【井上咲楽「初の料理本」が受賞!】実はイロイロあった!? 出版社に伝えた「無謀すぎる」条件とは? 大変だったレシピ本制作が、人生の「転換点」に
「私が好きな色ってなんですか?」思わず出た記憶喪失みたいな質問が、大きな気づきに
料理本の企画が始まってすぐ、受け身じゃない仕事の仕方がどういうものかわかった。それは、自分で決めるということの連続だ。私にとってはそれがしんどくて、でもとても大事なリハビリになった。
例えば、撮影に向けた打ち合わせをしている時、「お皿をどうしますか?」という話になった。什器と盛り付けを担当してくれるスタイリストの久保田朋子さんはお皿のスタイリングを手がけるプロで、お料理を盛る器をセレクトして、器周りのテーブルコーディネートをしている。
打ち合わせには私が普段使っている私物の益子焼の器もいっぱい持っていった。久保田さんたちと1つ1つを確認しながら、盛り付ける予定の料理との組み合わせを考えていく。その過程で、久保田さんから「咲楽さん、好きな色って何ですか?」と聞かれた。
単純にテーブルをコーディネートする時の参考にしたいだけだったのだと思う。でも、私はめちゃくちゃに迷った。私の好きな色? となってしまったのだ。
そこで、マネージャーさんにマジな顔で「すいません、私が好きな色ってなんだと思いますか?」と質問した。返ってきたのは、「知らないよ。自分で答えなよ」という答え。そりゃあそうだ。でも本当にわからなくて、困った。
周りの目を意識しすぎて「自分」が迷子に。「居場所は自分で作っていける」と気づけた転機
色は本当に一例に過ぎなくて、私はこれまでそれくらい自分で何も決めてなかったんだなと気づいた。
好きなこと、好きなものはある。だけど、その「好き」には「周りから見た井上咲楽だったら、好きって言うかな?」というフィルターが挟まっていた。だから、シンプルに好きな色を聞かれただけなのに、困ってしまうのだ。胸を張って、「私はこれが好きです」と言えなくなっている。
いろいろと書いているけど、本作りの序盤でストレートに好きなものを好きと言えなくなっている自分を発見できたことが、まずは良かった。編集者さんや久保田さんからすると、「全部、丁寧にやりたいです」と希望を伝えたのに「好きな色」を聞いただけで困っているのは、本当に手を焼いたと思う。
それでも『井上咲楽のおまもりごはん』を作っていた時間は、私にとって大きな転換点になった。好きを基準に自分の考えを提案して、仕事を進めていく。外から見て劇的に変わったところはなかったと思うけど、居場所は自分で作っていけることを知ったのだ。
>>次ページ:私みたいなバラエティタレントは「推し」にならない、という考えがひっくり返った出来事とは?
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