
脱走に失敗した女郎に、女将がかけた言葉。宿命を受け入れる瀬川の強さに涙が…【NHK大河『べらぼう』#9】
「瀬川」を背負うことの意味
“忘八”といわれる松葉屋の主人・半左衛門(正名僕蔵)といね(水野美紀)が、千両もの大金がかかっている瀬川の身請けの話を簡単にあきらめるはずはありません。
いねは重三郎と瀬川が幼馴染み以上の間柄であることを女の勘で当てました。ふたりは瀬川と重三郎の関係を明らかにする証拠を探します。また、半左衛門は重三郎に身を引かせるため、瀬川が男性客を相手する姿を見せ、花魁の現実を教え説きました──客をとればとるほど、命がすり減ると。
半左衛門(正名僕蔵) 重三郎(横浜流星) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」9話(3月2日放送)より(C)NHK
瀬川が抱える問題は忘八の主人だけではありません。彼女は「瀬川」を引き継いだために、自分の心に従ってこれまで以上に身動きできなくなっていたのです。
瀬川(小芝風花) いね(水野美紀) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」9話(3月2日放送)より(C)NHK
「あんたが 瀬川をよみがえらせたい幸運の名跡にしたいって言った時は 嬉しかったよ これでみんな救われる」「ここは 不幸なところさ。 けど人生をガラリと変えるようなことが起きないわけじゃない。 そういう背中を女郎に見せる務めが 瀬川にはあるんじゃないかい?」
上記の台詞はいねが瀬川に言ったものです。「瀬川」を名乗ることは店全体を背負うこととも聞こえるような気がします。
かつて、瀬川は「わっちが豪気な身請けでも決めて 瀬川を もう一度幸運の名跡にすりゃいいだけの話さ」と、重三郎に話していました。重三郎に一途の瀬川が本意で言ったことなのか、心配する重三郎を気遣ったのか筆者には分かりません。しかし、この言葉の真意にかかわらず、瀬川を引き継いだからにはこの名を幸運の名跡にすることが彼女の責務になってしまったのです。
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