鏡の前で目を見開いてみて!眉も上がった人はこのシワに注意【皮膚科医に聞く♯5】
【質問】表情じわと呼ばれる目尻や眉間のシワがどんどん深まっていきます。
最近、友人からスマホで撮った写真を転送してもらってびっくり。私ってこんなにシワが深かった? 気にし始めると、特に笑ったときの目尻のしわや眉間、額のしわがものすごく深まったようです。特に、写真では目の周り全体のしわが濃く目立ちます。これってどうしたらいいですか。家でのスキンケア、習慣づくり、またクリニックケアなど、深くなっていくのを進行を遅くするにはどんなケアがいいでしょう。(千葉県 店舗経営 45歳)
目尻のシワは保湿ケアを続けることで改善できる
笑ったときにできる目尻のシワは何も悪いものではないですし、保湿ケアで比較的簡単に良くなります。目の周りは皮膚が薄くてとてもデリケートなのでUVの刺激も受けやすい。ですから毎日メイク前、お風呂上がりなどしっかりと保湿クリームを塗ること。
このとき、力を入れてゴシゴシ塗るのは逆効果なので気をつけてくださいね。
また目の周りは一日何千回、何万回と動く場所なので筋トレなどは必要ありません。スキンケアアイテムでいえばシワに効果的なレチノール酸入りがオススメです。
眉間やおでこのシワは完璧なるクセ! 折り目がつく前にケアを
眉間やおでこのシワは普通にしていたらできないものです。それがシワになるということは、何かしらクセがつく動きが習慣化されているということ。まず鏡を前にして目を大きく開けてみて下さい。このとき眉毛が上がった人は要注意。
普通は目の奥にある筋肉を使って目を見開くようにしますが、それができずに眉毛をあげることで目を開ける人がいます。日本人には比較的そのタイプが多いのですが、するとおでこにシワができやすくなってしまいます。
また目が悪い人や困った顔をよくする人が眉間にシワができやすいのも同じこと。家でできるケアとしては表情クセをつけない練習が第一です。目を開けるときにおでこにシワができてしまう人はおでこに手を当てて、動かないようにしてから目を開ける練習を。
眉間にシワを寄せてしまう人は意識することから初めてください。40代頃に眉間やおでこのシワを気にする方が増えているのですが、それは積み重なった折り目が目に見えるように深くなったということと、目が悪くなったり目の奥の筋肉が使いにくくなることで眉間にシワが出やすくなるからだと思います。
とは言え、これらのシワは年齢にまったく関係なく、表情のクセの積み重なりなのでまずは習慣を治してクセをつけないように心がけましょう。
ボトックスで強制的に動かなくするのも手
服についた折り目がキツくなればなるほど治らないのと一緒で、顔のシワも早めにケアするのが大事。クリニックでは眉間やおでこのしわにボトックスを打ち、強制的に動かなくする方法が一般的です。動かなくすることでクセが付きにくくなるので、結果シワにもなりません。
ただ、すでに深いシワになってしまった場合は溝を埋めるための施術が必要。ヒアルロン酸を注入して肌の溝をなくす方法が一般的です。ヒアルロン酸は1回5〜6万で、効果は1年未満。効果が消えると再度注入しなくてはいけないので、クセが付く前にボトックスを入れ、表情クセを治すことをオススメします。ボトックスの費用もヒアルロン酸と同様で1回5〜6万、効果は半年から7〜8ヶ月です。
ボトックスが打てない人もいるのでまずはカウンセリングを
眉間や目の周りのシワが深くなり、カウンセリングに訪れる人の中でたまにいらっしゃるのが眼けん下垂という病気の方。眼けん下垂とはまぶたをあげる筋肉とそれを動かす神経に異常がおこり、まぶたがたるんだり眼球が萎縮したりする病気です。
これは先天性のものが多く、両目に現れる人もいれば片目だけの方もいるのですが、年を取ってから発症する場合も。いわゆる加齢によりまぶたが重い、開きにくいという症状で病気だと気付いていない方も多いです。その場合、ボトックスは打てないのでまず眼けん下垂のオペが先となります。
黒目の一部が隠れて丸く見えなかったり、眉毛の角度が不自然に上がってるという人は眼けん下垂である可能性もあるので、気になる人は眼科でも美容クリニックでもいいので一度カウンセリングを受けることをオススメします。
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お話・友利新先生
皮膚科医・内科医
日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚化学会会員、抗加齢学会会員
沖縄県宮古島出身。東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。現在、都内2か所のクリニックに勤務の傍ら、医師という立場から美容と健康を医療として追求し、美しく生きる為の啓蒙活動を雑誌・TV などで展開中。2004年第36回準ミス日本という経歴をもつ、美貌の新進医師。美と健康に関する著書も多数あり、近著に『0歳からのスキンケア』(イースト・プレス)がある。
(取材・文/根本聡子)
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