「私は死ぬならガンで、と思っています」私たちを救ってくれた看護師の言葉。父が「すい臓がんで余命3カ月」という現実を、家族全員が受け入れるまで

やっぱり「ダブル介護」は難しい。我が家が乗り切れたのは?

ここで少し、お義母さんの話を……。父が「すい臓がん」にり患して以来、まるでその様子を見ていたかのように、お義母さんからは一切連絡がありませんでした。

 

「軽度~中等度の認知症」と診断を受けているお義母さんは、我が家の近くにある高齢者専用住宅で暮らしていましたが、次第に料理や洗濯などの家事に不自由さを感じ始めるようになります。本人の希望もあり、ちょうど1ヶ月前に近隣の「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」(介護型)に引っ越しをしたばかりでした。

 

引っ越し直後は、夫と私が週に数回訪問。部屋の中は片付いてきましたが、その後も毎日のように連絡があり、「テレビのリモコンがない」「腕時計が見当たらない」など「無くし物」が多発(実際はある)。そのたびに「前の家に置いてきた?」「引っ越し業者の方が持ち帰った?」などと口にし、最終的には「田舎に帰りたい」というオチで、その繰り返し(涙)。

 

しかし、お義母さんにとって「環境が変わる」ということは、たとえ本人の希望であっても、不安が大きかったはず。特に認知症の場合、変化に順応するのが難しいと言われているため、この状況は仕方なかったのかもしれません。

 

ある日、夫が義母宅を訪れると、私に頼む予定の買い物のメモがあったそう。さらに、「段ボールの中から真由美さんのものが大量に出てきたの(そんなハズはない)。来週でも来るように言ってくれる? 電話もこないし、忙しいんでしょ」と、何だかご機嫌斜め。このままでは感情が爆発すると感じた夫は、やむをえずお義母さんに父の様子を伝えました(余計な心配をし、お見舞いに行くと言いかねないので、本当は当分話さないつもりだった)。

 

▶父の余命を伝えたことで認知症の義母は…

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