「そんなこと言ってないだろ」正論が通じない夫と暮らす地獄。私の心が壊れる前にできることって?

2025.04.05 LIFE

モラハラ・夫婦問題カウンセラーの麻野祐香です。

モラハラ夫は、自分に都合の悪い言動を「なかったこと」にしてしまいます。責任を妻に押し付け、自分は被害者のような顔をする。そして、見栄や外面を異常に気にし、妻を振り回すことが少なくありません。

今回ご相談いただいたFさんの夫も、まさにその典型でした。

前編「俺に恥をかかせるなよ」外では見栄っぱりな夫、家では責任転嫁ばかり。私だけが消耗するこの結婚、意味あるの? に続く後編です

 

異常な見栄っ張り、その裏にある心理とは?

では、なぜモラハラ夫はここまでプライドが高く、見栄を張るのでしょうか? その背景には、いくつかの心理的要因が潜んでいます。

まずひとつは、他人から「すごい」と思われたいという強い承認欲求です。モラハラ夫は「立派な人」「できる男」と見られたいと強く願います。しかし、実際には自信や実力がともなっていないことが多く、そのギャップを埋めるために見栄を張るのです。高級な物を買ってみせたり、知ったかぶりをして偉そうに語ったりするのは、自分を「すごい人」として演出する手段にすぎません。

 

また、「負けること」への異常な恐怖もあります。自分が間違っていると認めることは、「劣っている」と認めることに等しいと感じるため、どんなに非があっても言い逃れをしようとします。嘘をついてでも自分の正しさを主張し、自分の優位性を保とうとするのです。

 

さらに、幼少期の家庭環境の影響も関係しています。モラハラ傾向のある人は、子どもの頃に過剰に甘やかされたり、逆に親から十分な関心を得られなかった経験を持っている場合があります。そのため、「すごい自分」でいないと愛されないという思い込みが根づき、大人になってからも見栄で自分を武装するようになります。

 

加えて、「弱い自分」を見せたくないという防衛本能もあります。自信がないからこそ、偉そうに振る舞い、「自分は強い」「自分は正しい」と思い込みたい。その結果、家庭内では「お前は間違っている」と繰り返し妻を否定し、自分の立場を保とうとするのです。

 

そしてもうひとつ。外面を異常に気にするという特徴も見逃せません。家庭の中では妻を罵倒しても、外ではにこやかに「良き夫」を演じる。これはすべて、「周囲の評価」に縛られているから。自分の評判を守るためなら、平気で家族を犠牲にするのです。

 

記憶も都合よく書き換えるモラハラ夫 次ページ

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク