やりがちな「〇〇食べ」はNG。腸内で短鎖脂肪酸を作って、太りにくいカラダにするためには?(後編)

ビタミンB1も必要

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食物繊維や短鎖脂肪酸以外の栄養素や食品成分も腸内細菌の機能や多様性と関わっていることも分かってきました。なかでも注目されているのはビタミンB1です。

 

ビタミンB1は、短鎖脂肪酸の一つ、酪酸を作る酪酸産生菌を増やします。しかし、腸はビタミンB1を作れないので、私たちが食事から摂取したビタミンB1を使って増えていきます。食物繊維を摂取するだけでなく、ビタミンB1が足りているかどうかも考えてみてください。

 

ビタミンB1は豚肉や鶏レバー、豚レバー、ウナギなどにたくさん含まれていますが、必ずしも肉から摂る必要は無く、玄米やそば、大豆やブロッコリー、しめじなどにも含まれています。大豆といえば納豆ですが、納豆菌は菌のリレーの第一走者でもありますし、食物繊維やビタミンB1も豊富。腸活にはうってつけの食品です。

 

 

味噌や酒粕などの発酵食品を食べるのも「腸活」

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食物繊維を摂取すると、それが大腸に届いて菌のリレーによって発酵が起こりますが、それを食品の中でしているのが発酵食品です。菌のリレーの中で代謝物を作れない人は、発酵食品で代替えしてください。

 

発酵食品の中にはプロバイオティクスの菌もいて、食品なのでプレバイオティクスもあり、発酵しているのでポストバイオティクスができています。自分の腸の中で発酵させるのも腸活ですし、発酵食品を積極的に摂るというのも、また違う形での腸活になります。

 

 

今後、注目されるブラウティア菌

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まだ研究中ですが、日本人の肥満を抑制できる可能性がある腸内細菌「ブラウティア」を発見しています。この菌も大麦のβグルカンなどの発酵性食物繊維を好むようです。

 

私たちは、日本人1万人の腸内細菌を調べてきました。その中で、日本人の肥満と関連する腸内細菌を探索し、肥満でない健康な人で割合が多い腸内細菌の1つがブラウティアでした。

 

そこで、このブラウティアをマウスに摂取させて、マウスの体重変化と内臓脂肪の蓄積量に与える影響を調べました。高カロリーなエサを与えたマウスは、通常よりも体重が増加し、肥満となり、多くの内臓脂肪が蓄積していました。しかし、週に3回、ブラウティアを食べさせると、体重の増加が緩やかとなり、内臓脂肪の蓄積量が減少しました。

 

このような研究データから、ブラウティアは肥満を予防してくれる腸内細菌かもしれないと考えています。ブラウティアを摂取しても痩せる訳ではないのでご注意ください。太りにくくなると考えています。

 

今後の課題として、私たちがブラウティアを摂取した時に、マウスと同じ効果が発揮されるか確認する必要がありますが、現在、このブラウティアを増やすための食材の探索や、ブラウティアを使った製品の開発などにも取り組んでいます。

 

 

>>肌の若々しさにも、腸内細菌叢は大きく影響をもたらす!

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