
元・不登校児がようやく見つけた「自分の取扱説明書」と「心地よい居場所」とは? 今、不登校の親子にどうしても伝えたいこと
「学校に行ける=回復」とは限らない。親と常識に気兼ねしてさらけ出せなかった本音
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小学4年生で不登校に陥ったさゆりさん。その後は行き渋りつつも、5~6年生にかけて欠席自体は少しずつ減っていったのだそう。
「こうお話しすると、私の不登校はあまり長くなくて、比較的早くトンネルを抜けたように思いますよね。でも相変わらず、学校は『行きたくない場所』。根本的な私の違和感は解消されていませんでした」。
では、なぜ休む頻度が減っていったのか。そこには、2つの理由がありました。
「まずは、学校に行く以外の選択肢がなかったから。今ほど不登校というものが認知されておらず、子どもながらに『行くことこそが正解』と思っていました。少しずつ自分を慣らしていけば、前のように行けるはずだ――というか、そうならなくてはいけないと思っていたんです」
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「そして、もう一つの理由は、家族に負担をかけたくないから。『明日休んでもいい?』と聞けば、母は『いいよ』と答えますが、その表情には疲れが滲み出ていました。また別の日には、学校を休んでゲームで気分転換をした私が晴れ晴れした顔でリビングに戻ると、それを見た母がそっとため息をつくんです。『ああ、楽しいのは私だけで、お母さんはそうじゃないんだ』って……そういうことに気づいてしまうんですよね、子どもって」。
不登校のトンネルを抜けるきっかけは、自分が活きる場所に気づけたこと
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全然楽しくないけれど、その方が良さそうだから、そうするしかないから、行く。心は「不登校」のまま学校に足を運ぶようになったさゆりさんは、せめてもの思いで、「学校の中の少しでも楽しい場所や瞬間」を見出そうとしていました。
「5年生になると、希望者は放課後に活動する校内楽器クラブに参加できるんです。近所のお姉ちゃんから『楽しいよ』という評判を聞いていたので、私も入部しました。この経験が中学の吹奏楽部への入部にもつながっていくのですが……クラブも部活も、『パートごとにまとまって進めよう』『発表会までに3曲仕上げるぞ』というような、部員共通のわかりやすいベクトルがありますよね。それが、ものすごく心地良かったんです。
こうして改めて俯瞰すると、私は『はっきりした目標や目的があるチームで、自分に役割がある状態』に居心地の良さを感じるし、強みが発揮できるんだな、って。
もちろん、当時はここまで明確な言語化はできていませんでした。でも、『週に一度の委員会活動の時間は楽しいぞ。クラスや学年をまたいで同じ委員同士で集まって、今回は○○を実現しなきゃ行けないから、アンケートを取ってみようとか、こんなお便りを各クラスに配ろうとか……そういう活動は好きだな』という、『いい感じの瞬間』を自覚し始める。少しずつ自分を楽に活かしやすいパターンに気づいていくわけです」。

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中学に入学する頃には、既にだいぶ充実していたという自分の「取扱説明書」。それは進路選択でも活かされました。
「高校は、迷わず進学校を選びました。言わば『大学に行くために勉強する』という環境ですよね。これが大正解!もちろん、その年ごろならではの人間関係の悩みもありましたが……同じ目線で無理なく話ができることが、本当にうれしかったです。
それまでは公立の小中学校でしたから、自分で場所を選択していませんでした。その分、高校進学で一気に世界が広がったし、『自分が生きやすい場所を選ぶって、なんて素晴らしいことなの!』という衝撃がありました。……逆に、『もっと早く、自分にあった場所を選択できていたら』と思ったのも、正直な気持ちですね」。
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