#97 独女が恋愛に「ご無沙汰」になるワケは⁉【40代編集長の婚活記】
ドキッ!鋭い指摘をするロンドンくん
ものすごく戸惑っていた。
肩をギュッとしながら、私の体を引き寄せたロンドンくん。
ロンドン「あれこれ頭で考えすぎなんだよ、アサミちゃんは」
アサミ「考えすぎ?」
ロンドン「これは私らしくないとか、こういう始まりはイヤだとかね」
ドキッ!鋭い。否定できない……。確かに婚活パーティや婚活アプリは不自然だから私に向いていないと思って、このバーにやってきたわけだから。
ロンドン「恋愛は“する”ものじゃない。“落ちちゃう”もの。Fall in Love、っていうでしょ。好きになろうと努力して恋愛が始まるんじゃない」
アサミ「落ちちゃうもの」
ロンドン「理由もなく気になったり、自然と目で追ったり、会いたくなったり、その人のことを考えたり」
アサミ「うん……」
ロンドン「今までそんなふうに思ったこと、ないの?」
さっきまでの「モテモテでした~」みたいな茶化したテンションから打って変わり、急にマジメなトーンで話してきた。肩に回していた手は離したけれど、上半身はグッと近づいたままだ。
恋に“落ちたこと”ありますか?
そう言われて、少し考えた。過去の恋愛のことを。アサミ「そう考えると恋に落ちた経験は、ないかもしれない」
ロンドン「過去の彼氏はみんな、相手から告白してきたんだっけ?」
アサミ「うん……。数少ないけど、たまたまそうだった。だから、言われてうれしいな、ありがたいなと思ってOKしたパターンばっかり」
ロンドン「ちょっと、モテ自慢?」
アサミ「違う違う、数が少ないのよ。それに付き合ったらちゃんと好きになったよ。浮気したこともないし、私からフッたこともないし」
ロンドン「フラれて別れるってワケね」
アサミ「全部フラれてばっかりよ。だからいつも最後は悲しかったし」
ロンドン「でも結局、自分から恋に“落ちた”ことはないわけでしょ? 告白されたから好きになっただけで」
アサミ「はい、その通りです……」
ロンドン「恋愛センサーが鈍感なんだよね、アサミちゃんって」
アサミ「恋愛センサー?」
魅力センサーと恋愛センサー
恋愛センサーが鈍感? う……。これまた鋭い指摘かも。ロンドン「恋愛感情は別として、この人ステキとか、カッコいいとか、一緒にいて楽しいとかは思ったりするでしょ?」
アサミ「それは思うよ。たくさんいる」
ロンドン「そういう魅力センサーは敏感に働いてるのよ。なかには魅力センサーすら働かない、人に興味のない人間もいるけどね」
アサミ「人に興味はあるよ!」
ロンドン「そこから先! 魅力センサーでステキだなって思った相手の中から、恋愛対象になっていくわけよ? だけどアサミちゃんの場合、魅力センサーで受けた感情が恋愛センサーに伝達してないわけ」
アサミ「魅力センサーで止まってる……」
ロンドン「そうそう。恋愛センサーへの伝達物質がなんらかによって阻害されているわけ」
アサミ「何が阻害してるのよ」
ロンドン「“考えすぎ”っていう思考回路!」
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