「妻とは別れる」既婚医師の甘い言葉にほだされ妊娠してしまった…。34歳看護師の転落劇とは(後編)
看護師という職業柄、見てきたもの
莉子さんは看護師という職業柄、虐待された子や育てることができない親たちをたくさん見てきているので、自分もそうなるのではないかと不安だったそうです。産むことで「かわいそうな子ども」にしてしまうのではないかと…。親が子どもを殺したという事件をニュースで見るたびに自分を重ね合わせていたのです。
莉子さんは「このままじゃ不幸になるかも。子どもを産んだはいいけれど、援助もなく、お金もなく、働くことができず、途方に暮れることになるかも。私一人なら、まだ人生をやり直せるんじゃないかしら」と考えるように。
そうこうしている間に妊娠3ヶ月目に入り、莉子さんは最終的な判断を下すことになりました。
「この3ヶ月は本当に短かった…。もっともっと彼と話し合いたかったし、妊娠したことが、やっぱりどうしても嬉しかったので。少しでも赤ちゃんと一緒にいたかったら。私の子を手放したくなかったから」
莉子さんはそう言い残すと中絶手術を受けることを決め、翌日には病院に行きました。
それから数日が経過し、莉子さんは筆者にメールを送ってきました。
「圭太はいろいろ言葉を並べていたけれど、行動に移すことはなく、弱い人なんだなと感じました。言ったことを行動に移して欲しかった…せめて半分でも父親としての責任を持って欲しかった」と。
父親以外の男性に子どもを育てさせることを俗に「托卵」といいます。今回の場合、子どもの本当の父親は彼ですが、何も手続をせずに出産すると、戸籍上の父親は「夫」になります。莉子さんが夫に何も話さず、夫婦の子どもとして育てれば、それは「托卵」ということになります。現在、出産時に夫と赤子のDNAを鑑定することは義務付けられていません。そのため、子どもの父親が夫ではないケースも一定数、存在するでしょう。
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