく ・ ムカムカさせられる ・ イライラさせられるような ・ 苛立ちを覚える ・ イライラさせられる ・ イライラする ・ イラつく ・ 苛々する ・ ムカっとする ・ カチンとくる ・ カチンと来る ・ イラッとする ・ 怒りを覚える ・ カリカリする ・苛立つ ・ 気が立つ ・ いら立つ ・ 気に障る ・ イラッとくる ・ ムッとする ・ 腹の立つ ・ 腹立つ ・ むかっ腹の立つ ・ 頭にくる ・ イラ立つ ・ イラだつ ・ 腹立たしい ・癪にさわる ・ 目に角が立つ ・ 胸クソが悪い ・ 腹が立つ ・ 頭に来る ・ むしゃくしゃする ・ むかっ腹を立てる ・ 憎らしい ・ 憎たらしい ・ 怒りがこみ上げる ・ 角を出す ・ 癇に障る ・ かんに障る ・ ムカッとくる ・ 虫酸が走る
出典:Weblio類語辞書
例えば、最近一番「頭にきた」ことは何ですか?その感情は、上の一覧のどの言葉が一番相応しいと感じますか?
また「頭にきた」はずなのに、表現の段階で「悲しくなった」「失望した」など、他の言葉を選ぶ場合も多いです。そうするとまたさらに言葉の選択肢は増えます。
自分が不快に思っているということを言葉で伝える
逆のパターンを考えると分かりやすいのですが、あなたが何か相手の気に触るようなことを言ってしまった時に、相手に「そんなこと言うなんて、頭にきた」と言われるのと、「そんなこと言うなんて、癪に障るわ」と言われた時では、対応が変わってきますよね。さらに「そんなこと言うなんて、悲しくなるわ」となると、またイメージが違います。
何も怒りに限ったことではありませんが、このように、より相応しい言葉を選んで話すことにより、気持ちが伝わりやすくなります。人間の言葉はコミュニケーションの為にあるのです。言葉の目的に「記録」というものもありますが、記録も過去の人や未来の人とのコミュニケーションですよね。
自分にあった気持ちを切り替えるポジティブな言葉も用意する
じっくり言葉を選んでいるだけで、少し冷静さを持てる言葉探しですが、どうにも気持ちが切り替わらない場合、自分だけの魔法の言葉を用意するのもテです。特に特別に宗教を持たない人の場合、心のよりどころを言葉に持つのも良い方法です。
こちらは逆に1語2語にしぼった方が良いでしょう。何を選ぶかは、本当に人それぞれ。
「なるようになる」と投げ出す方が楽な人もいますし、
「あの人はそれ相応の罰を受ける」なんて考え方もあり。
「これは神様がくれた成長のチャンス」と言える人もいれば、
「あの人も可愛そうな人なのだ」と寄り添える人もいるでしょう。
怒りのピークが過ぎるのを待ってからでいいので、自分の怒りを冷静に言葉で表現して気持ちを落ち着かせ、気持ちを切り替える言葉で自分の心を守る。そうしてできた余裕こそ、ちょっぴり怒りっぽくなりがちな40代女性に必要な物なのかもしれません。
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