40代の目の下のくすみやクマ。治せるのでしょうか?【皮膚科医に聞く♯4】

【質問】目の下のメイクでカバーできない黒ずみ、どうにかできますか。

若い頃から目元が暗い印象と言われがちでしたが、40代後半となった今では目の下にくすんだような影ができ、どうしてもとれません。もうメイクでもカバーしきれない年齢になりました。これはクマですか? それともくすみでしょうか? また最近、涙袋もたるんで来た気がします。どうすればいいか教えてください。(埼玉県 会社事務 47歳)

 

原因は色素沈着や目の下の皮膚の薄さなど人によって様々

アイメイクをしっかりとしている人は、目の下にくすみが出やすいと言えます。それはメイクするときも落とすときも目の下をこすってしまうから。するとその部分に細かい炎症が起きてしまい、色素沈着してしまうんです。これがメイクをしていなくても目の周りが茶色く見える一番の原因ですね。

 

あとは元々下瞼の皮膚が薄い人はクマができやすいです。と言うのは、下瞼にはたくさんの細い血管が通る場所なので、その上の皮膚が薄いと血管が透けてしまい青いクマになって見えるのです。

 

そして涙袋が大きくなって、それが影を作ってしまう人。これは残念ですが老化が大きく関係しています。年齢とともに目の周りの筋肉が緩んでしまい、眼球を支える力が弱くなってしまうと目の下の皮膚がぷくーっと出てくる。このたるみが涙袋なんですね。同様に皮膚の張りも老化とともに弱くなっているので、なおさら涙袋が影になり目の下が黒く見えてしまいます。

 

自宅ケアはアイケアが必須。塗ると塗らないじゃ10年後に雲泥の差!

目の下はとても薄くて乾燥しやすいデリケートな場所なのでアイケアは絶対必要です。寝る前、メイク前にはアイクリームを塗ること。

 

アイクリームとひとことで言っても、最近は乾燥を防ぐもの、血行を良くするもの、ビタミンCが入っているものなど様々。種類がありすぎてどれを選んでいいか迷ってしまいますが、大事なのはUVカット効果があるものを選んで、まぶたや目の下のキワまでしっかり塗ること。

 

また保湿効果の高いものを選べば乾燥によるちりめんシワを防ぐ効果もありますし、できてしまったちりめんシワも1ヶ月クリームを塗ることでかなり改善されると思います。そして毎日塗ることが何より大切!

 

高価なアイクリームをちょっとずつ塗るより、リーズナブルなものを毎日しっかり塗る方が効果的。塗ると塗らないじゃ10年後に目元のハリに圧倒的な差がついてしまいます。

 

目の下の乾燥は食事で改善できる!

血流を良くすることがアイケアにとっても大事なので適度な運動や冷え管理も毎日の習慣にしたいことのひとつです。それと同時に気をつけたいのが食事。

 

積極的に取りたいのが皮膚の細胞膜や皮膚膜を作るといわれる不飽和脂肪酸の中のオメガ3。アマニオイルやごま油といったαリノレイン酸と、DHA、EPAといった魚の油の2種類です。逆にごま油やサラダ油などのオメガ6は取り過ぎと言われていて、過剰になればなるほど炎症を起こしやすいので、皮膚が乾燥したり痒いときはオメガ6のバランスが高くなっていないか注意してみて。

 

高いなと感じたら使っているオイルをオメガ9のオリーブオイルに変えるなどしてオメガ6のバランスが下がるように意識することも大切です。

 

クリニックのケアはカウンセリングが最重要

目の下がくぼんでいるだけであればヒアルロン酸を入れて目立たなくすることもできますが、すでにたるみきっている場合は余計涙袋を大きくしてしまうのでオススメできません。また目の下の脂肪が前に出ていて、目の周りの筋肉を押している状態なら目の下のたるみを少し切って脂肪を取った方が効果的なこともあります。

 

くすみだと思ったら肝斑だったいうこともあり、その場合はレーザーが効果的。このように目の周りの判断はとても難しいんです。ですので大事なのはカウンセリング。1人の先生にお任せするより、何件かクリニックを回って自分がコレだなと思える施術を選ぶことが大切です。

 

魔法の施術はないから、何を選ぶかは自分次第

美容治療は人によって受けたり受けなかったりしますが、だからこそ大切なのは何をどうしたいのかという明確な思いです。何に困っていて、何をしたいのか。ダウンタイムが合っても大丈夫なのか、長期で通えるのかなど。痛みもゼロでお金もかからず、あっという間に綺麗になれるなんて魔法の施術なんてないんですから。

 

そして前にも話しましたが結婚式や同窓会など大きなイベントの前に悩みを解決したいのであれば、遅くても半年前までには行動を。一番困るのは「どうすればいいですか?」という漠然とした方。何をチョイスするかは自分次第なので、自分はどこの部分をどうしたいのかというように悩みを細分化することから始めてくださいね。

 

 

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お話・友利新先生

皮膚科医・内科医

日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚化学会会員、抗加齢学会会員

沖縄県宮古島出身。東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。現在、都内2か所のクリニックに勤務の傍ら、医師という立場から美容と健康を医療として追求し、美しく生きる為の啓蒙活動を雑誌・TV などで展開中。2004年第36回準ミス日本という経歴をもつ、美貌の新進医師。美と健康に関する著書も多数あり、近著に『0歳からのスキンケア』(イースト・プレス)がある。

(取材・文/根本聡子)

 

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