
20歳で「年増」と呼ばれる江戸時代でも「カネ」があればそこそこ自由に楽しく暮らせたってホント?江戸の「おひとりさま事情」に迫る【未婚女性の歩み方】
「江戸」はカネさえあれば楽しめる場所。現代の「東京」と同じ?
近年、「ソロ活」という言葉をよく耳にします。焼肉を一人で食べる女性も、一人海外旅行する女性も珍しくありません。また、生涯未婚をつらぬき、趣味や推し活、スポーツ、学問など自分の好きなことに没頭して生きる道もあります。
一方、江戸時代においては女性の行動が制限されていたため、女たちは現代のように一人で思うままに外出できませんでした。そうはいっても、商売をしている女性や庶民はそこそこ自由に動けたよう。
江戸には芝居小屋や歌舞伎などさまざまな娯楽がありました。当時においても“推し活”が大ブームでしたが、彼らの主な推しは歌舞伎役者。浮世絵や錦絵は現代でいうブロマイドで、当時の人たちは推しの似顔絵や推しの舞台姿、さらには推しの楽屋での姿(オフショット)が描かれた絵に夢中でした。こうした姿は現代の推し活女子の姿に重なりますね。ちなみに、筆者は元・宝塚トップスターのファン。そのお方の写真をいつもながめているので、錦絵や浮世絵を購入する江戸っ子の気持ちが分かりすぎます!
その他にも、「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK総合)で描かれているように、本は身近な娯楽でした。また、美しい櫛や着物なども流通しているためおしゃれを楽しむことも。お金はかかりますが、好みの男性を購入する役者買いもありました。男性と疑似恋愛のようなものを楽しめたのです。
さらに、女性の一人旅もハードルは高いものの可能でした。当時、女性の旅は歓迎されていなかったため、女性が一人で関所の検査をクリアするのは容易ではありません。しかし、抜け道として、地元の山人に賄賂を払って、険路を超えるという方法もありました。また、江戸~京都の道のりはそこそこ安全だったよう。江戸時代は旅行ブームで、土産文化も栄えていましたので、「善光寺に行きたい」「お伊勢さんに行きたい」などと強く思う女性は少なからず存在しました。
江戸時代、舞台や本、ファッションなど、女性が一人で楽しめる娯楽は多々ありました。とはいっても、未婚男性には屋台などで“一人飯”を楽しむ習慣があったものの、屋台の様子を描いた浮世絵には女性客の姿はほとんど見当たりません。女性の一人行動は一般的ではなかったためです。当時のおひとりさま女性が何を思い、どのような暮らしを営んでいたのか詳細を知るのは資料が少ないためむずかしいでしょう。”一人行動が好き”という女性はいたのでしょうかね……。
本記事では江戸の「おひとりさま」事情についてお伝えしました。
続いての▶▶付け焼き刃で「通を気取る」のはいつの時代も笑われる。そんな「金金野郎」が小説になったら大ヒット間違いなし?【NHK大河『べらぼう』#6】
では、河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の第6話の内容を深堀りします。
参考文献
江戸歴史研究会『江戸のひみつ 町と暮らしがわかる本 江戸っ子の生活超入門』メイツ出版 2019年
東海道の旅を楽しむ会『東海道五十三次が超おもしろくなる本』扶桑社 2009年
堀江宏樹『女子のためのお江戸案内~恋とおしゃれと生き方と~』廣済堂出版 2014年
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